家を建てるなら

家を建てるなら  

はじめに

 ここでは、不肖私のマイホーム取得の経験から、これから家を建てられる方々へのアドバイスを記載しています。
 よく、家は3軒建てなければ満足できる家が建てられないと言われます。私も、初めての家にどうにも我慢できず、大損こいて売却し2軒目を取得した経緯があります。
 そんななかで、いろいろな反省や思うことがあり、独尊的な意見ではありますが、少しでも参考になればと思います。

マイホーム取得は35歳くらいまでに

 この意味は、もっぱらローンの返済負担を考えてのことです。一生かけて払わなければならない高い買い物ですから、40歳を超えてからでは、その勇気と元気がなくなってきます。ましてお子さんの教育費がかさんでくる時期でもありますから余計ふんぎりがつきにくくなります。うまくタイミングをはからないと、マイホーム取得の機会を失いかねません。30〜35歳くらいの意欲満々、血気盛んな頃に取得されることをおすすめします。

大規模ニュータウンはおすすめ

 UR都市機構や大手不動産業者が開発した大規模ニュータウンはおすすめです。街並みも統一感があって美しいですし、多くのインフラが整備されていることもありますが、何より周りの多くの家庭の生活レベルや家族構成、年齢層、そして価値観が似通っているのがよい点です。

 私の場合、住都公団(当時)のクジが全然当たらなくて、やむなく地元業者が開発したすぐ付近にあるミニ・タウン内の家を購入しました。郊外ながらかなり人気のある地域でしたから、その付近なら何処でも同じだろうと思って買ったのです。ところが、これが大失敗。引っ越してみると近所の人は元々の地元の人ばかりで、グループをつくって外から来た私たちをよそ者扱いするし、雰囲気もどうも馴染めない。子どもの学校のレベルも今ひとつで、これはシマッタと後悔しました。

 その後も住都公団のニュータウンのクジに挑戦し続けましたら、2年後にやっと当選しまして、それで大損こいて多額のローンを組んで買い替えたのですが、こちらに来てみると、もうこれが天と地ほどの大違い。前のところと2kmくらいしか離れていないのにです。

 地元の人しか知らないミニ・タウンと違って、大規模タウンはいろいろな地域(多くは都市部)から大体同じようなレベルの人たちが同じ時期に集まってきますから、違和感なく溶け込めるのです。学校のレベルも最初から高めにスタートしていますしね。

 ただ、似通ったレベルの家庭の集まりだけに、ライバル心は必要以上に高まるようです。まあ、これは切磋琢磨ということでよしとしましょう。しかし欠点もあります。それは街中みんなが同じように歳を取っていくことです。かつての大阪の千里ニュータウンの例もありますが、やがて街の人口全体が一斉に老人になってしまいます。この街も、もう何十年か経ったら老人ばかりの活気のない街になってしまうだろうと、少々心配です。

建売住宅は悪くない

 ニュータウンでは、土地のみの分譲もありますが、多くの場合は複数の大手ハウスメーカーの建売住宅が同時に並んで売られます。この場合、各戸の間取りは標準的ですし、外構も完成していて周囲の統一感もありますから、初心者が買って失敗は少ないと思います。各戸の位置関係もバランスがとれているし、ハウスメーカー同士の宣伝競争の意味もありますから、おかしな物件は少ないはずです。

 これがそうではなく、銘々が勝手に建てる場合だと、隣家の壁がすぐ近くに来たりリビングの前に相手の家のトイレが来たりと、後々トラブルの原因になりかねません。したがって、特別なこだわりがないのであれば、ハウスメーカー乱立の建売住宅から選んで買うのはおすすめです。

大手ハウスメーカーは悪くない

  昔は、ハウスメーカーのプレハブ住宅は安物というイメージがありましたが、最近はそんなことはありません。工場でつくって運んできて、まるで積み木を組み立てるように簡単に建ってしまうのもありますが、その分、品質の統一感はあります。グレードも多くて、えらく高級品もあるようです。

 何よりいいのはアフターサービスでしょうか。ああいう会社は評判を大切にしますから、文句をいえばきちんと対応してくれます。私が最初に買った家は地場の中小業者が建てたものでしたが、売ってしまったらあとはどうでもいいという態度があからさまでして、金輪際つきあいたくないと思ったものです。

 価格は、テレビCMなどの広告宣伝費が織り込まれている分、かなり割高感はありますが、「安心」を買うと思えば納得できます。

通勤経路の事前確認を

 事前に通勤経路をきちんと確認しておく必要があります。それも実地に。これから先、20年も30年も毎日のように通うわけですから、安易な妥協は後悔の元です。パンフレットや広告に「都心まで50分」とか書かれていても、乗り換えや待ち時間を入れていませんから、実際とはだいぶ違います。それから距離は少々遠くても1本の電車でスゥーっと来られるところの方が、近くてもバスや電車を何度も乗り換えなくてはならないところよりずっとマシです。とくに座席に座れるかそうでないかは天国と地獄ほどの違いです。

公園のすぐそばは△

 マンションの名称で、よく「パークサイド○○」というふうに公園近くの立地を売り物にしているのがありますが、マンションはともかく1戸建ての場合はちょっと考えものです。といいますのは、公園のそばは休日など子どもたちが遊び騒ぐ声がけっこううるさいのです。ボールが飛んできて自家用車や庭木を傷つけることもあります。それから夜は夜で、人っ子一人いなくなってちょっと気持ち悪い感じがします。広大な公園だったりしますと、あまりにひっそりしててオバケが出てきそうです。

学校・幼稚園のそばは△

 これも公園の場合と同じで、うるささが気になります。とくに幼稚園の場合は、父兄が園児を送ったり出迎えたりする時間帯などはたいへん騒がしくなります。送迎の自家用車があふれ、近隣とトラブルになったという話もありました。小学校以上になるとそれほどではないので、あまり神経質になる必要はないかもしれません。それでも何やかんやの音は聞こえてきます。文教施設に近いのはよいことですが、あまり近すぎるのも考えものです。

法面の多い土地は金がかかる

 土地だけ先に買って後から家を建てようとする場合、その土地の法面(のりめん)などはそのままですから、まず整地から始めなければなりません。これがけっこう金がかかるのです。ニュータウンは、郊外の丘陵地に造成される場合が多いですから、なかには平らな部分より法面が占める面積のほうが大きい土地もあります。土地の値段だけに惑わされずに、その辺の費用も計算に入れておかないと、予算に足が出てしまいます。

道路面よりちょっと高い土地がおすすめ

 法面の話をしましたが、家を建てた後のプライバシーの確保という観点からは、道路面より若干高くなっている土地のほうがベターです。かといってあまり高いと、歳取ってからの上り下りがしんどいですから、1m前後が適当ではないでしょうか。ふつう、土地は道路面と高低差がないものが価値が高いとされるのですが、ニュータウンなどの住宅専用地はこの限りではありません。

リビングと食堂は別々に

 モデルルームでよく見かけますが、リビングルームと食堂やキッチンが一体になっている間取りがあります。見た目はとても広々として豪華な印象を受けますが、いざ住まう段になりますと、不都合な点もあります。まず冷暖房の効率は悪いし、夜には全部のスペースの明かりをつけていないと部屋全体がうす暗い雰囲気になってしまうなど、省エネの観点からは×です。

 それから、絶えず全てのスペースを使うわけでもないのに不必要に広いのは、何となく落ち着かない気分になりますし、冷蔵庫や食器棚、食卓などすべての家具や調度品がつねに目に入るというのも乱雑で目障りな感じがします。リビングにはリビング、食堂には食堂といった独立した部屋の雰囲気も保てません。個人的には嫌いな間取りです。

お風呂は豪華に

 毎日使い、しかも一日の疲れを癒してくれるお風呂は、できるだけ豪華にすることをおすすめします。お風呂場の床面は、脱衣場と同じ高さか、一歩上がる感じにやや高めにつくる方がいいと思います。カビ対策には苦労しますから、換気機能は不可欠です。最近では家の南側にお風呂をもってくる人もあるようです。同じように朝のスタートを飾る洗面所も、明るく気持ちのいいものにすべきでしょう。

家具は最小限に

 マンションや住宅展示場のモデルルームがとても素敵にカッコよく見えるのは、置いてある家具が少ないからです。ふつうの生活をするには明らかに不足し、およそ実用的でないインテリアの配置になっています。実際にはあそこまで真似るのは不可能ですが、それでも極力、家具は少なくすることはできます。そのためには要らないものは積極的に捨てましょう。

 幸いというか私は転勤族でしたから、引越しのたびに要らないものはどんどん捨ててきました。おかげで荷物や家具は必要最小限しかありません。それでも我が家に来られるお客さんは、部屋がきれいと褒めてくれます。何のことはない、何もないからきれいに見えるだけです。シンプル・イズ・ベスト。

 収納スペースは多いに越したことはありませんが、壁収納がおすすめです。見た目がとてもスッキリしていますし、大きなタンスを置いて後ろの壁際にホコリやカビをためるよりは、うんと清潔です。

芝生は手間がかかる

 芝生の庭のある家を持つのが夢でしたから、さっそく南側一面に芝を植えたのですが、とくに夏場はたいへん手間がかかります。初夏の頃は草丈がぐんぐん伸びますから、週に一度は芝刈りをしなくてはなりません。また、土地がだんだん痩せてデコボコしてきますから目土を入れたり、通気をよくするために地面に穴をあけたり、雑草を抜いたり、肥料をやったりといろいろな作業が必要になってきます。園芸が好きな人なら平気でしょうが、そうでもない人はすぐに嫌になってしまうでしょう。手入れがなっていない芝生ほどみっともないものはありませんから、覚悟を決めて芝生の庭にしましょう。

庭木にゴールドクレストは×

 庭にどんな木を植えたらいいか、いろいろと楽しみですが、私からは一点だけお伝えします。ホームセンターなどで高さ30〜40cmくらいのゴールドクレストが安く売られています。鮮やかな緑と円錐形の美しい木姿に魅せられてついつい買ってしまうのですが、これが見る見るバケモノのように大きくなってしまうから大変です。

 ご近所にも植えておられる方が多いのですが、何年かたつとどこも持て余している風情です。こまめに刈り込めばいいのでしょうが、放っておくと手がつけられなくなります。ゴールドクレストに限らず、庭木を植えるときは、その木がどこまで大きくなるかをちゃんと調べてからでないと、大変な苦労をしょいこむことになりますから注意が必要です。

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家の周囲には玉砂利を

 家の周囲の何もない地面には、小さめの玉砂利を敷くのがおすすめです。費用も安く、雨が降っても泥んこにならず、雑草も生えにくいからです。それから、歩くとザクッ、ザクッと音がしますから、泥棒よけにもなる(?)と思います。

余裕のある資金計画を

 いざ新居に移りますと、あれも欲しいこれも欲しいと、ついつい色々買ってしまいます。そういうのは極力おさえるべきですが、ある程度は仕方がありません。また、予期していなかった余分な費用がかかったりします。ですから、自己資金の準備やローンの借入は少し多めにしておくほうがいいでしょう。余ったら、その分返したらいいのですから。

 自己資金はどれくらい用意したらいいのかは、少なくとも総必要額の2割、できれば3割くらい欲しいところですね。もっとも銀行の住宅ローンは、担保価格の8割くらいを貸出限度としていますから、ふつうはそういう形になります。自己資金が足らなくて、他の借入を複合的に利用する方法も考えられますが、極めて不健全ですから避けたほうがいいでしょう。

いろいろな費用を忘れずに

 資金計画の際に忘れてはならない諸費用としては、次のようなものがあります。

[印紙税]
 売買契約書や建築請負契約書、ローン契約書などに貼らなくてはならない収入印紙代です。
[登録免許税]
 登記の際にかかる税金です。新築の建物なら、固定資産税評価額の0.15%です。
[登記代行手数料]
 登記手続を司法書士に依頼した場合の、司法書士への手数料です。
[不動産取得税]
 不動産を取得した際にかかる地方税で、固定資産評価額の3%です。
[ローン事務手数料]
 ローンを利用する際に、金融機関に払う手数料です。
[ローン保証料]
 銀行のローンの場合、保証会社の保証をつけるのが一般的で、保証会社に払う保証料が必要になります。
[団体信用生命保険の保険料]
 ローン借入の際に加入する生命保険料です。銀行によっては、金利に含まれている場合もあります。
[不動産仲介手数料]
 不動産業者が仲介する場合は、仲介手数料がかかります。金額は、購入価格の3%+6万円です。
[火災保険料]
 建物にかける火災保険の保険料です。ローンを借りる場合は、この保険も担保として金融機関に提供しなくてはなりません。
[水道加入金]
 建売住宅を購入する場合に多く見られます。

売買契約のときの注意点

 売買契約の際には、「重要事項説明書」をもとに購入物件の詳細について説明を受けます。説明は、宅地建物取引主任者が主任者証を示して行います。このとき、分からないことや不明なことは、必ず納得できるまで尋ねるべきです。あとで「シマッタ!」ということのないように、きちんと理解したうえで契約書に署名捺印、手付金を支払うようにしましょう。

 代金の支払は、ふつう売買契約時に手付金を払い、物件の引渡し時に残金を払います。この手付金は、買主側の事情で契約解除するときは戻ってきません。しかし、買主がローン申し込みの手続きを始めるのは契約後がふつうですから、もしローンが借りられなくなった場合は、その場合にかぎりペナルティなしで契約を白紙に戻すことができる「ローン特約」を結ぶことができます。一方、売主側の事情で契約解除するときは、手付金の2倍の金額が返還されます。

ローンの繰上げ返済はこまめに

 借りた住宅ローンについては、その後もお金を少しずつ貯めて随時繰上げ返済することをおすすめします。住宅ローンは元利均等返済方式ですから、はじめのうちは利息ばかり払っているかたちになっていて、元金はなかなか減らないのです。そこへ100万円でも200万円でも繰上げ返済すると、一挙に何年分も返済年数が短くなりますからとても嬉しくなってきます。実際、トータルの返済金額もかなり減るのです。

最後に

 不動産は”縁”のものとよく言われますが、その通りだと思います。異性との運命の出逢いにも似た面があります。こちらが欲しいと思うものはなかなか手に入らないし、また、いざ持ってみたら気に入らないとか、気に入らないと思っていたら案外よかったなんていうことも多々あります。

 ですから本当に自分に合っているかどうかは、実のところ、実際に住んでみなければ分かりません。しかし、高い買い物ですから次々に買い替えるわけにはいきません。そこで、事前の調査や勉強がとても重要になってきます。いろいろなアドバイスの書物も出ていますが、手っ取り早くていちばん為になるのは最近家を買った先輩にあれこれ教えてもらうことです。

 物件の下見は決して手を抜いてはなりません。1度だけでなく曜日や時間帯を変えて近所の様子などを観察する努力も必要です。マイホームを構えるというのは一世一代の大事業ですから、見込み違いのないようにいろいろなことに注意して臨みましょう。

 

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マンションと一戸建て

マンションの長所・短所

【長所】
・一定の環境づくりによって、マンションならではの生活の楽しさが生み出されていく。
・管理費はかかるが、垣根の補修や庭の手入れといった1戸建てにありがちな住宅管理のわずらわしさが少ない。
・鍵一つで外出できる。また、ドアを閉めるだけでプライバシーを保てるという気軽さがある。
・気密性や断熱性が高い。

【短所】
・部屋の内部以外は
共有・共用部分なので、自由に変更などできない。
・自分の土地があるわけでない。
・戸建て住宅に比べて、一般的に収納部分が少ない。
・住み心地が管理に影響される。
・自分の家なのにベランダ、ポーチやアルコーブも自由には使えない。
・音が伝わりやすい。
・駐車場が遠い上に、料金の負担がバカにならない。
・集合ポストなので不便。
・エレベーターの待ち時間が煩わしい。
・管理組合の活動が煩わしい。
・将来、資産価値が全く無くなる可能性がある。

1戸建ての長所・短所

【長所】
・独立しているので、音や振動によるトラブルが発生しにくい。
・趣味や用途に応じた庭のある暮らしが楽しめる。
・土地・建物の所有がはっきりしていて、マンションの許有持分・区分所有権などのように権利関係が複雑でない。
・法令や条例で許される範囲で、増築や改築ができる。
・気にせず布団を手すりに干せる。
・駐車スペースがあれば料金はタダ。家のすぐ前にある。

【短所】
・屋根や基礎、外構など、手入れや補修にある程度の手間、費用がかかる。
・入口のドアを戸締りするだけで出かけられるマンションのような気軽さがない。
・年を取ってくると、庭の手入れが大変。
・ゴミ当番がまわってくる。

不動産業者の選び方

 信頼できる不動産業者を選ぶ基本は、免許証を持っているかどうかを確認することです。民間の事業者が、土地や建物の取引などの不動産業(宅地建物取引業)を行うには、免許証が必要です。無免許業者とは、絶対に取引してはいけません。

 その業者が、免許証を持っているかどうかは、不動産広告を見れば分かります。不動産広告には、免許証番号、会社名、所在地、電話番号、所属する団体名を記載することが義務づけられています。不動産業者の事務所には免許証番号のほか、免許有効期間、屋号または名称、代表者氏名などを記載した「宅地建物取引業者票」を掲示することが義務づけられています。

 免許証には、大臣免許と都道府県知事免許の2種類があり、前者は「国土交通大臣(△)第○○号」、後者は「××知事(△)第○○号」と表示されます。大臣免許のほうが信頼が高いということではなく、一つの都道府県内だけに事務所を設置する場合は知事免許、複数の都道府県に事務所を設置する場合は大臣免許となっているだけで、どちらも全国で営業活動を行えるので、実質的な違いはありません。

 それよりもカッコ内の数字に注目してください。数字は免許証更新のたびに増えていくので、免許取得後の営業年数が分かります。更新期間は1996年4月1日以降は5年ごと、その前までは3年ごとでした。仮に(2)とあれば1回更新したことになり、免許を取得してからの営業年数は、5年以上10年未満です。

 一般に長く営業している不動産業者はそれだけ経験があり、安定して営業していると判断できます。しかし、古いのは免許証番号だけで、途中で社員がすべて入れ代わっていたりする例もありますし、逆に番号が新しくても経験豊富な社員で構成されている場合もあります。

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