そのほかの言葉

→あ行/か行さ行た行な行は行ま行や行〜

 そのほかの言葉

あ行

藹々(あいあい)

おだやかなようす。打ち解けたようす。草木がさかんに茂っているようす。

相合傘(あいあいがさ)

一本の傘に男と女が二人で入ること。

逢引(あいびき)

愛し合う男女が、人目を忍んで逢うこと。

あえか

弱々しく、幼いかわいらしさあるさま。いかにもはかなげに見えるさま。〔用例〕彼女のようなあえかな女性には会ったことがない。

青海原(あおうなばら)

青々とした広い海。

購(あがな)う

つぐなう。埋め合わせをする。〔用例〕罪を購う。

明け暮れ

「夜明けと夕暮れ」が転じて、日々、毎日、また、明けても暮れても、いつも。〔用例〕仕事だけに明け暮れする毎日は、味気ない。

朝な夕な

毎朝毎夕。いつも。常に。〔用例〕朝な夕な般若心経を唱える。

朝ぼらけ

夜明け方の、空がほんのりと明るくなったころ。もとは「朝おぼろ明け。

汗みずく

汗にぐっしょり濡れたようす。汗みどろ。漢字で書くと「汗水漬」。

あだ情け

かりそめの情け。

あたら

惜しいことに。むざむざ。〔用例〕あたら若い命を捨てる。

あっぱれ

感動して褒め称える気持ちを表す言葉。漢字で書くと「天晴」。

艶姿(あですがた)

女性の美しく色っぽい姿。

当て所(ど)ない

目当てや頼りとするところがない。〔用例〕当て所なく、夜の都会をさまよった。

あながち

必ずしも。まんざら。〔用例〕あながち悪いとはいえない。

数多(あまた)

数が多くあること。たくさん。〔用例〕数多の苦難を乗り越える。

天つ乙女(あまつおとめ)

天に住む乙女、すなわち天女のこと。「天つ」の「つ」は格助詞で、「天の」という意味。

あまつさえ

その上さらに。あろうことか。おまけに。〔用例〕折からの大雪、あまつさえ車が故障してしまった。

あまねく

広く。一般に。〔用例〕世間にあまねく知れ渡る。

天(あめ)が下

この国土。日本中。空の下。

あやなす

美しい模様をつくる。美しく彩る。うまく扱う。〔用例〕錦あやなす木々。多くの男性をあやなした経験。

あらずもがな

あってほしくない。ないほうがよい。〔用例〕あらずもがなの終章。

ありてい

ありのまま。事実のまま。漢字で書くと「有体」または「有態」。〔用例〕ありていに言う。

案に違(たが)う

予想していたことや思案していたことが的中しない。〔用例〕案に違う試合展開になってきた。

言い知れぬ

言うに言われない。何とも言えない〔用例〕言い知れぬ寂しさを覚える。

いかばかり

どれほど。どんなに。物事の数や程度の多さをおしはかる場合に用いる。〔用例〕悲しみはいかばかりかと思いやる。

いかんせん

どうしようもない。残念ながら。〔用例〕いかんせん、手遅れだ。

生きとし生けるもの

この世に生を受けているものすべて。地上の全ての生き物。〔用例〕生きとし生けるものの権利は、神の前では平等だ。

礎(いしずえ)

ものごとの基礎となるもの。家の柱の下にすえる土台。柱石。

居住まい

座っている姿勢や態度。〔用例〕居住まいを正す。

いそしむ

「励む」の雅語的表現。ただ、単なる「励む」とはニュアンスが異なり、いそいそと仕事や勉強に取り組むようす。そのことに何か喜びを見出しているようすがうかがえる表現。

幼(いと)けない

幼い。あどけない。〔用例〕幼い子どもたちを残しては行けない。

いとど

いっそう。ますます。〔用例〕やさしい言葉をかけられ、いとど寂しさが募ってきた。

暇乞い(いとまごい)

別れを告げること。辞めたいと申し出ること。

今を時めく

よい時勢にめぐりあい、今が最高の状態にあること。〔用例〕たちまちのうちに、今を時めく人気歌手となる。

いみじくも

非常にうまく。適切に。〔用例〕暑さ寒さも彼岸まで、とはいみじくも言ったものだ。

いやさか

いよいよ栄えること。漢字で書くと「弥栄」。〔用例〕母国のいやさかを祈る。

いやしくも

仮にも。少なくとも。〔用例〕いやしくも人の上に立つ者ならば、そのようなことはすべきでない。
もしも。万一。〔用例〕いやしくもこれが現実なら、早急に手を打つべきだ。

言わずもがな

言うまでもない。もちろん。〔用例〕英悟は言わずもがな、フランス語も話す。
言わないでくれるといい。言わないほうがいい。〔用例〕言わずもがなのことを言う。

いわんや

なおさら。まして。文末に「をや」をつけて、「大人でさえ難しいのに、いわんや子供においてをやだ。

堆(うずたか)い

積み重なって高く盛り上がっている。〔用例〕堆く積もった土砂。
高貴である。高慢である。

うたかた

水に浮かぶあわ。(水に浮かぶあわのように)消えやすくはかないこと。

うたた

いよいよ。ますます。〔用例〕うたた同情の念に堪えない。

諾(うべな)う

もっともなことであると同意する。〔用例〕彼の意見を諾う人が多かった。

うらうら

よく晴れて暖かくのどかなようす。

おうち

あなた。うちは私のことだが、「お」がつくと対称代名詞になりあなたの意。今ではほとんど聞けなくなったが、大阪の古い仕舞屋などの上品なおばあちゃんやおじいちゃんが使っていた言葉。

奥ゆかしい

奥にひそむものに強く心がひかれる。さらによく知りたい。深みと品位があって、心が引かれる。〔用例〕奥ゆかしい女性が少なくなった。

おしなべて

全体にわたって。一様に。概して。〔用例〕今年の稲はおしなべて出来がいいようだ。

遠近(おちこち)

あちらこちら。ここかしこ。〔用例〕鶏の声が遠近に聞こえる。

御目文字(おめもじ)

お目にかかることをいう女性語。〔用例〕いちど御目文字いたしたく・・・。

思いなしか

そう思ってみると、そんな気がする。〔用例〕思いなしか、今日の彼は元気がなかった。

思いなしか

何かをもとと、彼の心中について思い半ばに過ぎる。

面映(おもはゆ)い

恥ずかしい。照れくさい。

折節(おりふし)

その時々。その場合場合。〔用例〕折節の思いを日記に綴る。

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か行

垣間(かいま)見る

物陰からこっそりとのぞき見る。ちらっと見る。〔用例〕大人の世界を垣間見る。

がえんずる

承諾する。肯定する。もとは漢文の「不肯」を訓読みした「かへにす」から来た言葉で、音と意味が転じて現在の意味になった。

かかずらう

かかわりあいを持つ。かかわりがあって離れられない状態になる。関係する。〔用例〕後ろ向きの仕事ばかりにかかずらっていられない。

可及的(かきゅうてき)

できるだけ。なるべく。〔用例〕可及的速やかに提出せよ。

姦(かしま)しい

やかましい。耳障りでうるさい。〔用例〕女三人寄れば姦しい。

予言(かねごと)

あらかじめ言っておくこと。約束。

仮初(かりそめ)

その場限りで一時的なこと。〔用例〕仮初の恋。

川明かり

辺りが暗いなかで川の水面が反射して明るく見えること。

可愛い訛(なま)り

京都の女性が話す京都弁のこと。

鑑(かんが)みる

照らし合わせて考えること。「鑑」は鏡と同じ字源で、映して見ることから、手本になるという意味が生じた。〔用例〕状況に鑑みて決断する。

萌(きざ)す

ものごとが起こり始まろうとする。草木が芽生える。

絆(きずな)

絶ち難い、人と人との結びつき。一体感。

生粋(きっすい)

まじりけがなく、純粋なこと。その人の性質などが何処からみても言われる通りで、そのもの以外の何ものでもないこと。〔用例〕生粋の江戸っ子。

きらら

雲母(うんも)。

草枕(くさまくら)

草を敷いて仮の枕にすることから、旅寝をすること。また、旅そのもの。〔用例〕あてどない草枕も、たまにはいいものだ。

草分け

ある物事を初めて行うこと。また、その人。創始者。〔用例〕わが社は、この業界では草分け的存在だ。

件(くだん)の

前に述べたこと。例の。いつものこと。例のもの。〔用例〕件の要件で話し合いたい。

暗(く)れ惑う

どうしたらよいか分からず、途方に暮れる。悲しみのために心がふさいで思案に迷う。

気色ばむ

怒りや不満の気持ちが外に現れる。むっとして顔色を変える。〔用例〕気色ばんで、席を立つ。

群青(ぐんじょう)

あざやかな青色。

懸想(けそう)

異性に思いを寄せること。〔用例〕秀吉は、お市の方に懸想した。

けだし

多分。おそらく。思うに。〔用例〕あなたの主張は、けだし正論だと思います。

恋女房

恋愛して結婚した妻。

来し方行く末

過ぎ去った日々と、これから先の日々。〔用例〕わが身の来し方行く末を思い悩む。

言問う

話をする。問いかける。男女が言い交わす。〔用例〕言問う人もいない田舎道。

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さ行

逆さ別れ

親より先に子が死ぬこと。〔用例〕逆さ別れほどの親不孝はない。

細(さざ)れ

細かい。小さい。わざかな。〔用例〕細れ石。細(れ)波

然(さ)のみ

それほど。これといって特に。〔用例〕然のみ困難ではない。

然(さ)は然(さ)りながら

それはそうであるけれども。

さやか

見た目にはっきりしていること。〔用例〕秋来ぬと目にはさやかに見えねども・・・。

冴(さ)やけさ

冷たく凍りつくとともに、澄み切って鮮やかなようす。〔用例〕月冴ゆる。

冴(さ)ゆる

凛とした寒さが際立つ感じ、寒さがいっそう増す感じを表す語。

さようなら

別れを告げるあいさつ。「さようならば」の省略で、「そういう事情だからお暇します」の意味を含む。何かと余韻を残す話し言葉が多い日本語の典型といえるのでは。

さんざめく

ざわざわと騒ぐ。

燦々(さんさん)

日の光が明るくきらきらと輝くようす。

柵(しがらみ)

水の勢いを弱めるために水中に杭を打ち、それに木の枝や竹などをからませたもの。転じて、身にまとわりついて離れないもの。絶つことのできない関係。〔用例〕恋の柵。

然るに

ところが。そうであるのに。〔用例〕金融緩和政策は実行された。然るに、それが中小零細企業に行き渡っていない。

如(し)くは無し

比較するものがない。〔用例〕油断大敵、身の用心に如くは無し。

静寂(しじま)

静まり返って、物音一つしないこと。〔用例〕夜の静寂。

認(したた)める

文章を書く。整える。処置する。食事をする。〔用例〕手紙を認める。

しっぽり

しっとりと全体的に十分ぬれるさま。雨が静かに降るさま。男女間の愛情のこまやかなさま。〔用例〕春雨にしっぽりと濡れる。しっぽりと語り明かす。

しどけない

身なりなどがきちんとせず、だらしない。しまりがない様子。〔用例〕しどけないネグリジェ姿。

しとど

びっしょり濡れたようす。

東雲(しののめ)

明け方。夜明け。元日の夜明けを「初東雲」という。

忍び逢い

男女がこっそり逢うこと。逢引。

仕舞屋(しもたや)

以前に商売をしていたが、やめてしまった家。商売をしていない一般の家。

深々(しんしん)

夜が静かに更けていくようす。寒さが身にしみるようす。奥深いようす。

すずろ

心のおもむくままに物事をするさま。これといった当てもないさま。これといった根拠や理由のないさま。本意に反しているさま。風情がないさま。みやみ。やたら。
「すずろ言」はつまらない言葉。「すずろ歩き」は当てもなく歩き回ること。「すずろ心」は浮ついた心。

昴(すばる)

おうし座にある星団の名前。「統一」という意味の「すばまる」という雅語が変化したもの。

すべからく

当然。本来ならば。「すべきであること」の約。下に「べし」が来る場合が多い。〔用例〕学生はすべからく勉強すべし。

赤心

いつわりのない心。まごころ。誠意。「赤」は明らかという意味。〔用例〕彼の赤心が通じた。

せせらぎ

小川。漢字で書くと「細流」。

是非も無い

いいも悪いもない。仕方がない。〔用例〕そういう事情なら是非も無い。

先達(せんだつ)

他の人より先にその分野に進み、業績・経験を積んで他を導くこと。また、その人。先輩。〔用例〕先達に学ぶ。

楚々(そそ)

清らかで美しいようす。あざやかなさま。〔用例〕楚々とした女性。

卒爾(そつじ)ながら

「突然で失礼ですが」というときの決まり文句。〔用例〕卒爾ながらお尋ねいたします。

其文字(そもじ)

あなた。そなた。

忖度(そんたく)

他人の心を推しはかること。推察。推測。

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ちょっと美しい日本語

昔の人たちが残してくれた、美しい日本語の数々。



P R

学生百人一首から

父に聞く自己推薦書の長所欄答えてくれた言葉に泣いた(高3女子)
 
お父さんりんごをむいただけなのにそんなしみじみしないでほしい(高3女子)
 
過ぎてゆく高二の夏を止めたくて朝顔一つ押し花にする(高2女子)
 
朝早くカーテン開けて光合成力満ちたらさあ出かけよう(高1女子)
 
入学式みんなの顔はのっぺらぼうこれから見つけるほんとうの顔(中2女子)
 
「おかえり」がこんなうれしい言葉とは初めて知った寮に入って(高2女子)
 
難しいと言われて燃える夢があるいつか作る機械の義手を(高2男子)
 
電車内仲良さそうなカップルを横目で見ている「共学いいね」(高3女子)
 
えんぴつがくるりくるりとダンス中白いステージ中間考査(中3女子)
 
ユニセフの募金に立ちたる中学の後輩の箱に照れつつ十円(高1女子)
 
就活の車窓に見える案山子から試験頑張れとエールをもらう(高3男子)
 
おじいちゃん倒れているかと思いきや「暑いからな」と廊下で寝てた(高3女子)
 
老犬の温かな身に顔うずめ命の音聞き涙あふれる(中2女子)
 
被災地となった故郷を前にして震える母の肩を支える(高2女子)
 
満員のバスで微笑む赤ちゃんがみんなに渡す笑顔のバトン(高2女子)
 
少しだけ独りの時間が欲しいからあえて乗り込む各駅停車(高3男子)
 
命日に網戸にとまり鳴くセミは祖父の化身としばし聞き入る(高3女子)
 
中庭に座ってみると大きくていつもの校舎がどこか頼もしい(中3女子)
 
「よく来たな」スイカつくって待っていたじいちゃんのいない初めての夏(中1男子)
 
先生がニコっとして言う「がんばるな」私の中で「がんばれ」になる(高3女子)
 
泣きながら内定決まり一番に電話したのは大切な祖母(高3女子)
 
家を出た兄が残した壁の穴見つめる母はどこか寂しげ(高1女子)
 
行きたいと思う学校まっさきに見るのはいつも学費一覧(高3女子)
 
旧友が声変わりしてふと気づく違った道を歩む僕らに(高3男子)
 
本当の先生よりも眠くない実習生の熱心授業(高1女子)
 
二年後は絶対ここにいるんだと強く思ったオープンキャンパス(高2女子)
 
わがままで悪魔のような妹だがいじめる奴はただじゃ済まさん(中2男子)
 
グチを聞く祖父はいつでも「んだなぁ」と分かってくれる私のヒーロー(中2女子)
 
おかえりと足に抱きつく妹よ頭の位置がまた高くなったね(高2男子)
 
しがみつく夢のはじっこ布団ごと母にはがされ無念の起床(高3男子)
 
仕送りで何がいるのか兄へ聞く足りないものは家族だと言う(高3女子)
 
将来を迷い迷って遠回りやっと見つけた看護への道(高3女子)
 
ドッカーンとどろきわたるカミナリと家路を急ぐ自転車集団(中2男子)
 
旅先の服を決めかね広げたるベッドの上の花畑かな(高1女子)
 
ペダル踏む十三キロの往き帰り日々変わりゆく山なみの色(高1男子)
 
突然にヒゲ生えだした十五歳初のヒゲソリ持つ手震える(中3男子)
 
夏休み父と二人で電車旅普段と違う親子になれた(高2女子)
 
気がつけば胸の位置まで伸びている生き急ぎゆく夏のひまわり(高3女子)
 
いってきます言わずに閉めた家のドア一日かけて後悔をする(高1女子)
 
涙ためおもちゃをねだる少年が昔の自分と重なり見える(高1男子)
 
春の日にぜんまいもみを手伝えば器用に動く祖母の指先(高1女子)
 
受験時を一緒に過ごしたこのペンは使えなくてもふでばこの中(高1男子)
 
風邪ひけば手袋マフラーつけるけどミニスカートの丈は伸ばさず(高1女子)
 
幼い日おぶってくれた祖父を今私が抱く小さな遺骨(高3女子)
 
手の中の志望理由書見つめたらモノクロ世界色づき始め(高3女子)
 
「正義って何だろうね」とつぶやいて歴史の教科書めくってる君(高3女子)
 
木を削る音が身体にしみついて頑固な祖父は今日も働く(高3男子)
 
新盆の客足絶えぬじいちゃんの歩んだ道の尊さを知る(高2女子)
 
台風が落としていった宝物水の鏡が満月映し(高2女子)
 
千年の時越え残る恋の歌歌人の心に思いを馳せる(高2女子)
 
書き初めの会心の作きめたのは諦めかけたラストの一枚(中2女子)
 
母ひとり愛してくれた十五年母を支える人になりたい(高1男子)
 
時を経て顔ぶれ変わる盆踊りラムネの味は少し寂しい(高2女子)
 
あと一年もってくれよと制服のほつれた袖口つくろい直す(高2女子)

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