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漢詩を読むがんばれ高校生!

撃壌歌(げきじょうか)

『十八史略』

日出而作
日入而息
鑿井而飲
畊田而食
帝力何有於我哉

日(ひ)出(い)でて作り
日入りて息(いこ)う
井を鑿(うが)ちて飲み
田を畊(たがや)して食らう
帝力(ていりょく)何か我(われ)に有らんや

【訳】
 日が昇れば働き、日が沈めば休む。井戸を掘って水を飲み、田を耕して食う。天子さまの力など、どうして自分に関りがあるというのか、自分には関係ない。

【解説】
 この詩は、南宋の曾先之によってまとめられた歴史読本『十八史略』に載っている詩で、『詩経』より前の時代のものです。伝説上の聖天子の一人、堯(ぎょう)が、自身の政治の良否を確かめるためお忍びで町に出て、老農夫が腹つづみを打ち足拍子をとりながらこの歌を歌っている(鼓腹撃壌)のを聞き、大いに安心したという故事によります。そこから、「鼓腹撃壌」は太平の世を形容する言葉となりました。
 
 〈撃壌〉の解釈には諸説ありますが、ここでは足で地面を踏み鳴らす意。〈作〉は耕作する、仕事をする。〈日入〉は日が沈む。〈息〉は休息する、憩う。〈鑿井〉は井戸を掘る。〈田〉は田畑の総称。〈帝力〉は帝の権力。〈於我〉は 私にとっては。
 
(関連記事)帝堯の政治

堯(ぎょう)

古代中国の伝説上の聖天子。堯を継いだ舜(しゅん)とあわせて「堯舜の治」といい、もっとも理想的な天子像とされている。『史記』などによれば、五帝の一人である帝嚳(ていこく)の子で、生まれながらにして聡明、帝位につくや暦法を定め、孝行の誉れ高かった舜を民間から登用して、自分の娘2人を彼の妻とし、天下の政治を摂政せしめたとされる。

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おもな詩人の生没年

武帝 前156~前87年
曹操 155~220年
曹植 192~232年
陶淵明 365~427年
魏徴 580~643年
劉廷芝 651~679年
蘇頲 670~727年
王之渙 688~742年
孟浩然 689~740年
王維 699~761年
李白 701~762年
高適 702?~765年
常建 708~765年
杜甫 712~770年
李華 715~766年
孟郊 751~814年
韓愈 768~824年
白居易 772~846年
劉兎錫 772~842年
李紳 780?~846年
柳宗元 773~819年
杜牧 803~852年
于武陵 810~?
魚玄機 843~871年
司馬光 1019~1085年
王安石 1021~1086年
蘇軾 1036~1101年
黄庭堅 1045~1105年
朱熹 1130~1200年
袁枚 1716~1798年

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