古文の特訓(読解)
かわいげがあって口数が少ない人は嫌になることがなくいつまでも向かい合っていたい。
突然やってきて、泊まったりしたら、新鮮な感じがするにちがいない。
愛らしい幼児が、ちょっと抱いてかわいがっているうちに、抱きついて寝入ってしまったのは、とてもいじらしい。
都を出て、嵯峨の方へさまよい行く。
身分の上中下にかかわらずみな深酔いして、不思議にも、潮海だからあざる(魚が腐る)はずもないのに海辺でふざけ合っている。
危険な都の中の家を造ろうとして、財宝を費やし、心を砕くことは、とくに無益なことでございます。
四十歳過ぎくらいで、とても色が白く上品で、やせてはいるが、顔立ちはふっくらして、
人がむやみに欲心があるのはおろかなことだ。
東海道の果ての国より、もっと奥の所で生まれ育った人(私)は、どんなにかみすぼらしかっただろうに。
打橋・渡殿のあちこちの通り道に、よくないことをたびたび仕掛けては、
春の夜の暗やみは道理の分からないものだ。梅の花の色も見えないけれども、香りははっきり分かり隠れるものか。
この御幸はご予定だけで、実際にはなかった。
人は、容貌や風采がすぐれていることが理想的であるにちがいない。
主人の兄弟である人が、もてなしをなさると聞いてやってきたので、
「君のおことばを、どうしてそむくことができましょうか、できはしません。」
何とかして誘い出して遊ぼうと、
どうしてこんなに知っていたのだろうか。
避けられない事だけがますます重なって、物事が終わる際限もなく
とても幼いご様子なので、乳母たちが近くにお仕えしていた。
ご主人様、生き返ってください。とても悲しい目をお見せにならないでください。
(息子を)成人させて安心できるような女などと結婚させて、はじめて安心して死ねるだろうと思った。
花も散ってしまったあとは見苦しく見える。
言葉をかけて近づきたいとお思いなのに、唐突に思われるのではと、気が引けて、ためらっておられる。
かわいらしいもの。瓜にかいた幼児の顔。
字のへたな人が、遠慮せずに手紙を書き散らすのはよい。(筆跡が)見苦しいからといって、他人に代筆させるのは、いやみだ。
この玉は、たやすくは取ることができないだろうよ。
人を指図して、高い木に登らせ梢を切らせたときに
落ち葉に埋もれる懸樋のしずく以外に、まったく(声をかけて)訪れるものはない。
遣り水のほとりの草むらがそれぞれに一面に色づき
けれども、たまには正直な人が、どうしていないことがあろうか。
やはりほんとうに、我ながら身の程をわきまえず、なぜ宮仕えに出てしまったのだろうかと
若宮がとても気がかりで、涙がちな状況の中でお過ごしなさっているのも、
夕方の月がぼんやりとしているころに、こっそりと訪ね、
昔、天皇が心をおかけになって召し使った女で、禁制の色の使用を許された者がいた。
この方の面目を施されたのは、皇后の宮であられた。
この御子がだんだん成長しておいでになる御姿、
さきの老人よりは、才能もなく、(舞を)いい加減に舞ったので
たった二つの矢を、師匠の前で一本をいい加減にしようと思うだろうか、いや一本でも大切に思うだろう。
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恨み言も申してしまいそうです。
もう一度起こしてくれよ。
仏におわび申し上げるのこそ、心の中が苦しい。
傍らの人は、おかしく思ったのだろうか、この歌をおもしろがって詠むのをやめてしまった。
同じ所に住んでいる人が、互いに気兼ねしあって、
牛飼いは、体格も立派で、髪もあらあらしく、赤ら顔で、とても気転がきく
人はひたすら、和歌を心がけて詠むべきだ。
このかぐや姫は、急に影になった。
こざっぱりした女房が二人ほどと、それから女の童が出たり入ったりして遊んでいる。
面影が思い出されて悲しいので、月の趣にも感じず、気がふさいで臥せった。
この子の容貌が美しいことは世に例がなく、家の中には暗いところがなく光が満ちている。
黄色の紙を張った扇をかざして顔を隠しながら得意げに笑う。
以前からいっそう愛を誓い合って
関東人は、私と同郷だが、ほんとうのところは心のやさしさがなく、人情味に乏しく、ただ一本気なものだから、
総じて心が優しく、人情があるので、人から頼まれることをきっぱり断りにくくて、
あの桟敷の前をたくさん行き交う人の
他人ごととして見ているのでさえ、不快だ。
気に入らないもの、どこかへ行き、また寺にお参りをする日の雨。
気立てが穏やかで感じがよく、
八重桜は異様なものだ。とても大げさでひねくれている。
知らない顔をなさるのに、強いて言うのもとても無粋だ。
非常にものものしく斧を背負い、法螺貝を腰につけ、錫杖をついたりしている山伏・・・
まず、これはどうであるのか。早く判断しろ。
頼るところのない人は、自分で自分の家をこわして、市に出てそれを売る。
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さきごろ、雲林院の菩提講にお詣(まい)りしておりましたところ、
ひどく雨が降ってすることがなく退屈なときに、天皇の御物忌みのためにこもって、やはり物足りないことだ。
そいつの首は、簡単には斬るな。
その中で心のしっかりしている者は、(恐怖を)我慢して(矢を)射ようとするけれども、別の方角へ飛んでいったので、
険しい山越えを終えて、それぞれ馬に乗る。
そのような粗野で田舎じみた心を見て、どうしたものか。
たいした才能もお持ちでないので、物を惜しみなさる。
きっといわれがあることでございましょう。
寝室の中を見ると、昔の枕がそのまま変わらずあるのを見るのも、また悲しくて、
摂政・関白のご様子は言うまでもない。ふつうの貴族でも、舎人などをいただく身分は、立派に見える。
離れ難い妻や夫を持った者は、その愛情が(相手より)深い者が必ず先に死ぬ。
目のあたりが涙にぬれて
人に分からないように隠しているけれど、私の恋が顔に現れてしまったようだ。何か物思いでもしているのかと人が尋ねるほどに。
物思う風情で、共にいる人々も忍び泣きをするようすなどが、はっきり見えましたと、
「君はまだお知りになってございませんか。」
今上天皇が天下をお治めになることは、四季の巡りが九回になった。
風流でしみじみとする出来事だ。
頭の中将が、根も葉もないうそを聞いて、ひどく(私を)けなして、
沖の白洲に群がる浜千鳥のほかには、行方を尋ねる者もなかった。
まったくこれは、どうしようもない世の中だ。
閉め切っていた戸が、すぐにただもうすっかり開いてしまった。
当然、第一にその心構えを修業すべきだ。
ひたすらお隠れになるが、どうしても姿が現れるのを拝見するのだった。
「書き損なった」と恥ずかしがって隠されるのを、無理にご覧になると、
中国ではこの上なくすばらしいものとして、漢詩にも詠むのは、やはりそうはいっても理由があるのだろうとよくよく見ると、
静かに考えてみると、何かにつけて、過ぎ去った過去の恋しさばかりはどうしようもない。
人よりまさっていると思っている人は、たとえ言葉に出して言わなくても、心の中に多くの欠点がある。
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(紫式部)