倫理の問題集(西洋哲学・思想)
→その1/その2
問題 | 解答 | |
1 | トロイア戦争に関する二つの叙事詩の作者である、古代ギリシアの代表的詩人は誰か。 | ホメロス |
2 | 宇宙の始まりや神々の系譜を綴った『神統記』や、農民の生活を歌った『仕事と日々』の作者である、ギリシアの詩人は誰か。 | ヘシオドス |
3 | ものごと全般の根本的な原理あるいは始源をギリシア語で何というか。 | アルケー |
4 | 古代ギリシア人たちは、何という小規模の共同体を作って生活していたか。 | ポリス |
5 | 前5世紀ごろのギリシアの人物で、「技芸は長く、人生は短い」の言葉で知られ、医学の祖といわれているのは誰か。 | ヒポクラテス |
6 | 万物の原理は水であると考えた、アリストテレスが「哲学の祖」とよんだ前7世紀ごろのミレトス出身の哲学者は誰か。 | タレス |
7 | タレスは、神話的世界観で自然現象を説明するのではなく、何によって自然現象を説明したか。 | ロゴス |
8 | 万物の根源を「空気」であると考え、その濃厚化と希薄化によって世界を説明しようとしたミレトス学派の哲学者は誰か。 | アナクシメネス |
9 | 「万物は流転する」という言葉で知られ、万物の根源を「火」であるとした前6世紀ごろの哲学者は誰か。 | ヘラクレイトス |
10 | 「有るもののみが有り、有らぬものは有らぬ」という言葉で知られ、存在の変化を否定した前6世紀ごろのエレア派の哲学者は誰か。 | パルメニデス |
11 | 万物の根源を土・水・火・空気の四つと考えた、前5世紀ごろの哲学者は誰か。 | エンペドクレス |
12 | この世界は、絶えず運動するこれ以上分割不可能な究極の存在(原子)からなっていると考えた、前4世紀ごろのトラキアの哲学者は誰か。 | デモクリトス |
13 | ペルシア戦争後のアテネを中心に活動し、金銭を得て政治的教養や弁論術を教授していた教師集団で、知恵のある人の意味をもつ人々を何というか。 | ソフィスト |
14 |
ソフィストたちは、語っていることが本当に正しいかということより重視したことは何か。 | 相手に正しいと思わせること |
15 | 「人間は万物の尺度である」と説いた代表的なソフィストは誰か。 | プロタゴラス |
16 | プロタゴラスに代表される、各人の主観的判断以外に絶対的な真理はないとする立場の思想を何というか。 | 相対主義 |
17 | 紀元前5世紀になると、アテネの政治体制は何制になったか。 | 民主制 |
18 | 古代アテネの街頭に立ち、人間にとって最も大切なものは何なのかを問い続け、無知の自覚と魂への世話を説き、のちの人々から「人類の教師」とよばれた前5世紀ごろの哲学者は誰か。 | ソクラテス |
19 | アポロン神殿の巫女が「ソクラテス以上の知恵者はいない」と告げた神託を何というか。 | デルフォイの神託 |
20 | ソクラテスが採った真理探究の方法で、対話法とか産婆術(助産術」ともよばれる方法を何というか。 | 問答法 |
21 | ソクラテスが哲学の出発点とした、人間にとってもっとも大切な善美のことがらについては知らないという自覚のことを何というか。 | 無知の知 |
22 | ソクラテスが対話活動によってアテネ市民に語りかけたのは、何への配慮か。 | 魂への配慮 |
23 | 徳とは何であるかを知らずに真に善く生きることはできないという、ソクラテスの考えを何というか。 | 知徳合一 |
24 | 裁判で有罪とされたソクラテスが、自らの信念と愛知の活動を述べる場面を描いたプラトンの著作を何というか。 | 『ソクラテスの弁明』 |
25 | 死刑を宣告されたソクラテスが、脱獄をすすめにきた友人に対し、不正に対して不正をもって報いてはならないと語った場面を描いたプラトンの著作を何というか。 | 『クリトン』 |
26 | ソクラテスの弟子で、その思想を継承してイデア論を展開した前4世紀ごろの哲学者は誰か。 | プラトン |
27 | プラトンの哲学体系の根幹となった、知覚を超越したところにあり、想起によってのみ認識し得る、対象を対象たらしめている本質のことを何というか。 | イデア |
28 | 完全な円と実際の円のどちらがイデアか。 | 完全な円 |
29 | イデアや魂のような、永遠で完全なものが存在する世界を何というか。 | イデア界(叡知界) |
30 | 実在するものは、イデアの影像にすぎないのに、我々はそれを事物の真の姿だと思い込んでいる。これをプラトンが比喩したのは何か。 | 洞窟の比喩 |
31 | プラトンの霊魂観で、人間の魂には真理の認識にかかわる部分と、行為や快楽にかかわる部分と、感覚や感情にかかわる部分があるとする考えを何というか。 | 魂の三分説 |
32 | プラトンが考えた、イデアの認識にかかわる、魂の不死なる部分を何というか。 | 理性 |
33 | プラトンが考えた、決断や行為にかかわる、魂の可死なる部分を何というか。 | 気概(意志) |
34 | プラトンが考えた3つの徳は何か。 | 知恵、勇気、節制 |
35 | プラトンが考えた、魂の三つの部分と関連する四つの徳を何というか。 | 四元徳 |
36 | 魂の三分説と四元徳の考え方からプラトンが導いた、調和のとれた美しい国を何というか、 | 理想国家 |
37 | 理想国家は、哲学者が統治するか、統治者が哲学を学ぶかによって実現するという、プラトンの政治論を何というか。 | 哲人王思想(哲人政治) |
38 | 前4世紀ごろ、プラトンがアテネ郊外にたてた学園を何というか? | アカデメイア |
39 | アカデメイアに20年間学び、のちプラトンのイデア論を否定して独自の学説をたて、万学の祖とよばれた前4世紀ごろの哲学者は誰か。 | アリストテレス |
40 | アリストテレスが考えた、個物に内在するそのものの本質で、素材を限定して現実的なものとする事物の原型を何というか? | 形相(エイドス) |
41 | アリストテレスが考えた、銅像における素材の銅のように個物の材料を意味し、形相と対をなす概念を何というか? | 質料(ヒュレー) |
42 | アリストテレスが考えた、ある素材(質料)が目的(形相)に向かう変化の過程において、その素材がもつ完成への可能性を秘めたあり方を何というか。 | 可能態 |
43 | アリストテレスが考えた、完成への可能性をもった質料が、形相を経て目的に達したときにいたる具体的なあり方を何というか。 | 現実態 |
44 | 存在の根拠や形相・質料について述べた、「自然の後におかれた学問」という意味をもつアリストテレスの著作は何か。 | 『形而上学』 |
45 | アリストテレスが分析した政治体制のうち、王制(君主制)が堕落した形態を何というか。 | 僭主制(独裁制) |
46 | アリストテレスが分析した政治体制のうち、貴族制が堕落した形態を何というか。 | 寡頭制 |
47 | アリストテレスが分析した政治体制のうち、共和政が堕落した形態を何というか。 | 衆愚制 |
48 | アリストテレスがアテネ郊外にたてた学園を何というか。 | リュケイオン |
49 | 現実の煩わしさから解放された状態を「快」として、人生をその追求のみに費やすことを主張した前4~3世紀の哲学者は誰か。 | エピクロス |
50 | エピクロスの求める快楽とは何か。 | アタラクシア |
51 | 平静心を乱すもとになる政治的・公共的生活からは離れて生きることを説いた、エピクロス派の人々の生活信条を示す言葉は何か。 | 「隠れて生きよ」 |
52 | ストア派による、欲望を抑制することを正しいとする思想を何というか。 | 禁欲主義 |
53 | 自然本性にしたがって生きることが人間の幸福だと主張した前4~3世紀の哲学者は誰か。 | ゼノン |
54 | ゼノンによれば、人間の本性はもともと何に支配されているか。 | ロゴス |
55 | ゼノンによれば、ロゴスを妨げているのは何か。 | パトス |
56 | ロゴスにもとづいて物ごとを理解する態度を何主義というか。 | 合理主義 |
57 | 奴隷出身で、後期ストア派を代表する前1世紀の哲学者は誰か。 | エピクテトス |
58 | キリスト教の母胎になった、唯一神を信仰するイスラエル人の宗教は何か。 | ユダヤ教 |
59 | 特定の民族に信仰されている宗教を何というか。 | 民族宗教 |
60 | イスラエル人は神から特別の使命と恵みを受けているとする意識を何というか。 | 選民意識 |
61 | ユダヤ教の神は何というか。 | ヤハウェ |
62 | ユダヤ教の聖典は何というか。 | 『旧約聖書』 |
63 | 天地創造や人間の誕生を記した『旧約聖書』の一章を何というか。 | 「創世記」 |
64 | イスラエル人のエジプトからの脱出とモーセの十戒について記した『旧約聖書』の一章を何というか。 | 「出エジプト記」 |
65 | 前6世紀ごろ、イスラエル人が新バビロニアに敗れて捕虜として連行された事件を何というか。 | バビロン捕囚 |
66 | ユダヤ教の形式主義を批判して信仰の原点に帰ることを説いたが、ローマへの反逆という罪によって十字架かけられ刑死した人物は誰か。 | イエス |
67 | キリストとは日本語でどういう意味か。 | 救世主 |
68 | ヨルダン川のほとりで、終末が近いことを告げて悔い改めを説き、洗礼を行った予言者は誰か。 | ヨハネ |
69 | 「喜ばしいおとずれ」の意で、イエスによる救済の宣教またはその教えをさすものを何というか。 | 福音 |
70 | イエスがオリーブ山で行った説教を何というか。 | 山上の垂訓 |
71 | イエスが言った無償・無差別な愛で、ギリシア的な愛であるエロースと対比される愛を何というか。 | アガペー |
72 | 律法の厳守を主張し多くの律法学者を出したユダヤ教の一派で、イエスの活動を妨害した人々を何というか。 | パリサイ派 |
73 | 儀式の形式を重視し、イエスと弟子たちを迫害した保守的な司祭階級の人々を何というか。 | サドカイ派 |
74 | イエスの行動と発言が書かれている書物は何か。 | 『新約聖書』 |
75 | イエスの死に直面した弟子たちは、神によってイエスはどうしたと信じられるようになったか。 | 復活 |
76 | 漁師出身のイエス第一の弟子で、キリスト教設立の中心となり、ローマでの伝道中に殉教した人物は誰か。 | ペテロ |
77 | 元はユダヤ教徒で、のち回心してキリスト教の理論的基礎を築いたが、ローマでネロの迫害にあって殉教した人物は誰か。 | パウロ |
78 | すべての人間に生まれながらに宿る罪のことを何というか。 | 原罪 |
79 | 罪を償うことを何というか。 | 贖罪 |
80 | キリスト教の正統な教会を何というか。 | カトリック教会 |
81 | マニ教からキリスト教に回心し、教義の確立に尽力、後世にもっとも大きな影響を与えた教父は誰か。 | アウグスティヌス |
82 | アウグスティヌスが自らの遍歴と罪や信仰について語った著作は何か。 | 『告白』 |
83 | アウグスティヌスが説いた、キリスト教の三元徳とは何か。 | 信仰・希望・愛 |
84 | アウグスティヌスは、人間は神からの何によってのみ救われると説いたか。 | 恩寵 |
85 | 教会付属の学校で説かれたことに始まる、中世キリスト教哲学を何というか。 | スコラ哲学 |
86 | 信仰における真理と学問における真理の両方を真理とする二重真理説に対して、信仰と学問の調和をはかろうとした中世最大の哲学者は誰か。 | トマス=アクィナス |
87 | トマス=アクィナスの神学・哲学を含む未完の著作は何か。 | 『神学大全』 |
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問題 | 解答 | |
88 | 14世紀のイタリアで起こり、やがてヨーロッパ各地に広がった古典文化復興の運動を何というか。 | ルネサンス |
89 | ギリシア・ローマの古典のなかに人間性尊重の思想を認め、中世カトリック的世界観からの解放を求めようとした思想を何というか。 | 人文主義(ヒューマニズム) |
90 | レオナルド=ダ=ヴィンチやミケランジェロのように多彩な分野で天才的な能力を発揮する人物像を何というか。 | 万能人(普遍人) |
91 | 『君主論』で、宗教や道徳の権威によるのではなく、強力な権力と知謀を行使して国家を統一すべきと主張したイタリアの人物は誰か。 | マキャヴェリ |
92 | 『愚神礼賛』で、堕落した聖職者を批判し、ルターに大きな影響を与えたオランダの人文主義者は誰か。 | エラスムス |
93 | 社会不安を生んでいた囲い込み運動を批判し、著作『ユートピア』のなかで理想的な社会のあり方を示したイギリスの人文主義者は誰か。 | トマス=モア |
94 | 宗教改革によって悲惨な宗教戦争が起きた際に、人間本来の生き方を探求しようとしたフランスの思想家たちを何というか。 | モラリスト |
95 | 不幸な争いはすべて「自分だけが正しい」とする独断や傲慢から生じると考えたフランスのモラリストは誰か。 | モンテーニュ |
96 | 自然科学者と敬虔なクリスチャンの視点から宇宙と人間を見つめ、卑小な人間も考えることにおいて偉大となると説いたフランスの物理学者・モラリストは誰か。 | パスカル |
97 | パスカルは、偉大さと悲惨さの間を揺れ動く人間のあり方を何と表現したか。 | 不安定な中間者 |
98 | 16世紀のヨーロッパで起こった、ローマ=カトリック教会の腐敗と堕落に対する批判と改革の運動を何というか。 | 宗教改革 |
99 | 宗教改革の際、信仰義認説、聖書中心主義を唱えたドイツの神学者は誰か。 | ルター |
100 | 「キリスト者はすべてのものの上に立つ自由な主人であって、何人にも従属しない」ということばで知られるルターの主著は何か。 | 『キリスト者の自由』 |
101 | 信仰のよりどころを教会や司祭といった外的権威に求めるのではなく、聖書にのみ求める立場を何というか。 | 聖書主義 |
102 | 神と人間をとりなす司祭は不要であり、神の前では誰もが平等であるとするルターの考えを何というか。 | 万人司祭主義 |
103 | 人間の運命や救いは人間の働きかけとは無関係に、すでに神によってあらかじめ決定されているという予定説を唱えたフランスの宗教改革者は誰か。 | カルヴァン |
104 | あらゆる職業は神から与えられた神聖なものであるというものであるという考え方を何というか。 | 職業召命観 |
105 | イグナティウス=デ=ロヨラを中心に、軍隊的規律によって海外伝道を使命とした、カトリック改革の中心的役割を担った修道会を何というか。 | イエズス会 |
106 | 地動説を提唱したポーランドの天文学者は誰か。 | コペルニクス |
107 | 惑星の運動法則を発見したドイツの天文学者は誰か。 | ケプラー |
108 | 落体の法則、慣性の法則などの発見とともに、望遠鏡によって地動説を実証したイタリアの天文学者は誰か。 | ガリレオ=ガリレイ |
109 | 万有引力の法則を発見し、古典力学の理論を確立したイギリスの物理学者・数学者は誰か。 | ニュートン |
110 | ガリレオ=ガリレイからニュートンにいたる近代科学の誕生、成立過程を総称して何というか。 | 科学革命 |
111 | コペルニクスの「地動説」を支持し、神と宇宙は無限であることで一つのものであると主張して火刑に処せられたイタリアの哲学者は誰か。 | ブルーノ |
112 | イギリス経験論の祖といわれ、スコラ哲学を批判して実験と観察にもとづく経験的かつ科学的知識を重んじ、そのための方法の確立に尽力した人物は誰か。 | ベーコン |
113 | ベーコンが先入観・偏見の意味で用いたラテン語は何か。 | イドラ |
114 | ベーコンが挙げた4つのイドラとは何か。 | 種族のイドラ 洞窟のイドラ 市場のイドラ 劇場のイドラ |
115 | 実験・観察による知識は自然を支配する力になるということを表現したベーコンの言葉は何か。 | 「知は力なり」 |
116 | ベーコンが提唱した、新しい知識を得るにはどこまでも経験に基づいて考察する必要があるとした学問的方法は何か。 | 帰納法 |
117 | 社会契約説によって名誉革命を擁護し、また認識の経験的発生を論じてイギリス経験論の先駆となった哲学者は誰か。 | ロック |
118 | 精神は「知覚の束」と考え、物質的存在だけでなく精神的存在さえも否定したイギリスの哲学者は誰か。 | ヒューム |
がんばれ高校生!
がんばる高校生のための文系の資料・問題集。 |
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