倫理の問題集(西洋哲学・思想)
問題 | 解答 | |
1 | スコラ哲学を批判して新たな学問の方法を確立、近代的自我を唱え、大陸合理論の祖であり数学者でもある人物は誰か。 | デカルト |
2 | デカルトが提唱した、疑うことのできない真理を得るために、方法として疑ってみることを何というか。 | 方法的懐疑 |
3 | デカルトが言った有名な言葉は何か。 | 「われ思う、ゆえにわれあり」 |
4 | デカルトが学問の方法と形而上学・自然学の基礎を論じた著書は何か。 | 『方法序説』 |
5 | 一般的・普遍的な前提から、より個別的・特殊的な結論を証明する論証の方法を何というか。 | 演繹法 |
6 | 自然界の物体を精神とは別個の独立した存在とみなしたデカルトの考え方を何というか。 | 物心二元論 |
7 | 人間は自然界の物体を分解したり組み立てたりして、人間の生活に役立てることができるという、目的論的自然観と対比される見方を何というか。 | 機械論的自然観 |
8 | 情念を自己統御し、身体にとらわれず、自由で能動的な生き方を可能にする精神を何というか。 | 高邁の精神 |
9 | 精神と物体は二つの実体ではなく、ともに唯一の実体である神に起因すると考えたオランダの哲学者は誰か。 | スピノザ |
10 | 神は唯一絶対の実体であり、自然即神であるという汎神論を主張したスピノザの著書は何か。 | 『エチカ』 |
11 | 世界は前もって神が設定した調和のなかにあるという、予定調和説を説いたドイツの哲学者は誰か。 | ライプニッツ |
12 | 非物質的で万物の構成要素(単子=モナド)について述べたライプニッツの著書は何か。 | 『単子論』 |
13 | 近代の科学革命には大きなパラダイムの転換が見られるといったアメリカの科学者・哲学者は誰か。 | トマス・クーン |
14 | 『種の起原』を著わして生物進化の理論を確立したイギリスの博物学者は誰か。 | ダーウィン |
15 | 『総合哲学体系』を著して適者生存の原則を発表したイギリスの哲学者は誰か。 | ハーバート・スペンサー |
16 | 王の権力は神から授かったものであり、王の統治権を正当とする考えを何というか。 | 王権神授説 |
17 | 1642年、チャールズ1世の暴政に反抗し、クロムウェルを指導者として起こった革命を何というか、 | ピューリタン(清教徒)革命 |
18 | 1688年、ジェームズ2世の専制とカトリック政策に反対して起こった革命を何というか。 | 名誉革命 |
19 | 近代自然法・国際法の父とよばれたオランダの法学者は誰か。 | グロティウス |
20 | 国家・社会は、それを構成する個人相互間の自由意志にもとづく契約によって成立するという思想を何というか。 | 社会契約説 |
21 | 社会契約説が想定する、国家や社会が成立する以前の状態を何というか。 | 自然状態 |
22 | 自然状態において人間がもっていたとされる権利を何というか。 | 自然権 |
23 | 社会の自然状態を「万人の万人に対する戦い」ととらえ、人間は相互に契約を結んで一つの意志に服従する必要があり、ここに国家と主権が成立するとしたイギリスの哲学者は誰か。 | ホッブズ |
24 | 聖書に登場する怪獣の名から題名をとったホッブズの主著は何か。 | 『リヴァイアサン』 |
25 | 政府が自然権を侵害すれば、国民はその政府に対する抵抗権をもつと主張し、名誉革命を擁護したイギリスの哲学者は誰か。 | ロック |
26 | 統治される者だけでなく統治する側もまた法律に拘束されるという原則を何というか。 | 法の支配 |
27 | ロックの抵抗権の思想を盛りこんだ、1776年の宣言は何か。 | アメリカ独立宣言 |
28 | 『法の精神』を著し、三権分立を主張したフランスの啓蒙思想家は誰か。 | モンテスキュー |
29 | イギリス経験論をフランスに導入し、絶対主義や教会の横暴を批判した啓蒙思想家は誰か。 | ヴォルテール |
30 | 広範な分野の学問・技術・芸術に関する『百家全書』の編集に中心的な働きをしたフランスの啓蒙思想家は誰か。 | ディドロ |
31 | 『社会契約論』で人民主権論を展開し、フランス革命に大きな影響を与えた啓蒙思想家は誰か。 | ルソー |
32 | ルソーによる、個人的欲望を実現しようとする意志を何というか、 | 特殊意志 |
33 | ルソーによる、個人的欲望が集まった意志を何というか。 | 全体意志 |
34 | ルソーによる、公共の利益をめざす普遍的な意志を何というか。 | 一般意志 |
35 | 子供の自然な本性にしたがって行われる教育のあり方を論じたルソーの著書は何か。 | 『エミール』 |
36 | 『正義論』を著し、リベラリズムと社会契約の再興に大きな影響を与えたアメリカの哲学者は誰か。 | ロールズ |
37 | 経験論と合理論を批判的に統合し、認識論における、いわゆる「コペルニクス的転回」をもたらしたドイツの哲学者は誰か。 | カント |
38 | 理性による理性そのものの批判・吟味を行ったカントの学問的立場を何というか。 | 批判主義 |
39 | カントによる、自然的な欲求に振り回されず、自ら法則をたて自らの意志に命令を与える理性を何というか。 | 実践理性 |
40 | 人間の理性の能力を精密に分析し、「人間が知りうるものの範囲をどう確定するか」や「人間が知りえないものについてどんな態度をもつべきか」などの根本的な問題を明らかにしようとしたカントの著書は何か。 | 『純粋理性批判』 |
41 | カントによる、人間には誰しもが従う義務のある、究極かつ普遍的なルールがあるという法則を何というか。 | 道徳法則(道徳律) |
42 | カントによる、道徳法則にしたがって行為する自律的で自由な主体のことを何というか。 | 人格 |
43 | 自然を自我の不完全状態とし、自然と精神との最高統一を芸術に見出す「同一哲学」を主張、美的観念論の立場を確立したドイツの哲学者は誰か。 | シェリング |
44 | ドイツ観念論の大成者とされ、人間の本質は精神であり世界と歴史は精神が自己を展開していく過程であると考えた哲学者は誰か。 | ヘーゲル |
45 | もとは問答法・対話法の意味で、存在するものが矛盾と対立のなかで変化・発展していく法則を何というか。 | 弁証法 |
46 | 精神の弁証法的発展、すなわち感覚という意識のもっとも低次の段階から、経験を通じて、精神が〈絶対知〉に達する過程を論じたヘーゲルの著作は何か。 | 『精神現象学』 |
47 | 客観的精神の展開を法・道徳・人倫において論じたヘーゲルの著作は何か。 | 『法の哲学』 |
48 | ヘーゲルによる、精神が主観的段階と客観的段階を経て総合され、自らに帰還したものを何というか。 | 絶対的精神(絶対精神) |
49 | 人間は快を求め苦を避ける傾向性をもち、それらは量的に計算できると考え、独自の幸福論を提唱したイギリスの哲学者・法学者は誰か。 | ベンサム |
50 | できるだけ多くの人々に最大の幸福をもたらす行為が善であるとする考えを表したベンサムの言葉は何か。 | 「最大多数の最大幸福」 |
51 | 古典派経済学の祖といわれ、重商主義的保護政策を批判し、自由放任主義の立場にたつ自由主義的経済学を主張したイギリスの経済学者は誰か。 | アダム=スミス |
52 | 「見えざる手」という言葉が現れるアダム=スミスの著書は何か。 | 『国富論』 |
53 | 資本主義社会の矛盾を批判しながらも、科学的解明によらず、人道的立場からのみ問題解決をしようとした初期の社会主義を何というか。 | 空想的社会主義 |
54 | イギリスの紡績工場の労働条件改善や、アメリカのニュー=ハーモニー村での自給的共同体の実験などを行ったイギリスの空想的社会主義者は誰か。 | オーウェン |
55 | 科学的社会主義を掲げ、プロレタリア革命の必然性を論じたドイツの経済学者は誰か。 | マルクス |
56 | 終生マルクスを援助し、彼と協力して科学的社会主義の構築に貢献したドイツの経済学者は誰か。 | エンゲルス |
57 | 資本主義の矛盾と搾取の解明を論じたマルクスの代表的著書は何か。 | 『資本論』 |
58 | マルクスとエンゲルスの共著による社会主義の古典的著書は何か。 | 『共産党宣言』 |
59 | 自発的な労働ではなく、自己の労働力を商品として資本家に売り渡し、強制された労働のことをマルクスは何と呼んだか。 | 労働の疎外 |
60 | マルクスの理論をもとにロシア革命を指導した思想家・政治家は誰か。 | レーニン |
61 | 『実践論』『矛盾論』を著し、マルクス=レーニン主義の立場にたって中国革命を指導した思想家・政治家は誰か。 | 毛沢東 |
62 | イギリスで定着した、福祉政策や主要産業の国営化によって社会主義化を推し進めようとする思想は何か。 | フェビアン社会主義 |
63 | フェビアン社会主義の影響を受けて、マルクス主義を修正しようとしたドイツの社会主義者・政治家は誰か。 | ベルンシュタイン |
64 | フェビアン協会の理論的指導者である夫妻は誰か。 | ウェッブ夫妻 |
65 | 労働者が議会で多数を占めることで社会主義化を推し進めるべきだとする非マルクス主義的な社会主義思想を何というか。 | 社会民主主義 |
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問題 | 解答 | |
66 | 合理的、体系的、調和的な世界観を否定し、個人の主体性の回復と本来の自己の創造を中心とする思想的立場を何というか。 | 実存主義 |
67 | ヘーゲルの思想に反発し、たび重なる肉親の不幸や婚約破棄などの体験のうちから、神の前に立つ単独者として各人がいかなる生き方を選びとるかという問題を追求したデンマークの哲学者は誰か。 | キルケゴール |
68 | キルケゴールによる、自分がそのために生き、そして死にたいと思うような真理を何というか。 | 主体的真理 |
69 | キルケゴールによる、「あれもこれも」欲望のままに享楽的生活を送ろうとする実存の段階を何というか。 | 美的実存 |
70 | キルケゴールによる、享楽的生活を捨て「あれかこれか」と善き生き方を求めようとする段階を何というか。 | 倫理的実存 |
71 | キルケゴールによる、善き生き方の限界を知って絶望し、単独者として神の前に立ち本来の自己を回復しようとする段階を何というか。 | 宗教的実存 |
72 | 人間の死は精神の死であり、それは結局、人間の罪にかかわることであると論じたキルケゴールの著書は何か。 | 『死に至る病』 |
73 | キリスト教道徳を弱者・敗者の道徳とし、それがニヒリズムをもたらしたと考え、強者の道徳として生の立場から新しい価値を創造しようとしたドイツの哲学者は誰か。 | ニーチェ |
74 | 古代ペルシアの宗教家の名を借りた主人公に自らの思想を語らせたニーチェの著書は何か。 | 『ツァラトゥストラはかく語りき』 |
75 | 弱者が強者に対して抱く恨みや嫉妬心のことを、ニーチェは何と呼んだか。 | ルサンチマン |
76 | 世界や人の生は宇宙の円環運動と同じように永遠に繰り返すというニーチェの考えを何というか。 | 永劫回帰(永遠回帰) |
77 | 永劫回帰の無意味な人生の中で自らの確立した意思でもって行動する人間をニーチェは何と呼んだか。 | 超人 |
78 | 現象学の立場を確立し、現代実存主義哲学に大きな影響をあたえたドイツの哲学者は誰か。 | フッサール |
79 | 人間を死への存在と表現したドイツの実存哲学者は誰か。 | ハイデッガー |
80 | 人間の日常的なあり方を分析し、本来的自己の回復を求めたハイデッガーの著書は何か。 | 『存在と時間』 |
81 | ナチスからユダヤ人妻との離婚の強要されたが退けて敢然と生き、限界状況における挫折を直視しつつ、自己を超え、自己を支えている超越者に出会うことになると説いた精神医学者・哲学者は誰か。 | ヤスパース |
82 | ナチス支配下のフランスでのレジスタンス運動のなかから、独自の実存哲学を構築したフランスの哲学者は誰か。 | サルトル |
83 | 自然や事物がそれ自身としてある存在を、サルトルは何と呼んだか。 | 即自存在 |
84 | 即自存在に対して、人間は自己の存在を意識する存在であるというのをサルトルは何と呼んだか。 | 対自存在 |
85 | サルトルの伴侶であり協働者だった、フランスの女流作家・哲学者は誰か。 | ボーヴォワール |
86 | 「人は女に生まれない。女になるのだ」のことばで始まるボーヴォワールの著書は何か。 | 『第二の性』 |
87 | 19世紀末から20世紀にかけてのアメリカの代表的哲学思想で、知識や価値の問題を行動の場面にひきこみ、実生活に有益な知識や観念を尊重しようとする思想を何というか。 | プラグマティズム |
88 | プラグマティズムの創始者は誰か。 | パース |
89 | パースのプラグマティズムを発展させ、観念や知識の真偽は実生活に有用性をもたらすかどうかによって判断されると説いたアメリカの哲学者は誰か。 | ジェームズ |
90 | プラグマティズムの大成者とされ、プラグマティズムを民主主義思想と位置づけ、社会・教育など多方面に影響をあたえたアメリカの哲学者は誰か。 | デューイ |
がんばれ高校生!
がんばる高校生のための文系の資料・問題集。 |
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