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「2月」の災難

 一年のうち「2月は逃げる」といって、「小の月」のなかでもとりわけ短いですね。うるう年でなければ、「大の月」より3日も少ない日数です。なぜ2月だけがこのように短いのでしょう。一方では、夏には7月、8月と、「大の月」が続けてやってきます。子供たちにとっては、その分夏休みが長くなるから有り難い話ですが、それにしても不自然だと思いませんか?

 実はこの理由は、今から2,000年ほど前の、古代ローマでユリウス暦が採用された時期にさかのぼるそうです。エジプトに遠征したローマの英雄ユリウス・カエサル(シーザー)は、エジプト女王のクレオパトラを気に入りましたが、もう一つ、エジプトにあった「太陽暦」の合理性もたいへん気に入り、早速ローマに持ち帰って採用することにしました。

 一年365日を12カ月に割り振り、大の月、小の月をそれぞれ6つ作ります。小の月のうちローマ歴で一年の最終月とされていた2月を、平年29日、うるう年30日の調整月にしました。元老院はカエサルの功績を讃え、その記念として彼の誕生月だった7月をユリウスと命名しました(英語ではジュライ)。

 その後、彼の養子で初代ローマ皇帝となったアウグストゥスも養父のマネをします。8月に自分の名前をつけ(英語ではオーガスト)、もともと小の月だった8月を、皇帝の名のついた月が小の月ではカッコ悪いというので無理やり大の月にしたのです。そのしわ寄せを食らったのが2月で、もう1日減らされて28日になってしまいました。

 ところが、2月の災難?はこれで終わりではありませんでした。次の皇帝ティベリウスのときに、周囲のごますり家来が、「陛下の名も月名になさってはいかがですか」と持ちかけたのです。しかし、ティベリウスは、「皇帝が13人になったときにはどうするつもりだ!」と提案を却下しました。彼の自制心がなければ、2月はさらに短くなる可能性があったのです。まことに気の毒な2月です。

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『ハンムラビ法典』の先進性

 世界史の授業で習った『ハンムラビ法典』、すぐに「目には目を、歯には歯を」の言葉が浮かんでくるほどに、復讐法の典型として野蛮で怖いイメージを持っておられる方が多いのではないでしょうか。というより、学校ではもっぱらそういうイメージで教えられましたものね。

 しかし、この「目には目を・・・」は、同法典の一部の条文から抜粋して表現した言葉であって、実際の条文は実に事細かに罪と罰が定められています。さらには夫婦間のさまざまな決め事や孤児、寡婦の権利なども明文化され、とても紀元前18世紀につくられたとは思えない、きめ細やかで立派な法典です。

 「目には目を・・・」にしても、裏を返せば「受けた被害を上回る罰を与えてはいけない」ことを謳っているわけで、あの時代にあって、すでに罪刑法定主義を確立しているのは驚きといえませんでしょうか。歴史認識に際して、決して片面だけというか、一部のみを切り取って判断してはならない良い例だと思いますが、いかがでしょう。
 

一般常識のまとめ

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