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美しい大和言葉

→あ行/か行さ行た行な・は行ま行~

 美しい大和言葉

あ行

生憎(あいにく)

期待通りにならず残念であること。都合が悪いこと。もとは、感動詞の「あや」に形容詞の「憎し」が付いた語で、「ああ、憎らしい」の意。生憎の「生」は、当て字。

あがく

じたばたする。もがく。漢字で書くと「足掻く」で、馬などが前足で地面をかくことから来た言葉。

あかつき

夜が明けるころ。「あかとき(明時)」が転じた語。

あからさま

はっきりしている。本来は、急に何かが起こることを意味する語。否定的な意味合いで使われることが多い。

明け暮れ

いつも。朝となく夕方となく毎日。

あけすけ

あけっぴろげで、露骨なこと。包み隠しのないこと。「空ける」と「透ける」が合わさった語。

あけぼの

夜がほのぼのと明けるころ。「明け」と「ほの(ぼの)」が合わさった語。

朝な夕な

朝となく夕となく。いつも。「朝な朝な」は、毎朝。

朝まだき

朝、まだ夜が明けきらない時。 早朝。「まだき」は、その時間にはまだ早いの意。

あたかも

ちょうど。まるで。ちょうどその時。「あだかも」とも。

あたら

惜しいことに。もったいないことに。残念なことに。形容詞「惜(あたら)し」の語幹。

(あで)やか

女性が、はなやかに美しく、なまめかしいさま。

あどけない

無邪気で悪気がない。「無邪気だ」や「子どもっぽい」という意味で用いられた「あどなし(あどない)」に、「け(気)」が加わったものと考えられている。

あながち

あとに打消しを伴って、断定しきれない気持ちを表す語。必ずしも、むやみに。本来は、「強引なさま」「身勝手なさま」を示す形容詞として用いられた。

余すことなく

残らないように。残らず、すべて。

あまつさえ

そのうえに。おまけに。それだけでなく。「あまりさえ」が変化した語で、悪いことが連動して起こる場合に用いる。

あまんじる

我慢して受ける。与えられたものを、おとなしくそのまま受け入れる。

肖る(あやかる)

相手からよい影響を受けて同じような状態になる。感化されてそれと同じようになる。もとは単に「変化する」意味の言葉だったが、しだいに、良い方に変化することに使われるようになった。

あらまし

おおよそ。だいたい。動詞の「あり(有り・在り)」に推量の助動詞「まし」が付いた語。

ありがとう

感謝の言葉。形容詞「有り難し(ありがたし)」の連用形「有り難く」がウ音便化した語で、本来は、めったにない、珍しくて貴重だという意味。

ありきたり

ありふれていること。珍しくないこと。動詞「在り(有り)来たる」の連用形が形容詞になったもので、「もとから存在し続けてきたこと」「今まで通りであること」の意。

淡雪(あわゆき)

春先の、うっすらと積もって消えやすい雪。

あわよくば

うまくいけば。好機を得たら。「あわ」は、古く「あわい」や「あい」と呼ばれていた「間」のこと。

案の定

思ったとおり。予想したとおり。「案」は、考え、計画、予想、「定」は、必ずそうなると決まっていること、確か、真実の意。

塩梅(あんばい)

具合。調子。もとは塩と梅酢で食べ物の味をほどよくする意味だったのが、順序を整える意の「按配/案配」と混同されてできた言葉。

いかめしい

立派で重々しい。威圧的だ。漢字で書くと「厳めしい」。「いか」は「厳し」で、「いかずち(雷)」や「いかる(怒)」などの「いか」と同じものとされる。

生きとし生けるもの

この世に生きているすべてのもの。あらゆる生物。

息の緒(いきのお)

命。「緒」は長く続く意で、ふつう「息の緒に」の形で、命のかぎり、命がけでの意に用いる。

幾久しく

いつまでも長く。末永く。

いささか

ほんの少し。わずか。かりそめにも。下に否定の形を伴い、「少しも~しない」という意味で多く使われる。

誘う(いざなう)

誘う。勧める。感動詞の「いざ」に接尾語の「なう」が付いた語。

十六夜(いざよい)

陰暦十六日の夜。また、その夜の月。

いじらしい

弱いものが頑張っている様をみて感じる気持ち。かわいいがかわいそう。けなげ。自分より目上、年上の相手には使う言葉ではない。

いそしむ

長い期間にわたって励む。一所懸命する。熱中して、集中的に励む場合には使わない。

いたたまれない

それ以上、その場にいられない。「居る+堪る(たまる)+ない」の「いたまらない(居堪らない)」に、もう1つ「た」が挿入された形で、それが「いたたまれない」に変化したとされる。

痛み入る

相手の親切・好意に、心の痛みを感じてしまうほどに恐縮する。恐れ入る。

いたわる

弱い立場の人を大切に扱う。親切・大事に扱う。

出で湯(いでゆ)

温泉。

いとわない

嫌がらない。行動するのをためらわない。「厭う」の否定形。

(いにしえ)

過去。語源は「往 (い) にし方 (へ) 」で、「行(往)ってしまった古い時代」。

今しがた

たった今。今さっき。「し」は「今」を強調する副助詞。

今一つ

完全というには欠けたところのある状態。悪くはないけれども、あと一歩、あともう少し、という語感の言葉。

いみじくも

適切に。巧みに。まことによく。語源は「忌む」でマイナスイメージの印象があるが、相手の行動や言動を前向きにとらえたり、褒めたりするときに使われる場合が多い言葉。

いやが上にも

なおその上に。ますます。「いや」は「弥」で、事柄や状態がだんだん激しくなるさまを表す語。

言わずと知れた

言わなくとも、すでに十分に分かっている、の意。すでに多くの人が分かっていることを改めて言う時に使う言葉。

言わずもがな

言わない方がよいこと。言うまでもなく。「言わずと知れた」とは違い、口にすると差し障りがあったり、言うとくどくなっったりするような場合に使う言葉。

うしろめたい

やましいことがあり、気がとがめる。もとは、あとのことが気懸かりだ、 心配だ、の意。

泡沫(うたかた)

水面に浮かぶ泡。はかなく消えやすいもののたとえ。「うたかた人」は、はかない関係の恋人のこと。

空蝉(うつせみ)

この世に現に生きている人。転じて、この世。うつしみ。(「うつしおみ」が「うつそみ」を経て音変化したもの)

うってつけ

物事がぴったりと当てはまること。また、そのさま。あつらえ向き。

うつろ

内部が空(から)であること。気力を失い、ぼんやりしているようす。

うとい

親しくない。よく知らない。

倦(う)まず弛(たゆ)まず

飽きたり、怠けたりせず。「倦む」は、飽きること、退屈すること。「弛む」は、怠けること、心がゆるむこと。

うらぶれる

落ちぶれてみじめなありさまになる。みすぼらしくなる。うれいしおれる。

うららか

晴れ晴れとして明るいようす。基本的には、晴れた春の日ののどかさをいう言葉。

うろたえる

思いがけない事に驚き、どうすればよいかが分からず、まごつく。狼狽する。

えてして

ある事態になる傾向のあるさま。ややもすると。ともすると。とかく。本来は「得意として」の意。

おあつらえむき

注文したかのように希望通りの。うってつけ。

お暇(いとま)する

訪問先から帰ることの柔らかい表現。ただし、「職を離れる」「離婚する」の意味もあるので、仕事の上司や配偶者に言う時は要注意。

逢瀬(おうせ)

男女が隠れながら逢うこと。「逢瀬」の「瀬」は、川の流れが速く浅いところを意味し、各方面から流れの速い水が出会うことが転じ、恋愛関係にある男女が隠れて出会う意味で使われるようになった。

おおむね

おおよそ。だいたい。大まかなことを意味する「おお(大)」と、物事の内容を意味する「むね(旨)」から成る語。

おおらか

こころがゆったりとしていて、こせこせしないさま。それでいて、優しさや気遣いがあるさま。

おかまいなく

お気遣いなく。お気になさらず。「構う(かまう)」は、世話を焼くこと、相手が望んでいることをしてあげること。自由気ままにさせてください、という意味が含まれることもある。

お口汚し

客に飲食物を出すときにへりくだる表現。口が汚れるだけの簡単で粗末なもの、の意。

奥ゆかしい

奥深く上品で心がひかれる。深い心配りがみえて、ひきつけられる。「ゆかしい」は、動詞「ゆく(行く)」の形容詞形「ゆかし」で、「行きたい」つまり「奥にあるものを知りたい」という意味。控えめで従順な女性という意味はない。

遅ればせながら

遅くなりましたが。今更ではありますが。

おこがましい

出過ぎていて生意気なようす。身の程知らずだ。本来は、馬鹿々々しい、馬鹿げているという意。

おざなり

その場限りの間に合わせ。いい加減。語源は「お座敷なり」で、昔、お座敷(宴会)に呼ばれた芸人が、表面的で形ばかりの芸を行ったことから。似た言葉に「なおざり」があるが、こちらは、放っておくという意味。

おさらい

教わったことを繰り返し確かめたり練習したりすること。復習。 芸事の師匠が弟子を集めて、日ごろ教えたことを演じさせること。

惜しむらくは

惜しいことに。残念なことに。「惜しむ」に接尾辞の「らく」が付いた形。

恐れ入りますが

恐縮ですが。たいへん申し訳ございませんが。

おっつけ

そのうち。まもなく。すぐに。「おっかけつく」「おしてつく」から来た言葉ともいわれるが不詳。

お手すきのときに

お暇なときに。手が空いている意の「手隙(てすき)」から。

お手柔らかに

手加減してほしい、厳しさの度合いを弱くしてほしいと伝える言葉。勝負事の前のあいさつとして使う場合が多い。

おのずから

自然に。ひとりでに。

お開き

祝いの宴などが滞りなく進んでいき、閉会する時に使う言葉。「閉じる」とか「終わる」という験(げん)の悪い言葉を避けた言い方。戸が開いて、参加者が去っていくようすをいったものか。

お引き立て

お世話になっている。

(おぼろ)

ものの姿がかすんで、はっきりしないさま。漢字は「朧」で、月へんに龍。古代中国では「ロウ」という音が、ぼんやりしている様子を表していたことから、その龍という字を月と合わせて、月の光のうすぼんやりしたさまを表す字を作ったという。

お招き

招待・招く意の名詞「招き」に、接頭辞の「お」がついたもの。「お招きいただき」という言葉は、催し物などに招待された際に使用する敬語表現。

お見知りおき

自分の顔や名前を見て知る、すなわち「覚えておいてほしい」ときに用いる丁寧な表現。「見知りおく」は、目上の者が目下の者を覚えておく言葉。

おめかし

化粧をしたり着飾ったりすること。「春めく」などの接尾語「めく」が「めかす」に転じた語。「お」は丁寧さを表す接頭語。

お目にかかる

お会いする。相手の視界に入ることを謙遜した表現であり、「会う」の謙譲語。

思いのたけ

思うことのすべて。思いの限り。「たけ」は「丈」で、高さのこと。「思いのたけを述べる」のは、これまで言えなかったけれども、ここで決断して述べようとすること。

思いのほか

思っていた以上に。予想外に。

思い人

恋人。愛しく思う人。

思いを馳(は)せる

遠く離れている人や物事を思いやる。

面影(おもかげ)

記憶によって心に思い浮かべる顔や姿。あるものを思い起こさせる顔つきやようす。

面映い(おもはゆい)

恥ずかしい。「面」は顔、「映い」は照り輝いてまぶしいこと。

(おもむき)

風情。味わい。自然にそう感じられるありさま。

おもむろに

ゆっくり、静かに。「ゆっくり」を意味する古語の「おもぶる」に由来するのではないかとされる。

折り合う

問題解決のために、意見、要求が違う者が互いに譲り合って、意見、要求が一致するよう妥協する。

折り入って

特別に。心を込めて。動詞の「折り入る」が変化したもので、「折る」は、斧で木を切ること。ここから、あるものを割って曲げるという意味合いに転じた。

(おり)から/折しも

ちょうどその時。折りしも。「折」は、折り紙を折って折り目をつけるところから、区切られた時点や節目ととらえるようになった。

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か行

かいがいしい

一生懸命で、動作がきびきびしているようす。けなげだ。

かえすがえす

繰り返し繰り返し。何度考えても。過ぎたことを強く悔やむさま。つくづく。

帰り花

11月頃の小春日和に、桜、梅、梨、ツツジなどの草木が本来の季節とは異なって咲かせた花のこと。

かこつける

ある物事のせいにする。口実にする。

陽炎(かげろう)

地面近くの空気がゆらゆらとゆらめく現象。密度の異なる大気が混ざりあって起きる、光の屈折。

重ね重ね

何度も何度も。いくえにも。重々(じゅうじゅう)。

風花(かざばな)

晴天に風に舞うようにちらつく雪。

(かしら)の雪

白髪。

風光る

春の日の光が照る中を、そよ風が吹き渡り、吹く風も輝くように見えるようす。

かそけき

今にも消えてしまいそうなほど、薄い、淡い、あるいは仄かな様子を表す語。古語「幽けし」の連体形。

かたがた

~をかねて。

かたくなに

頑固に。自分の意見や態度にこだわり、変えようとしないようす。

肩透かしを食う

意気込んで、また、大いに期待して臨んだのに、気勢をそがれる。

固め

約束。

かねがね

前々から。かねて。あらかじめ。また、前々から気にかけていたものの、今になってしまい申し訳ない気持ちを表す言葉。

かまける

あることに気を取られて、他のことをなおざりにする。

かまとと

本当は知っているのに、知らないふりをすること。何も知らないふりをして、無邪気に見せかけること。そういう人。「かまとと」の「かま」は蒲鉾(かまぼこ)で、「とと」は幼児言葉の魚の呼び方。「蒲鉾は魚(とと)か?」と尋ねたことに由来し、江戸時代に、初(うぶ)を装う遊女に用いて流行ったという。

蚊遣り火(かやりび)

蚊取り線香。

かろうじて

やっとのことで。からくも。

兆(きざ)し

物事がこれから起ころうとするしるし。

きざはし

階段。(「きざ(刻)」は段々になっているさま、「はし(階)」は橋のように場所を繋ぐさま)

(きびす)を返す

後戻りする。引き返す。踵は「かかと」のこと。

決まりが悪い

恥ずかしい。本来は、規則や秩序が保てない意だったのが、恥ずかしい、困惑するなどの意に転じたもの。

ぎょうぎょうしい

おおげさだ。ご大層だ。

清らか

けがれのないさま。

きらら

鉱物の雲母(うんも)。その光沢が美しいことから「きらら」と呼ばれてきた。

口添え

横から言って助けること。

くつがえす

ひっくり返す。

首っ丈(たけ)

人や物事に夢中になってしまうさま。「首丈」が促音化した語で、立った状態で首まで水に浸かって溺れかけている状況の意。したがって、溺れるほどに好きな状態。

雲となる

死ぬ。火葬される。

くよくよ

気にやんでも仕方のないことに心を悩ますさま。語源は、「悔いる」の古語「くゆ」から来ているとの見方もある。

暮れなずむ

日が暮れそうで、なかなか暮れないでいる。「なずむ」は、ものごとがうまく進まない意。

気高い

貴い気品がある。品格が高い。

健気(けなげ)

心がけがよく、しっかりしているさま。特に、年少者や力の弱い者が困難なことに立ち向かっていくさま。

恋衣(こいごろも)

体にまとわりつくような恋を、衣にたとえた言葉。

恋の淵(ふち)

深い恋心を、淵にたとえた言葉。

小気味よい

行動ややり方などが鮮やかで、気持ちがよい。 快い感じを受ける。 痛快である。

此処彼処(ここかしこ)

こちらやあちら。あちこち。

心配り

あれこれと気を遣うこと。心遣い。

心ならずも

不本意ながら。しかたなく。

心の塵(ちり)

煩悩(ぼんのう)。

心映え(こころばえ)

心のありよう。心構え。思いやり。

心ばかり

ほんの気持を示すだけのしるし。贈り物をするときなどに、へりくだって言う語。

心待ちにする

期待して待っている。待ち遠しさや強い期待感を表現する語。

心もとない

頼りなく、不安だ。

心を同じくする

他人と同じように感じるさま。

来し方行く末

過去と未来。過ぎてきた方向や場所と、これから行く方向や場所。長い時間を見据えて使う言葉。

東風(こち)

春、東の方から吹いてくる風。まだ寒さを感じるものの、春の到来を告げる風。

言祝ぐ/寿ぐ(ことほぐ)

お祝いをのべる。喜びの言葉を言う。「言祝ぐ」は古代で使われていた表記、「寿ぐ」は現代で使われている表記。

この上ない

最上、最高、これ以上はない意。

こびる

気に入られようと振る舞う。女が、なまめかしい態度を示して男の気を引こうとする。

ご無沙汰(ごぶさた)

ある程度の期間、関わりを持っていない状況。「沙汰」は、ものごとを処置することや、報告・通知を意味し、それがないのが「無沙汰」。丁寧に言うと「ご無沙汰」。

御免ください

お許しください。突然、人に声をかけると、相手のやっていることを中断することになるため、ご迷惑になりますが、という気持ちが込められる。

木漏れ日

生い茂った木々の葉の間から、漏れるように差し込んでくる日光。

今宵(こよい)

今日の宵。今晩。

こよなく

このうえなく。殊の外。よいことに使う言葉だが、もとは、よいことにも悪いことにも使われた。

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さ行

早乙女(さおとめ)

田植えをする女性。「さ」とは田の神様を意味し、田植えに使う苗を「早苗」、植える女性を「早乙女」といった。

咲きすさぶ

咲き乱れる。「すさぶ」は、行くも止まるも、好きも嫌いも、勝手に振る舞う意。または自然の勢いの赴くままにする意。

ささらぐ

水がさらさらと音をたてて流れる。

細雪(ささめゆき)

細かい雪。まばらに降る雪。

差し支えなければ

都合がよければ。

さんざめく

大勢でにぎやかに騒ぐ。「星がさんざめく」は、星がにぎやかに騒いでいるかのように、光がまたたく意。

しいたげる

ひどい扱いをする。漢字で書くと「虐げる」で、虎が爪で獲物を押さえつけていることを表わす。

しかるべき

「しかあるべき」の略で、そうあるべき。そうするのが相応である。ふさわしい。

時雨(しぐれ)

晩秋から初冬の頃に、急に風が強まり、ぱらぱらと降ってはやみ、数時間で通り過ぎてゆく雨。

(したた)める

(手紙などを)書き記す。食事をする。

下にもおかぬ

非常に丁重に扱う。丁寧にもてなして下座(しもざ)に置かない。

しのぐ

なんとか我慢する。困難をはねのけ、耐え忍ぶ。

東雲(しののめ)

夜明け。明け方。また、明け方に東の空にたなびく雲。

始末(しまつ)

節約。倹約。「始めから末まで」、つまり使える間は使うということ。

しめじめ

雨がしとしと降るようす。しめり、うるおうさま。

しめやか

ひっそりと静かなさま。心静かに落ち着いているさま。気分が沈んでもの悲しげなさま。

所在ない

することがなく退屈だ。手持無沙汰だ。

不知火(しらぬい)

九州の有明海や八代海 で、夜間に無数の光が明滅する現象。漁船の漁火 (いさりび) が屈折によって光像を作るために起こる。

すげない

親切心がない。「すげ」は、思いやり、愛想の意。

筋がいい

センスがいい。上手な。有望な。「筋」は血筋や家系を意味し、芸事は昔から血縁者が受け継いでいくことが多いので、芸事に秀でた人を「筋(血筋)がいい」と言った。

(すばる)

牡牛(おうし)座にある、肉眼では六つ見える星。プレアデス星団。「統一」という意味の「すばまる」という雅語が変化したもの。

すべがない

方法がない。どうしようもない。

せせらぎ

浅瀬などにささやかに流れる水の音。古くは「せせらき」「せぜらき」とも。

せつない

悲しさや寂しさなどで、胸が締めつけられるような気持だ。本来は、心にかけて深く思うことを表す言葉。

蝉時雨(せみしぐれ)

たくさんの蝉が、あちらこちらで盛んに鳴くさまを、時雨に例えた言葉。

せんかたない

しかたない。ほかにどうしようもない。

相好(そうごう)を崩す

表情を変えて笑顔になる。「相好」は、仏教用語で仏の身体に備わっているすぐれた特徴をいう。

そこはかとなく

理由や原因ははっきりと分からないが何となく。どこがどうという理由はないけど、そんな雰囲気があるさま。「其処 (そこ) は彼 (か) と」の意の否定形。

そぞろ

何かに気を取られ、落ち着かないさま。そわそわするさま。無意識に何かをするさま。行き先や目的もなく、ぶらぶらと歩くことを「そぞろ歩き」という。

ぞっこん

心の底から。心底から。語源は「底根」とされる。

ぞっとしない

おもしろくない。感心しない。特に驚いたり感心したりするほどではない。

そもそも

最初。元来。説き起こす時に使う語で、「そも」は「そ(其=それ)」という代名詞に助詞の「も」がついたもの。

空事(そらごと

嘘。いつわり。つくりごと。

空音(そらね)

空耳。

そらんじる

何も見ないで言えるようにする。そらで覚える。

ぞんざい

ものごとを粗略に扱うこと。投げやり。対義語は「丁寧」。

ちょっと美しい日本語

昔の人たちが残してくれた、美しい日本語の数々。

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大和言葉について

「和語」ともよばれる「大和言葉」は、漢語や外来語ではない、私たちのご先祖が作り出した生粋の日本の言葉です。飛鳥時代頃まで大和国や飛鳥地方を中心に話されていたとされ、日本に大陸文化が伝来する以前に、日本列島で話されていた言語そのものを指します。
 
やわらかくて温もりがあり、それでいて深い意味が込められた知的な表現にあふれている、とても素敵な言葉です。
 
ただし、大和言葉は古くは「和歌」の意味で用いられ、また宮中での「女房言葉」の意味で用いられることもあったようです。
 
今も使われている言葉もたくさんありますが、中にはめったに使われないけれど素敵な言葉がありますよ。

万葉の植物

あじさい
アジサイ(紫陽花)の原産は、日本で自生していたガクアジサイで、ヨーロッパで品種改良されて日本に渡って来たものが、西洋アジサイといわれる「手まり咲き」の紫陽花です。花の色は、土壌の性質や肥料などの影響で赤や青、紫などになり、そのような色素を持たないものは白い花になります。アジサイを詠んだ歌は『万葉集』では珍しく、わずか2首しかありません。

あせび
ツツジ科の常緑低木。早春にスズラン状の小さなつぼみをつけて花が咲き、この花が集まって咲くと、その周りは真っ白になります。有毒植物であり、馬が誤って食べると苦しがって、酔っぱらったような動きをするというので「馬酔木」と書きます。

うつぎ
花が「卯の花」と呼ばれるウツギは、日本と中国に分布するアジサイ科の落葉低木です。 花が旧暦の4月「卯月」に咲くのでその名が付いたと言われる一方、卯の花が咲く季節だから旧暦の4月を卯月と言うようになったとする説もあり、どちらが本当か分かりません。ウツギは漢字で「空木」と書き、茎が中空なのでこの字が当てられています。

うめ
バラ科の落葉低木。中国原産で、遣唐使によって 日本に持ち込まれたと考えられています(弥生時代に渡ってきたとの説も)。当時のウメは白梅だったとされ、『万葉集』では萩に次いで多い119首が詠まれています。雪や鶯(うぐいす)と一緒に詠まれた歌が目立ちます。

おみなえし
秋の七草のひとつに数えられ、小さな黄色い花が集まった房と、枝まで黄色に染まった姿が特徴。『万葉集』の時代にはまだ「女郎花」の字はあてられておらず、「姫押」「姫部志」「佳人部志」などと書かれていました。いずれも美しい女性を想起させるもので、「姫押」は「美人(姫)を圧倒する(押)ほど美しい」意を語源とする説があります。

さくら
日本の国花のサクラはバラ科の落葉高木で、多くの品種があります。名前の由来は、花が「咲く」からきたとされていましたが、「サ」は稲の神様で、「クラ」は居る所という説も唱えられています。稲の神様が田植えが始まるまで居るところがサクラで、サナエは稲の苗、サミダレは稲を植えるころに降る雨のことをいう、とされます。
なお、『万葉集』で詠まれている桜の種類は「山桜」です。「ソメイヨシノ」は江戸末期に染井村(東京)の植木屋によって作り出された品種で、葉が出る前に花が咲き、華やかに見えることからたちまち全国に植えられ、今の桜の名所の主役となっています。

さねかずら
常緑のつる性植物で、夏に薄黄色の花を咲かせ、秋に赤い実がたくさん固まった面白い形の実がなります。別名ビナンカズラといい、ビナンは「美男」のこと。昔、この植物から採れる粘液を男性の整髪料として用いたので、この名前がついています。

すみれ
スミレ科の多年草で、濃い赤紫色の可憐な花をつけ、日本各地の野原や山道に自生しています。スミレの名前は、花を横から見た形が大工道具の墨入れ(墨壺)に似ているからとされます。スミレ属は世界に約500種あり、そのうち約50種が日本に分布しています。

せり
日本原産の多年草で、春の七草の一つ。 水田の畔道や湿地などに生え、野菜として栽培もされています。パセリやセロリなども同じセリ科で、どれも独特の強い香りと歯触りに特徴があります。『万葉集』でセリを詠んだ歌は2首のみです。

たちばな
古くから野生していた日本固有の柑橘の常緑小高木。『古事記』『日本書紀』には、垂仁天皇が田道間守を常世の国に遣わして「非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)・非時香木実(時じくの香の木の実)」と呼ばれる不老不死の力を持った霊薬を持ち帰らせたという話が記されています。

ちがや
イネ科の草で、日当たりのよい場所に群生します。細い葉を一面に立て、白い穂を出します。新芽には糖分が豊富に含まれており、昔は食用にされていました。 チガヤの「チ」は千を表し、多く群がって生える様子から、千なる茅(カヤ)の意味で名付けられた名です。

つばき
ツバキ科ツバキ属の常緑高木で、光沢のある濃い緑の葉をもちます。 花は赤いもの、白いもの、または八重咲きのものなど多くの品種がありますが、野山に自生するツバキをヤブツバキと呼びます。花は全開することなく、少しうつむき気味に咲くのが特徴です。

なでしこ
ナデシコ科の多年草(一年草も)で、秋の七草の一つで、夏にピンク色の可憐な花を咲かせ、我が子を撫でるように可愛らしい花であるところから「撫子(撫でし子)」の文字が当てられています。数多くの種類があり、ヒメハマナデシコとシナノナデシコは日本固有種です。

ぬばたま
アヤメ科の多年草。平安時代になると檜扇(ひおうぎ)と呼ばれるようになりました。花が終わると真っ黒い実がなるので、名前は、黒色をあらわす古語「ぬば」に由来します。そこから、和歌で詠まれる「ぬばたまの」は、夜、黒髪などにかかる枕詞になっています。

ねむのき
マメ科の落葉高木。初夏に細い糸を集めたような淡紅色の花が咲き、夜になると葉が合わさって閉じ、眠るように見えることから「ねむ」と呼ばれます。中国では夫婦円満の象徴の木とされ、名前には「男女の営みを歓び合う」意が込められています。

はぎ
マメ科の低木で、夏から秋にかけて咲く赤紫色の花は、古くから日本人に愛され、『万葉集』には141首もの萩を詠んだ歌が収められています。名前の由来は、毎年よく芽吹くことから「生え木」と呼ばれ、それが「ハギ」に変化したといわれます。

ふじ
マメ科のつる性落葉低木で、日本の固有種。 4月下旬から5月上旬に長い穂のような花序を垂れ下げて咲き、藤棚が観光・鑑賞用として好まれます。フジの名前の由来には定説はないものの、風が吹く度に花が散るので「吹き散る」の意であるともいわれます。

もみじ
「もみじ」は具体的な木の名前ではなく、赤や黄色に紅葉する植物を「もみじ」と呼んでいます。現代では「紅葉」と書くのが一般的ですが、『万葉集』では殆どの場合「黄葉」となっています。これは、古代には黄色く変色する植物が多かったということではなく、中国文学に倣った書き方だと考えられています。さらに「もみじ」ではなく「もみち」と濁らずに発音していたようで、葉が紅や黄に変色する意味の動詞「もみつ」から生まれた名だといいます。

やまたちばな
『万葉集』では「山橘」と呼ばれる ヤブコウジは、サクラソウ科の常緑低木。別名「十両」。夏に咲く小さな白い花はまったく目立たないのですが、冬になると真っ赤な実をつけます。この実を食べた鳥によって、種子を遠くまで運んでもらいます。

やまぶき
バラ科の落葉低木。山野でふつうに見られ、春の終わりごろにかけて黄金色に近い黄色の花をつけます。そのため「日本の春は梅に始まり、山吹で終わる」といわれることがあります。 万葉人は、 ヤマブキの花を、生命の泉のほとりに咲く永遠の命を象徴する花と見ていました。ヤマブキの花の色は黄泉の国の色ともされます。

擬音(態)語と大和言葉

あたふた
あっさり
いらいら
うきうき
うずうず
うっかり
うっとり
うつらうつら
うねうね
うろうろ
うろちょろ
うんざり
えっちらおっちら
おずおず
がたがた
がっかり
がっしり
かなかな
がぶがぶ
がやがや
からから
がりがり
かんかん
がんがん
ぎっしり
きっぱり
きびきび
きょろきょろ
きらきら
ぎりぎり
きんきん
くすくす
ぐずぐず
くたくた
くだくだ
くっきり
ぐっすり
ぐっと
ぐにゃぐにゃ
くよくよ
くらくら
ぐらぐら
くるくる
ぐんぐん
けちょんけちょん
げっそり
げらげら
けろり
げんなり
ごくり
こっくりこっくり
こつこつ
ごつごつ
こっそり
ころころ
ごろごろ
こんこん
ざあざあ
さっぱり
さばさば
ざぶざぶ
さらさら
ざらざら
さんさん
しくしく
じくじく
しずしず
じたばた
しっくり
じっくり
じっと
じっとり
しとしと
しどろもどろ
じめじめ
しゃなりしゃなり
じゃんじゃん
じゅくじゅく
しょぼん
じろじろ
じわじわ
しんみり
しんしん
ずきずき
ずたずた
すっかり
すっきり
すっと
ずぶずぶ
すべすべ
すやすや
すらすら
ずらずら
ずんぐりむっくり
ずんずん
ぞくぞく
そっくり
そっと
ぞっと
そよそよ
そろそろ
ぞろぞろ
そわそわ
たっぷり
だぶだぶ
だらん
ちくちく
ちやほや
ちらちら
ちらほら
つやつや
つるつる
つんつん
てきぱき
でれでれ
どきり
どくどく
どっと
とろとろ
どんどん
にこにこ
にたり
にっこり
にやにや
にんまり
ぬるぬる
ねちねち
ねばねば
のっしのっし
のびのび
のらりくらり
のろのろ
のんびり
はきはき
ばたばた
はっきり
ばったり
はらはら
ばらばら
ぴかぴか
びくびく
ひそひそ
ぴちぴち
びちょびちょ
ぴったり
ひょろひょろ
ひらひら
ひりひり
ふかふか
ぶかぶか
ぶくぶく
ふさふさ
ふっくら
ふにゃふにゃ
ふらふら
ぶらぶら
ぶるぶる
ぷるんぷるん
ふわふわ
ぷんぷん
ぺこぺこ
へとへと
べとべと
へらへら
ぺらぺら
ほっと
ぼんやり
むかむか
むしゃむしゃ
むずむず
むんむん
めきめき
めらめら
めろめろ
もりもり
やっさもっさ
ゆっくり
ゆっさゆっさ
ゆったり
ゆらゆら
ゆるゆる
よろよろ
るんるん
わくわく
わなわな
わんわん

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