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雨に関係する言葉

雨を表現する言葉、こんなにたくさんあるんです。

 雨に関係する言葉

雨に関係する言葉

雨間(あまあい/あまま)

雨が一時やんでいる間。

雨足(あまあし)

雨の降りすぎていくようす。「雨足が早い」とか「雨足が強い」というような言い方をします。

雨乞い小町(あまごいこまち)

干天が続く平安京で、小野小町が勅命によって雨乞いの和歌を詠み、その功徳で雨が降ったという伝説。小町が詠んだ歌は、「千早ふる神もみまさば立ちさばき天のとがはの樋口あけたまへ」。

雨曝し(あまざらし)

覆うものがなく、雨に濡れるのにまかせておくこと。

雨支度(あまじたく)

外出の際、雨に濡れない雨具を調えること。また、その雨具。

雨だれ(あまだれ)

軒などからしたたり落ちる雨のしずく。雨が降り終わった後に、軒先からポタリ、ポタリと間隔よく落ちる雨だれの音は、とても風情がありますね。同じ題名の、太田裕美さんのヒット曲を想い出します。

雨模様(あまもよう/あめもよう)

今にも雨が降り出しそうなようす。雨が降っている天気を指すものではなく、それらしい雰囲気のことなんですが、最近では、雨が降っているようすの意味も加わってきているみたいです。

雨宿り(あまやどり)

さだまさしさんの歌に「雨やどり」というのがありましたが、この言葉には、「突然の雨に降られて困る」という意味合いよりも、どことなく雨を楽しんでいる、情緒に浸っているというような雰囲気があります。最近は忙しい世の中ですから、雨宿りなんて悠長なことはしていられない人が多いのでしょうが、たまにはのんびりと雨宿りをする心境になってみたいものです。

雨上がり(あめあがり)

雨ががやんだすぐあとのこと。しっとりと静まり返った感じの雨上がりの余韻は、なかなかいいもんですね。昔、流行った「雨あがりの朝、届いた短い手紙・・・」の歌いだしで始まるのは、ダ・カーポの『結婚するって本当ですか』でしたっけ。

雨霰(あめあられ)

雨とあられのことですが、もっぱら、あたかも雨と霰が降るかのように大量に激しく浴びせられるようすに使われますね。「感謝感激雨あられ」みたく。

雨夜の品定め(あめよのしなさだめ)

女性についての論評をすること。女性論。『源氏物語』の「帚木(ははきぎ)」の巻で、五月雨の夜に光源氏や頭中将らが集まって語った、さまざまな女性についての話。この場面は、若い光源氏が恋の冒険に乗り出すきっかけともなっています。

雨水(うすい)

二十四節気の一つで、2月18日ごろ。空から降る雪が雨に変わり、雪が解け始める季節。

煙雨(えんう)

けむるように降る雨。

お湿り(おしめり)

乾燥した地面がほどよく濡れる程度に降る雨。

快雨(かいう)

勢いよく降って、気分をさっぱりさせてくれる雨。

片時雨(かたしぐれ)

ある場所では時雨が降り、別の場所では晴れていること。

甘雨(かんう)

しとしとと降って、草木を潤す雨のこと。農作業を始める時期にちょうどよく降り、作物を育む雨。「慈雨(じう)」とも。

寒の雨(かんのあめ)

寒中に降る冷たい雨。

鬼雨(きう)

鬼の仕業かと思うような並外れた雨。ゲリラ豪雨。

喜雨(きう)

日照りが続いたあとの、待ちに待った恵みの雨。げんなりしていた植物たちが、本当に喜んでいるように見える雨です。干天慈雨。

狐の嫁入り雨(きつねのよめいりあめ)

太陽が照っているのに降る雨。天気雨が降るときには狐の嫁入りがあるという俗言が由来です。

霧雨(きりさめ)

普通の雨よりも滴が小さくて数が多い雨。直径は0.5ミリメートル以下とされています。霧や層雲の中で、霧粒や雲粒がくっついて大きくなり、霧雨ができます。

紅雨(こうう)

花に降り注ぐ春の雨。

小雨(こさめ)

小降りの雨または細かい雨。「しょうう」「こあめ」とも読みます。

小糠雨(こぬかあめ)

雨粒が霧のように細かく、音もなく静かに降る雨。「降る」というよりも糠のような微細な雨粒が空中のそこかしこから押し寄せるという感じで、春先に降る小糠雨は、頬にあたる気持ちよさを味わえることもあります。
「雨の御堂筋」というヒット曲に「小糠雨降る御堂筋・・・」という一節がありましたが、その歌の通り、大阪のビジネス街の御堂筋には本当に小糠雨がよく似合います。そぼ濡れるコンクリートとイチョウ並木。都会の中に垣間見る、たいへん美しい光景だと思います。

細雨(さいう)

細かい雨。

催花雨(さいかう)

春、花が咲くのを促すように降る雨。

洒涙雨(さいるいう)

7月7日の七夕の日に降る雨。牽牛と織女が別れを惜しむ涙雨。

五月雨(さみだれ)

和語を無理やり漢字に当てはめてこの字になったといいます。「さ」は五月、「みだれ」は「水垂れ」の意味とする説もあるようです。「五月雨」も「梅雨」も同じ季節の雨ですが、「五月雨が降る」とは言いますが、「梅雨が降る」とは言いません。「五月雨」は雨そのもの、「梅雨」は天候を表現する言葉です。また、長く降り続く五月雨が卯の花をいためることから、「卯の花(はな)腐(くた)し」の異名があります。

小夜時雨(さよしぐれ)

夜に降る時雨のことです。

時雨(しぐれ)

晩秋から初冬の頃に、急に風が強まり、ぱらぱらと降ってはやみ、数時間で通り過ぎてゆく雨。冬の季節風が吹き始めたときの、寒冷前線がもたらすもので、村時雨・小夜(さよ) 時雨・夕時雨・涙の時雨などの言い方もあるそうです。

篠突く雨(しのつくあめ)

篠竹(しのだけ)を束にして地面に突きおろすように、はげしく降る大雨、豪雨。篠竹は、細く群がり生える竹のこと。

驟雨(しゅうう)

にわか雨。急に降り出し、強弱の激しい変化を繰り返しながら、急に降り止む雨。雷を伴うこともあります。夕立も驟雨ですが、驟雨は時間の制限がありません。

秋霖(しゅうりん)

秋の長雨。初秋のころ、梅雨時に似た気圧配置になり、小雨が降り続きます。

宿雨(しゅくう)

前夜から降り続けている雨。または、連日降り続く長雨。

如雨露(じょうろ)

雨に直接関係するものではありませんが、植物などに水をかける道具の「じょうろ」。元は「水の噴出」を意味するポルトガル語の「jarra」が語源とされますが、「雨露(うろ)の如(ごと)し」の意味と音が当てはめられています。

翠雨(すいう)

青葉に降り注ぐ雨。「青葉雨」「緑雨(りょくう)」も同じ意味。

洗車雨(せんしゃう)

七夕の前日の7月6日に降る雨。牽牛と織女の逢瀬に使う牛車を洗うことで降る雨と伝えられます。

日照雨(そばえ)

他は晴れているのに、ある所だけに降る雨のこと。「ひでりあめ」とも読みます。 

そぼ降る雨

しとしとと降る雨。

梅雨(つゆ)

6月頃降り続く長雨。また、その頃の季節。太陽暦で6月10日頃から7月10日頃までの間のこと。梅の実が熟する頃の雨ということで、この字が当てはめられました。北海道を除く日本、中国の揚子江流域、朝鮮半島南部に特有の現象です。梅雨時の曇天を梅雨曇、ふとのぞく晴天を梅雨晴れと呼びます。また、梅雨前線が南の海上に留まっていたり、すぐに日本海側に抜けたりして雨がほとんど降らなくなることを空梅雨といいます。いずれにしても、じとじとして鬱陶しい時期ですが、日本の農耕にとってはなくてはならないものです。

走り梅雨
 梅雨入りする前の五月ごろに、ひととき梅雨のような雨が降ること。
梅雨晴れ
 梅雨の合間にふとのぞく晴天。
梅雨曇
 梅雨どきの曇り空。今にも雨が降りだしそうな天気。
送り梅雨
 梅雨が明けるころに、急に強い雨が降ること。梅雨を送り出すような雨。
空(から)梅雨
 梅雨の期間に雨が少ないこと。てり梅雨。
戻り梅雨
 梅雨に戻ったような長雨が続くこと。

鉄砲雨(てっぽうあめ)

激しく降る大粒の雨。

天泣(てんきゅう)

空に雲が見えないのに降ってくる雨。

通り雨

ひとしきり降って、すぐに晴れる雨。

菜種梅雨(なたねづゆ)

3月末から4月の、菜の花が咲くころに降る雨。北日本ではあまり見られません。

七つ下りの雨(ななつさがりのあめ)

午後4時過ぎに降り出した雨。大概は長く降り続くことから、なかなか終わらないもののたとえに使われます。「四十過ぎての道楽と七つ下がりの雨は止みそうで止まぬ」ということわざもあります。

涙雨

悲しみの涙が化して降るという雨。そのときの心情によって、悲しい雨のこともあり嬉し涙の雨のこともある雨です。また、ほんの少し降る雨のことも涙雨といいます。

入梅(にゅうばい)

梅雨に入ること。暦では6月11日ごろと決まっていますが、実際はその年によって変化します。

にわか雨

→ 驟雨(しゅうう)

白雨(はくう)

明るい空から降る雨のことで、にわか雨の別名です。

麦雨(ばくう)

麦が実り収穫を迎えるころに降る雨のこと。五月雨。

春雨(はるさめ)

春、しとしとと静かに降るこまかな雨。雛菊が月形半平太に向かって「月様、雨が」、半平太の「春雨じゃ、濡れて参ろう」と言うセリフは有名です。

氷雨(ひさめ)

冷たい雨。また、みぞれのこと。「氷雨」という演歌のヒット曲がありましたね。ほろ酔い加減で家路につくときに出会う氷雨は、火照った体を冷やすのにとても気持ちがいいもんです。

降りみ降らずみ

直接雨を表現する言葉ではなく、雨や雪が降ったり降らなかったり、の意。「み」は「~したり」の意の接尾語。あまり見かけない言い回しですね。〔用例〕降りみ降らずみの空模様。

(や)らずの雨

あたかもお客様を帰したくないかのように、降ってくる雨のことです。何とも情緒のある呼び名ですね。

夕立

夏の午後から夕方にかけ、にわかに降り出すどしゃぶり雨。雷を伴うことが多く、短時間で晴れ上がり、一陣の涼風をもたらしてくれます。

雪解雨(ゆきげあめ)

雪を消す春先の雨。雪を解かして木々や草花の芽生えをうながす雨。

雪時雨(ゆきしぐれ)

寒い日に降る、雪まじりの雨。

涼雨(りょうう)

涼しさが感じられる、夏の雨。

緑雨(りょくう)

新緑のころに降る雨。しっとりとした美しい日本の原風景。

霖雨(りんう)

幾日も降り続く雨。長雨。

零雨(れいう)

静かに降る雨。小雨。

私雨(わたくしあめ)

狭いところに突然降る雨。特に麓が晴れているのに、山の上だけに降る雨。箱根や丹波などが有名です。

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二十四節気

二十四節気(にじゅうしせっき)は、今でも立春、春分、夏至など、季節を表す言葉として用いられています。

季節は1年を約365.2422日とする太陽年からくるもので、月を基準にした旧暦では季節とのずれが生じます。農作業は季節に応じて進めらられるものなので、旧暦でも正確な季節を知る必要がありました。
 
そこで用いられたのが二十四節気です。地球から見て、太陽が地球の周りを1年かけて回る天球上の大きな円を黄道といいますが、黄道を24等分したものが二十四節気です。24のおのおのに「立春」「冬至」などの季節を表す名前がつけられています。
 
なお、旧暦は、月のみでなく太陽をも暦に取り込んでいたので、「太陽太陰暦」と呼ばれています。また、二十四節気は、その年によって1日程度前後することがあります。

立春 2月4日
雨水 2月19日
啓蟄 3月6日
春分 3月21日
清明 4月5日
穀雨 4月20日
立夏 5月6日
小満 5月21日
芒種 6月6日
夏至 6月21日
小暑 7月7日
大暑 7月23日
立秋 8月8日
処暑 8月23日
白露 9月8日
秋分 9月23日
寒露 10月9日
霜降 10月24日
立冬 11月8日
小雪 11月23日
大雪 12月7日
冬至 12月22日
小寒 1月6日
大寒 1月21日

雲の種類

巻雲(けんうん)
高度5000~13000mの上層にできるすじ雲で、刷毛ではいたような雲。降水はない。
 
巻積雲(けんせきうん)
高度5000~3000mの上層に並んで見える雲。降水はないが、天気が下り坂に向かうことが多い。秋によく見られ、うろこ雲、いわし雲とも呼ばれる。
 
巻層雲(けんそううん)
高度5000~3000mの、空全体に広がるうす雲。春によく見られる。降水はないが、天気が悪くなる前兆とされる。
 
高積雲(こうせきうん)
高度2000~7000mの中層に現れる。降水はない。小さなかたまり状の雲が集まって羊の群れのように見えることから「ひつじ雲」とも呼ばれる。古くは叢雲(むらくも)とも。
 
高層雲(こうそううん)
「高層」という名ながら、高度2000~7000mの中層に現れる。降水があることもある厚い雲で、太陽の位置がぼんやりとしか見えないところから「おぼろ雲」とも呼ばれる。
 
乱層雲(らんそううん)
高度2000~7000mに現れる、いわゆる雨雲または雪雲。暗い灰色で、太陽や月の光をさえぎり、地上は暗くなる。
 
層積雲(そうせきうん)
地上~2000mの下層にでき、形をどんどん変える雲。ときどき降水がある。通称くもり雲。
 
層雲(そううん)
地上~1000mの下層にできる霧雲。湿気を多く含んだ大気が地表付近で急に冷やされて発生する。地表から離れると層雲、地表付近のものは霧(きり)。
 
積雲(せきうん)
高度500~2000mの下層にでき、白くふわふわとした、綿菓子のような雲。通称わたぐも。上に向かってもこもこと発達するが、下部の高さはそろう特徴がある。ときどき降水がある。
 
積乱雲(せきらんうん)
地表~12000mと広範囲に発達する。入道雲ともいう。蒸し暑い夏の午後に激しい雨を降らせる。雲の内部では上昇流と下降流が入り乱れていて、空気や水滴が摩擦しあって電気がたまり、これが放電して雷(かみなり)となる。

雨の詞

雨に濡れながら
佇む女(ひと)がいる
傘の花が咲く
土曜の昼下がり
約束した時間だけが
躰(からだ)をすり抜ける
・・・
~千家和也『雨』から

雨上がりの朝
とどいた短い手紙
ポストの横には
赤いコスモス揺れていた
・・・
~ダ・カーポ『結婚するって本当ですか』から

雨はふるふる
城ヶ島の磯に
雨は真珠か夜明けの霧か
それとも
わたしの忍び泣き
・・・
~北原白秋『城ヶ島の雨』から

それはまだ私が神様を信じなかったころ
9月のとある木曜日に雨が降りまして
こんな日に素敵な彼が現れないかと
思ったところへあなたが雨やどり
すいませんねと笑うあなたの笑顔とても凛々しくて
前歯から右に四本目に虫歯がありまして
・・・
~さだまさし『雨やどり』から

小ぬか雨降る 御堂筋
こころ変わりな 夜の雨
あなた あなたは何処よ
あなたをたずねて
南へ歩く
・・・
~林春生『雨の御堂筋』から

雨だれがひとつぶ頬に
見上げればお寺の屋根や
細い道ぬらして
にわか雨が降る
私には傘もない
抱きよせる人もない
・・・
~なかにし礼『京のにわか雨』から

都会では自殺する
若者が増えている
今朝来た新聞の
片隅に書いていた
だけども問題は
今日の雨
傘がない
・・・
~井上陽水『傘がない』から

心の隙間に
優しい雨が降る
疲れた背中を
そっと湿らせてく
群れをなす魚たち
少し楽し気に
駅に向かって走ってく
・・・
~鈴木祥子『優しい雨』から

突然 偶然
それとも必然
始まりは気づかぬうちに
予報通りいかない模様
そんな時こそ微笑みを
ポツリポツリと
街の色変わってゆけば
傘はなくとも雨空に唄うよ
・・・
~北川悠仁『雨のち晴レルヤ』から

化粧する君の
その背中がとても
小さく見えて仕方ないから
僕はまだ君を
愛しているんだろう
そんなことふと思いながら
窓の外は雨
雨が降ってる
・・・
~伊勢正三『雨の物語』から

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