本文へスキップ

アンプに対する誤解

 あるオーディオ専門家さんが書いた本によれば、たとえばオーディオ機器の中でいちばん「音」への影響が大きいのは、スピーカーではなくアンプだといいます。これまでずっとスピーカーがいちばん重要だと聴かされ続けてきたように思うんですが、そうではない。何よりアンプが大事だって。皆さまはいかが思われますでしょうか。

 さらにその本によれば、アンプの出力について、やたら高出力なのが尊重される傾向があるけれど、家庭でかなりの大音量で聴いてもせいぜい2〜3Wなので、80Wだとか100Wのアンプを持っていても意味がないそうです。小さい音量で聴くにしてもパワーに余裕があるほうが良いという話も耳にしますが、これも全く根拠はないそうです。妙な宣伝文句に誘われて余分なカネ払うのはもったいないって。

 これは確かにそう思います。手前味噌ながら、私が愛用してるアンプはたかだか30W+30Wの出力ですが、全く問題ありません。大体いつもヴォリュームの10時のところで聴いていますが、それを超えるととんでもない大爆音になってしまいます。さらに大出力のアンプのよろしくない点は、家庭では、持ち前のパワーが生かせない上に、けっきょく信号が雑音にまみれてしまう領域ばかりで聴くハメになってしまうってことだそうです。これは音に拘る人にとって聞き捨てならない、かなり由々しき話だと思いますよ。

 また同書によれば、重ければ重いほど良いアンプというのも、まったくナンセンスだそうです。重いのが良いとする理由は振動防止のためだというけど、実験でアンプの天板を平手でバンバン叩きながらCDを聴き比べても、何ら違いはないといいます。それでもどうしても重いのが好きなら、アンプの上にコンクリートブロックを積み上げろ、って。ずいぶん乱暴で、これもオーディオ・マニアの常識を覆すようなお話ですが、いかがなもんでしょう。

縦長配置か、横長配置か

 長方形の部屋でのスピーカーの配置を縦長配置(辺が短い壁側にスピーカーを置く)にするか、横長配置にするか。多くの場合は縦長配置になっているようですが、両者は音響上どう違ってくるのか。これはですねー、その部屋の中でもっとも大きな変化を示し、アンプやケーブルを替えた場合よりはるかに大きく変化するそうですから驚きです。

 評論家の瀬川冬樹氏は、横長配置を好んで用い、石井伸一郎氏は、12畳の洋間の音響特性を1/10の模型を用いて検討していて、縦長配置より横長配置のほうが低域の具合が良いことを見つけ、実際の部屋で横長配置を試みたところ、非常に音が良くなったそうです。鏡像分布、すなわち音源が鏡のようになって散らばる具合も、横長配置のほうがリスナーの周囲を形よく取り囲んでいるといいます。

 私も以前は横長配置で聴いていて、見た目から受ける印象もあったと思いますが、音の広がり、包まれ感の心地よさを実感していました。なので、別の部屋を使うようになってからも是非とも横長配置にしたかったんですが、入り口や窓の位置の関係から、どうしても縦長配置にせざるをえませんでした。とりわけクラシック音楽の場合は横長配置が好ましいそうですから、まことに残念です。
 

【PR】

やさしいクラシック音楽案内

クラシック音楽は、人生についていろいろと語りかけてくれる、そして、人生の栄養源になってくれる・・・。


目次へ ↑このページの先頭へ

タカラトミーモール

アンプの方式

アンプの増幅特性として望ましいのは、リニアであること、すなわち入力信号に正比例して出力信号が得られることであるが、信号の小さい領域では増幅率が低くなる。そこで、回路にバイアス電流をかけることで増幅特性のリニアな部分だけを使用する。無信号状態でも常にバイアス電流がかかっているため、発熱や消費電力が大きく、効率はよくないが、アンプの動作方式としては、最も音質がよいとされる。

B級アンプは、入力信号の上半分と下半分を別々のトランジスタで増幅して出力する方式。A級アンプの増幅回路より効率は良くなるが、2つの増幅素子の切り替わり時に、歪みが大きくなるのがデメリット。

これに対してAB級アンプは、入力信号が小さいときにはバイアス電流を上げ、大きいときにはバイアス電流を下げることで、電力効率を高めている。A級動作とB級動作の長所を併せ持った方式で、現在のオーディオアンプのほとんどがAB級動作となっている。

【PR】

タカラトミーモール

目次へ