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PCオーディオの利点と気になるところ

 かつて人気のあったミニ・コンポですが、今ではほとんどPCオーディオに取って代わられているようです。PCによる元々の使い勝手のよさに加え、パワーアンプを内蔵した数々のアクティブスピーカーの登場によって、とても上質な音を得られるようになりましたからね。さらに新しいPCでは、PC自体の音質向上も図られているんですね。

 そもそもPCオーディオというのは、リスニング環境としてはとても優れています。その理由は第一に、PCの両サイドに置かれたスピーカーが二等辺三角形を成してきっちりこちらを向いていること。多くの場合、適度な仰角がついているので音が直接スコーンと耳に届きます。第二に、スピーカーと耳との距離が数十センチと近いため、部屋の余計な響きとかに殆ど影響されないこと。やれ吸音だとか拡散だとかに気を使わなくてすむので、これはとても大きな利点です。

 一方、ミニ・コンポでは、そのあたりがなかなかうまくいかないことが多いように思います。何より悩ましいのが置き場所です。PCのように机上に置いて向き合って聴くという環境は、案外と作りにくいもんです。かといって大型の装置のように部屋の中心にどーんと置くようなものでもない。たいていの場合は、部屋の隅のタンスか何かの家具の上に置いているのでは? 実はこれって、最悪の設置方法なんですよね。

 翻ってPCオーディオは、PCの本来の用途から派生的に登場した機能であるにもかかわらず、図らずも非常に良好なリスニング環境を構築できているといえます。ヘッドホンなんかと違い、狭いながらもきっちりとした「空間」のなかで音楽を「体感」できている。迫力ある音は耳ばかりでなく、胸のあたりにもズンと来ますからね。やっぱりですねー、音楽はそれなりの空間のなかでしっかりポジションをとって聴くというのが貴重なんだと思うところです。

 ネットで色々な方々の事例を拝見しましたら、皆さん、とてもカッコよく決めていらっしゃいます。ところが、中にとても気になる例がありました。PCの両端に置いているスピーカーですが、ふつうのオーディオコンポに使うような、2ウェイだったか3ウェイだったか、PCオーディオにはいかにも不釣り合いに大きなスピーカーを使っている方がいたのです(デスクトップPCのディスプレイの高さと同じくらいか、それより高い)。

 これはちょっとよろしくないと思うんです。なぜなら、狭い場所で良質なオーディオ空間を作り上げるには、「音源」はできるだけ小さいほうがいいからです。本当は可能な限り”点”に近いほうがよいといわれます。部屋という単位であってもそのように言われますので、PCオーディオの極小空間ではなおさらです。いくら高価で性能のよいスピーカーでも使い方を間違っては「過ぎたるは及ばざるが如し」どころか「百害あって一利なし」になります。

 よっぽど席から離れて聴くなら別ですが、でもそれだと、本来の意味のPCオーディオとは違うものになってしまいます。ニアフィールドで最良の音響を引き出そうとするのがPCオーディオですから、この場合、スピーカーは決して「大は小を兼ねる」ものではありません。大きいと何となく豪勢な感じに見えますけど、きちっとした音像、音場を望むなら断然避けるべきです。お節介な話だといわれるかもしれませんが、ぜひとも改善なさったほうがよいと思います。


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オーディオの三要素は「電気」と「振動」と「気流」です。その中でも最後に耳に音楽を届けてくれるのは「気流」です。
 
〜カイザーサウンド

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