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体の慣用句

→ あ行/か行さ行た行な・は行ま行~

 体の慣用句

あ行

開いた口が塞(ふさ)がらない

あまりのひどさに、あきれ返っているようす。【用例】あまりのだらしなさに、開いた口が塞がらない。

揚(あ)げ足を取る

相手の言葉じり・言い損(そこ)ないをとらえて非難(ひなん)する。【用例】あいつは人の言葉じりをとらえて、揚げ足ばかり取っている。

顎(あご)が落ちそう

非常においしいと感じるようす。【用例】このお菓子はおいしくて顎が落ちそうだ。【類句】ほっぺたが落ちそう。

顎(あご)が外(はず)れる

おかしくて、笑いが止まらなくなるほど大笑いするようす。【用例】あまりの面白さに、顎が外れるほど笑い転げた。【類句】顎を外す。

顎で使う

自分では何もせずに、高慢(こうまん)な態度で人をこき使う。「顎の先で使う」とも。【用例】親を顎で使う。

顎を出す

くたくたに疲(つか)れてしまう。【用例】途中からとうとう顎を出してしまった。

顎を撫(な)でる

どんなものだと言わんばかりに得意(とくい)げに自分を誇示(こじ)する動作を表す。【用例】顎を撫でながら、自慢話をする。

足が重い

行かなければならないのに、なかなか気が進まないようす。【用例】病院に行くのは足が重い。

足が地につかない

気持ちが落ち着かず、行動にしっかりした落ち着きの見られないようす。【用例】彼女は気が多すぎて、何をやっても足が地につかない。

足がつく

①逃げた者の足取りがわかる。【用例】地道な聞き込み捜査で、犯人の足がついた。
②何か手がかりとなって、だれの犯行か露見(ろけん)する。【用例】現場に落ちていたハンカチから足がついた。

足が出る

出費が多く、予定していた金が足りなくなる。【用例】このあいだの旅行は、交通費が多くて、足が出た。

足が遠のく

今まではよく行っていたのに、訪問する間隔が長くなったり、長い間訪問なくなったりすること。【用例】両親が死んでからは、故郷へもすっかり足が遠のいてしまった。

足が棒(ぼう)になる

長く立ち続けたり歩き続けたりして、足が疲れ、こわばる。筋肉が張って棒のようになった感じを表している。【用例】ずっと立ちっ放しで、足が棒になった。

足が向く

いつのまにか、ある方向に歩き始めていること。【用例】なじみの店に足が向く。

足手まといになる

行動や作業のじゃまになること。【用例】君がチームに加わっても、足手まといになるだけだ。

足どめを食う

何かの事情で外出が禁じられたり、そこから先へ進めなくなったりする。【用例】悪天候のため、空港でしばらく足どめを食う。

足並みがそろう

一つの目的のために集まった人たちの行動や考えが一致(いっち)すること。【用例】各党の足並みがそろう。

足にまかせる

あてもなく歩き回る。【用例】野山を足にまかせて歩き回る。

足の踏(ふ)み場がない

部屋が非常にちらかっていること。

足場を失う

何かをしようとする時のよりどころが無くなる。【用例】予選で敗れ、決勝トーナメント進出への足場を失う。

足踏みをする

物事が先に進まずに、同じ状態が続くこと。【用例】売上高が足踏みしている。

足下(あしもと)から鳥が立つ

①身近なところで急に意外なできごとが起こること。
②急に思い立ったように何かをすること。【用例】さっきまでテレビを観ていた彼は、足下から鳥が立つように外出してしまった。

足下に火がつく

自分の身に危険が近づいてくること。【用例】仲間が逮捕され、彼の足下に火がついた。

足下にも及(およ)ばない

相手がすぐれていて、とてもかなわない。【用例】英語の成績では、私は彼の足下にも及ばない。【類句】足下にも寄りつけない。

足下を見る

相手の弱みにつけこむ。【用例】足下を見られて、安く買いたたかれた。

足を洗(あら)う

今までの悪い行いやだらしない生活をきっぱりとやめること。【用例】やくざの世界から足を洗って、まじめに生きる。

足を入れる

ある所に出入りしたり、ある社会とかかわりを持つようになったりする。【用例】一度やくざの世界に足を入れると、容易には抜けられなくなる。

足を奪(うば)われる

ストや事故などで交通機関が利用できなくなる。【用例】電車が運休し、通勤・通学の足が奪われた。

足をすくう

相手のちょっとしたすきをねらい、予想外の手段によって、負かしたり失脚(しっきゃく)させたりする。「足下をすくう」というのは間違い。【用例】新人候補に足をすくわれ、落選した。

足を取られる

障害物があったり酒を飲みすぎたりして、思うように歩けなくなる。【用例】ぬかるみに足を取られて転ぶ。

足を延(の)ばす

予定していた所よりさらに遠くまで行く。【用例】京都へ行ったついでに、神戸まで足を延ばして、息子の家を訪ねてきた。

足を運ぶ

何かの目的で、わざわざそこまで出かける。【用例】何度も足を運んで、やっと面会が許された。

足を引っ張る

①他人の成功や出世のじゃまをする。【用例】同業者に足を引っ張られ、商売が苦しくなる。
②大勢で何かをするとき、その人が全体を不利な立場に追い込むようなことをする。【用例】四番打者の不調がチームの足を引っ張っている。

足を向けて寝られない

恩を受けた人に対する感謝の気持ちを表す言葉。【用例】私が今日あるのは石田さんのおかげだから、あの人に足を向けては寝られない。

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頭打ちになる

限界に達してそれ以上の進歩や発展の望めない状態。行き詰まり。【用例】営業成績が頭打ちになる。

頭が上がらない

相手に負い目があったり、権力に押されたりして、対等にふるまえない。【用例】子供のころのことを知られているから、彼には頭が上がらない。

頭が堅(かた)い

既成の観念に凝(こ)り固まっていて、状況の変化に応じた考え方ができない。【用例】うちの社長のように頭が堅くては、業界の競争に耐え抜いていくのは難しい。

頭が切れる

頭がいい。考えや物事の理解が早く、すばやく対応できる。【用例】彼は頭が切れるから、リーダーに向いていると思う。

頭が下がる

感心して敬服(けいふく)する。【用例】私財を投げ出してボランティアに打ち込んでいる彼女の姿には頭が下がる。

頭が低い

どんな人にもていねいで、へりくだっている人のこと。【用例】あの人は社長なのに、頭が低い。【類句】腰が低い。

頭にくる

ひどく不愉快で腹立たしく正しく思う。【用例】真夜中のいたずら電話は、全く頭にくる。

頭を痛める

事が順調に運ばず、あれこれと思い悩(なや)む。【用例】不景気で売り上げが伸びず、頭を痛めている。

頭を抱(かか)える

頭を抱えて考え込まなければならないほど、非常に困っている。【用例】山積する問題に頭を抱える。

頭を掻(か)く

失敗して、恐縮(きょうしゅく)したり照(て)れたりしたときのようす。【用例】頭を搔いてばかりいず、対策を考えろ。

頭を切り替える

固定観念にとらわれず、その場その場に応じた考え方ができるようにする。【用例】ぼちぼち頭を切り替えていかなければ、時代に取り残される。

頭を下げる

①おじぎをする。
②相手に屈服(くっぷく)、降参(こうさん)すること。また、へりくだること。【用例】あいつが頭を下げるまでは、絶対に会わない。

頭を絞(しぼ)る

どうしたらよいかと一生懸命考える。【用例】いくら頭を絞っても、よい考えが浮かばない。

頭をはねる

うわまえを取る。他人の利益の一部をかすめ取る。【用例】彼は下請け業者に払う代金の頭をはねて、競馬につぎ込んでいたそうだ。

頭をひねる

うまいやり方をいろいろ工夫(くふう)したり、難問を解こうとしてあれこれ考えをめぐらしたりする。【用例】試験問題の作成に頭をひねる。

頭を冷やす

興奮(こうふん)をしずめ、冷静な態度になる。【用例】自分のしたことを、頭を冷やしてよく考えなさい。

頭を丸める

頭髪を剃(そ)って出家する。【用例】失敗したら頭を丸めるぐらいのつもりでやれ。

頭をもたげる

今まで目立たなかった動きが、しだいに勢いを得て人々に知られるようになる。また、今まで認識されなかった考えや疑いなどがはっきりと浮かんでくる。【用例】憲法改正をめぐって、軍国主義的な考えが一部に頭をもたげてきている。

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後足(あとあし)で砂をかける

恩返しをするどころか、かえって迷惑(めいわく)をかけるようなことをする。恩をあだで返す。【用例】あれだけお世話になったのに、後足で砂をかけるようなまねをする。

合わせる顔がない

その人に対する恥ずかしさや申し訳ない気持ちから、あの人に会えないさま。面目(めんぼく)ない。【用例】借金をしているので、親に合わせる顔がない。

息が合う

お互いの気持ちがぴったり合う。調子が合う。【用例】投手と捕手の息がぴったり合う。

息が切れる

息切れがする。あえぐ。物事の途中で弱ってしまう。【用例】この坂を登るのは息が切れる。

息を殺す

息をするのをおさえて、じっとしている。【用例】息を殺して見守る。

息をのむ

びっくりしたり感動したりして、一瞬息が止まること。【用例】思わず息をのむ美しさ。

色目(いろめ)を使う

①とくに女性が男性に対して、気をひいたり媚(こ)びるような目つきをすること。
②人や物に対して、関心があるようにふるまうこと。

浮き足立つ

不安を感じたり、不利になったりして落ち着きを失い、逃げ腰になる。

後ろ髪を引かれる

あとのことが心配で心残りである。【用例】後ろ髪を引かれる思いで故郷を出てきた。

後ろ指をさされる

かげで悪口を言われる。【用例】決して後ろ指をさされるようなことをしてはいけない。

腕(うで)が上がる

技術や実力がつく。上手になる。【用例】最近、テニスの腕が上がった。

腕が利(き)く

何かに優れた技術を発揮することができる。【用例】近ごろは腕が利く職人が減ってきた。

腕が立つ

技芸に優れた腕前をします。【用例】腕が立つ浪人を用心棒に雇う。

腕が鳴る

腕前を見せたくてはりきっている。【用例】試合を前にして今から腕が鳴る。

腕によりをかける

持っている能力を十分に発揮して事に当たる。【用例】腕によりをかけて今晩の夕食を作る。

腕をこまねく(腕をこまぬく)

自分は何もせずに、そばでようすを見ている。【用例】もはや腕をこまねいている事態ではない。【類句】手をこまねく。
なお、本来は「腕をこまぬく」が正しい。

腕をふるう

腕前を十分にあらわす。【用例】料理に腕をふるう。

大きな顔をする

①自分が偉いかのような横柄(おうへい)な態度をとる。
②悪いことをしていても平気な顔をする。

大目玉を食う

ひどく怒られること。とくに目上の人から怒られる場合に使う。【用例】いたずらがばれて、先生から大目玉を食う。【類句】お目玉を食う。

大目に見る

厳(きび)しくせず寛大(かんだい)に扱う。【用例】今回だけは大目に見てやる。次から気をつけろ。

奥歯に物が挟(はさ)まる

思っていることをはっきり言わないで、思わせぶりなこと。【用例】はっきり言えよ。奥歯に物が挟まったような言い方は不愉快だ。

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慣用句とは

慣用句は、複数の単語が結びつき、もとの意味とは異なる意味を表すようになった言葉。ことわざと同じように、昔から言い習わされてきた決まり文句や言い回しですが、ことわざとちがって教訓的な意味はありません。ただ、厳密には区別できない場合もあります。
 
慣用句には、体の部分や動物・植物、生活に関わりのある道具などを使ったものが多くあります。それぞれの言葉の組み合わせが決まっており、それを少しでも違えると、意味をなさなくなってしまいます。

慣用句の問題は、中学入試でとてもよく出題されます。慣用句の意味は、その言葉通りの意味とはまったく変わってくるものが多いので、あらかじめ正しい意味をしっかり理解しておかなくてはなりません。

数を使った慣用句

■一押し二押し
 あくまでも自分の意向を貫こうとする強硬な態度のこと。
 
■一か八か
 結果がどうなるか分からないが、運を天に任せて思いっきりやってみること。
 
■一から十まで
 何から何まで。始めから終わりまで。
 
■一事が万事
 わずか一つの物事から、他のすべてを推し量ることができる。一つの小さな事柄の調子がほかのすべての場合に現れる。
 
■一も二もなく
 提示されたことに対して、とやかく言うまでもなく。即座に。
 
■一翼を担う
 全体の中で、一つの役割を引き受ける。
 
■一計を案じる
 一つの計画、計略を考え出す。
 
■一刻を争う
 わずかな時間も無駄にできない、急を要すること。
 
■一糸乱れず
 わずかな乱れもなく整っている様子。
 
■一笑に付する
 笑って問題にしないでいる。

■一矢(いっし)を報いる
 相手の攻撃にこちらも仕返しをする。
 
■一世を風靡(ふうび)する
 ある時代に大いに流行すること。
 
■一石を投じる
 (水に石を投げると波紋が生じることから)反響を呼ぶような問題を投げかける。
 
■一線を画する
 境界線を引いて区切りをつける。はっきり区別する。
 
■一目置く
 相手が自分より優れているとして、うやまって一歩譲ること。
 
■一点張り
 他のことを顧みず、そのことだけを押し通すこと。

■一頭地を抜く
 多くの中で飛びぬけてすぐれている。
 
■一杯食わす
 うまく人をだます。
 
■一歩譲る
 少し劣る。一段階劣る。
 自説を一部分引っ込めて、相手の主張を少し認める。
 
■瓜二つ
 縦に二つに割った瓜のように、顔かたちがよく似ていること。
 
■押しの一手
 ひたすら目的を遂げようとする強引なやり方。
 
■好一対
 二つの物が人がよく調和して似合っていること。
 
■三拍子そろう
 三つの悲痛必要な条件、また、すべての条件が備わっていること。
 
■四の五の言う
 なんのかんのと不平や文句を言い立てる。
 
■十年一日
 長い年月の間、同じ状態であること。

■十年一昔
 世の中は移り変わりが激しく、10年もたつともう昔のこととなってしまう。また、歳月の流れを、10年をひと区切りとして考えること。
 
■十指に余る
 10本の指で数えきれない。10以上である。

■千に一つ
 きわめてまれなことを言う。
 
■七つ道具
 7種類で一組とされる道具。また、7種に限らず、あることをするのに必要なひとそろいの道具。

■二世の固め
 夫婦になる約束。

■二の足を踏む
 思い切ってやれない。

■二の句が継げない
 次に言う言葉が出てこない。
 
■二の舞い
 前の人の失敗をもう一度繰り返すこと。

■二枚舌を使う
 うそを言う。
 
■八方破れ
 すきだらけのさま。

■一旗あげる
 事業を起こす。ある商売に成功する。

■一肌脱ぐ
 奮発して、力になってやる。
 
■百に一つ
 まれなことを言う。

■百歩譲って
 最大限に譲歩して。
 
■二つと無い
 代わりになるものがない。

■万に一つも
 可能性が全くない、絶対にありえない、と強調する表現。
 
■三日にあげず
 間をおかず。しばしば。
 
■四つに組む
 双方が堂々と全力で正面から戦うこと。

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