■ 顔色を見る
相手の表情を見て、その気分や機嫌(きげん)のよしあしを探る。【用例】相手の顔色を見ながら、相談をもちかける。【類句】顔色を窺(うかが)う
■ 顔が売れる
名が広く世間に知られる。有名になる。【用例】だんだん私も顔が売れてきた。
■ 顔が利(き)く
信用や力があるために相手に対して無理が言える。【用例】あの店に顔が利く。
■ 顔が曇(くも)る
何か悲しいことや心配事があって、表情が暗くなること。【反対語】顔が晴れる。
■ 顔がそろう
集まるべき人が、すべて集まる。【用例】同窓会に、なつかしい顔がそろった。
■ 顔が立つ
その人の評価が高められるようなことがあって、面目(めんぼく)が保たれる。【用例】期限までに工事を完成できなければ、私の顔が立たない。
■ 顔がつぶれる
その人の評価を落とすような結果になり、面目が失われる。【用例】期待に応えられないと、監督の顔をつぶすことになる。
■ 顔が広い
知り合いが多く、つきあいが広い。【用例】あの人は社内でとても顔が広い。
■ 顔から火が出る
恥ずかしさで顔が真っ赤になる。【用例】昔の失敗談が話題になって、顔から火が出るような思いをした。
■ 顔に書いてある
何も言わなくても、また何かうそを言っていても、表情に本当のことが表れるたとえ。【用例】私と一緒ではつまらないと、君の顔に書いてある。
■ 顔に泥(どろ)を塗(ぬ)る
恥をかかせて名誉を傷つける。【用例】親の顔に泥を塗る。【類句】顔を汚す。顔をつぶす。
■ 顔向けができない
面目を失って、人に顔を合わせることができないほど恥じ入るようす。【用例】恥ずかしくて世間に顔向けできない。
■ 顔を貸す
頼まれて、人に会ったり会合に出席したりする。【用例】仕事が終わったら、ちょっと顔を貸してほしいんだが。
■ 顔を出す
①あいさつなどで人の家を訪ねたり、儀礼的に会合に出たりする。
②あることに関連して、その名が出る。【用例】毎年、長者番付に顔を出す。
■ 顔を立てる
相手の体面を保たせる。【用例】今日は君の顔を立てよう。
■ 顔をつなぐ
時おりはあいさつに出向いたり集まりに出席したりして、その人や組織などと縁が切れないようにする。【用例】年に一、二度は会合に出て、顔をつないでいる。
■ 顔をほころばせる
うれしさで思わずにっこりする。【用例】彼の顔を見て、ほっとしたように顔をほころばせた。
■ 肩すかしを食う
相手にうまくそらされて、意気込んでやったことが無駄(むだ)になる。【用例】がんばって勉強したのに、簡単なテストで肩すかしを食った。
■ 肩が軽くなる
重い責任や負担から解放されて気が楽になる。【用例】無事に大任を果たして、肩が軽くなった。
■ 肩で息をする
息苦しそうに肩を上下に動かして呼吸する。【用例】あわてて部屋に入ってきた彼は、肩で息をしていた。
■ 肩で風を切る
わが物顔に、肩をそびやかして得意なようすで歩く。また、威勢がよくて、得意げに振る舞っているさま。【用例】一時は肩で風を切る勢いだったのに・・・。
■ 肩の荷が下りる
責任や義務を果たして、ほっと一安心する。【用例】この仕事が終わって、肩の荷が下りた。
■ 肩ひじ張る
肩をそびやかしひじを張った構えをとる意で、いばった態度で人に接したり、気負って何かをしたりするようす。【用例】相手を威圧しようと、肩ひじ張って交渉の場に臨む。
■ 肩身が狭(せま)い
他人に対して引け目を感じているようす。【用例】流行おくれの服で、肩身の狭い思いをした。
■ 肩を怒(いか)らす
肩に力を入れて、ことさらに高く引き上げるようにする意で、誇(ほこ)らしげな、また、相手を威圧(いあつ)するような態度を見せること。 【用例】肩を怒らしてにらみつける。
■ 肩を入れる
本気になって助力や後援(こうえん)をする。「肩入れをする」ともいう。【用例】女優をめざす彼女に肩を入れる。
■ 肩を落とす
力が抜けて肩がたれる意で、ひどく落胆(らくたん)したり気力を失ったりするようす。【用例】不合格の通知に、がっくりと肩を落とす。
■ 肩を貸す
目的を達成させるために応援したり協力したりする。【用例】友人の事業に肩を貸す。
■ 肩を並べる
同じような力や勢いをもつ。【用例】努力したので、A君と肩を並べるほどになった。
■ 肩を持つ
見方をする。ひいきをする。【用例】母はいつも弟の片を持つ。
■ 体が空(あ)く
仕事や用事が終わって暇(ひま)になる。【用例】来週になると体が空くと思う。
■ 体を張る
命がけで事に当たる。【用例】体を張って会社の名誉を守る。
■ 眼中(がんちゅう)にない
まったく気にかけない、問題にしない。心に留(と)めない。【用例】彼女はいま仕事に夢中だから、君のことなど眼中にないよ。
■ 眼(がん)をつける
相手の顔をじっと見ること。おもに相手が自分を見ていたとして、いちゃもんをつけるときの言葉。【用例】お前、いまオレに眼をつけただろ?
■ 眼(がん)をつける
相手の顔をじっと見ること。おもに相手が自分を見ていたとして、いちゃもんをつけるときの言葉。【用例】お前、いまオレに眼をつけただろ?
■ 肝(きも)が小さい
非常に度胸(どきょう)がなく頼りない。【用例】彼のような肝が小さい男に、そんな冒険はできない。
■ 肝が据(す)わる
人が驚くようなことでも、全く動じない人のことのたとえ。【用例】肝が据わった人物。
■ 肝が太(ふと)い
何事にもおじけづいたり慌てふためいたりせず、勇気があり大胆である。図太くて物おじしない。【用例】アイドルは肝が太い子ではないと生き残れない。
■ 肝に銘(めい)じる
忘れないように、深く心にとめておく。【用例】監督の言葉を肝に銘じて、練習に励む。
■ 肝を煎(い)る
①もどかしさなどで、いらいらする。
②世話をすることで、「肝煎り」」ともいう。
■ 肝をつぶす
非常に驚くこと。【用例】急に熊が現れたので、肝をつぶした。【類句】肝がつぶれる。
■ 肝を冷やす
ぞっとする。【用例】大事なものを落としそうになって、肝を冷やした。
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■ 口裏(くちうら)を合わせる
前もって打ち合わせ、お互いの話の内容が食い違わないようにする。【用例】あの二人は、口裏を合わせて、自分たちのミスを隠そうとしている。【類句】口を合わせる。
■ 口がうまい
(心はそうでもないが)ものの言い方がじょうずである。人の気に入るように話す。【用例】彼は口がうまいのでだまされないようにしなさい。
■ 口がうるさい
①他人のすることを、あれこれとうるさくうわさをするようす。
②何かにつけてうるさく小言(こごと)を言うようす。
■ 口が多い
必要以上によくしゃべるようす。【用例】口が多い男はきらいだ。【類句】口数が多い。
■ 口が重い
口数が少なく、あまりものをしゃべらない。【用例】彼の欠点は口が重いことだ。
■ 口が堅(かた)い
言うべきでないことをむやみに他言しない。【用例】彼は口が堅い男だから、信用できる。
■ 口が軽い
べらべらとよくしゃべって、言ってはいけないことまで言う。【用例】口が軽い女と付き合ってはだめだ。
■ 口が過ぎる
言うのを控えた方がいいことや言うべきでないことまで言う。【用例】少し口が過ぎたかもしれない、申し訳ない。
■ 口がすっぱくなる
同じことを何度も教えたり、注意したりするようす。【用例】口がすっぱくなるほど言って聞かせたのに・・・。
■ 口がすべる
言ってはいけないことや言う必要のないことを、うっかりしゃべってしまう。【用例】つい口がすべって、失礼なことを言ってしまった。【類句】口をすべらす。
■ 口が減らない
あれこれと負け惜しみを言うようす。【用例】あいつは口が減らないやつだ。
■ 口が曲がる
恩を受けた人などの悪口を言うと罰(ばち)が当たって口の形がゆがむという意で、そんな悪口は言えないということ。【用例】あんなに世話になったあの方の悪口を言ったら、口が曲がりますよ。
■ 口が悪い
①憎(にく)まれ口をきく。②人をあまりほめない。
■ 口車(くちぐるま)に乗せる
言葉たくみに言いくるめて、相手をだます。 【用例】相手の口車に乗せられて、金をだまし取られた。
■ 口添(くちぞ)えをする
ある人が交渉や依頼をしているときに、それがうまくいくように脇からいろいろと言って助けてやる。【用例】後輩のために口添えをする。
■ 口に合う
飲食物が好みの味である。【用例】この味付けは僕の口に合う。
■ 口にする
①口に出して言う。【用例】そんな下品な言葉を口にするな。
②口に入れて味わう。【用例】お酒を口にする。
■ 口に上(のぼ)る
話題になる。うわさになる。【用例】世間の口にのぼる。
■ 口を利(き)く
両者の間に立って関係がうまくいくように取り計らう。【用例】こんないい土地が買えたのは、友達が地主を知っていて口を利いてくれたからだ。
■ 口を切る
①まだ開けていない樽(たる)のふたやビンの栓(せん)などを開ける。
②大勢の中でまず最初に発言する。【用例】沈黙を破って彼が口を切った。
■ 口をそろえる
みんなが同じことを言う。【用例】その意見に、みんな口をそろえて賛成した。
■ 口を出す
他の人が話しているところに、脇から自分の意見などを差しはさむ。【用例】いちいち口を出さないでくれ。
■ 口をとがらせる
不服そうな顔をする。【用例】むっとして口をとがらせる。
■ 口を閉ざす
ある事柄について、尋(たず)ねられても言わずにいる。【用例】あの出来事があって以来、彼は口を閉ざしたままだ。
■ 口をぬぐう
悪いことをしていながら、そ知らぬふりをしている。【用例】こんなにうわさが広まっていては、いつまでも口をぬぐっていられない。
■ 口をはさむ
他人同士の話や相手の話の途中に割り込んで何かを言う。【用例】いちいち口をはさまないでほしい。
■ 口を封(ふう)じる
自分にとって都合の悪いことなどを相手に言わせないようにする。【用例】反対派の口を封じる。
■ 口を割る
隠していたことを、仕方なしに話す。【用例】犯人がついに口を割った。
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■ 首がつながる
免職(めんしょく)されたり解雇(かいこ)されたりせずにすむ。【用例】定年が延び、危うく首がつながった。
■ 首が飛ぶ
失敗をおかすなどして、免職になったり解雇されたりする。【用例】そんなことをしたら、首が飛ぶぞ。
■ 首が回らない
お金などがなくて、やりくりがつかなくなるようす。【用例】借金でどうにも首が回らない。
■ 首にする
免職にする。また、解雇する。【用例】勤務状態の悪い者を首にする。
■ 首根っこを押さえる
相手の弱みなどを押さえ、有無を言わせないようにする。【用例】証拠書類を見つけられ、首根っこを押さえられては、どうしようもない。
■ 首をかしげる
不思議に思ったり疑問に思ったりして、考え込むような動作をする。【用例】私の説明に、彼は首をかしげていた。
■ 首を切る
その組織に不必要な、または好ましくない者として解雇(かいこ)する。【用例】反対者の首を切る。
■ 首をすげ替える
今までその地位・職にあった人をやめさせ、代わりに他の人を就(つ)かせる。【用例】首相が大臣の首をすげ替える。
■ 首をそろえる
何かをするために、関係者がみなそこに集まる。【用例】事件の関係者が一堂に首をそろえる。
■ 首を突っ込む
自分からそのことに関係する。【用例】政治に首を突っ込んで、家業をおろそかにする。
■ 首を長くする
今か今かと待ちわびる。【用例】弟は懸賞に当たって、賞品が着くのを首を長くして待っている。
■ 首をひねる
わからなくて考える。思案する。【用例】原因不明の奇病に、医者も首をひねっている。
■ 声が弾(はず)む
高く勢いづいて、いかにもうれしさを隠(かく)しきれないような声の調子になる。【用例】大学受験に合格したことを知らせる息子の電話は、声が弾んでいた。
■ 声を落とす
あまりに大声にならないように、声の調子を下げる。【用例】彼の話になると、みんな声を落とした。
■ 声を殺す
他人に聞こえないよう小声で話す。【用例】あの二人はさっきから声を殺して何事か密談している。
■ 声を絞(しぼ)る
出ない声を無理に出す。また、声を小さくする。【用例】病人は苦しい息の下から声を絞って語った。
■ 声を呑(の)む
強い感動や驚き、悲しみのために声が出なくなる。【用例】あまりの美しさに、一同は声を呑んだ。
■ 声を潜(ひそ)める
周囲の人に聞こえないように小声で話す。【用例】声を潜めて良からぬ相談をする。
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■ 小首をかしげる
首をちょっと傾けて考えるかっこうをする意で、疑問に思って考えているようす。 【用例】この絵のどこがいいのだろうと、彼も小首をかしげて見ていた。【類句】首をかしげる。
■ 心が通う
互いに理解し合って気持ちが通じ合う。【用例】心が通うおつきあい。
■ 心が弾(はず)む
うれしさやあふれる希望のために心が浮き浮きする。【用例】心が弾むような音楽。
■ 心にかける
心にとめて心配する。【用例】いつも心にかけてくれてありがとう。
■ 心に刻(きざ)む
忘れないようにする。よく覚えておく。【用例】父の励ましの言葉を心に刻んで故郷を出る。
■ 心に留(と)める
大切なこととして、忘れてしまわないようにする。【用例】彼の言葉を心に留める。
■ 心に残る
何かから強い印象を受け、いつまでも忘れられずにいる。【用例】彼女の寂しそうな顔が今も心に残っている。
■ 心にもない
口で言うだけで、実際にはそう思っていない。【用例】心にもないことを言って人を喜ばせる。
■ 心行くまで
十分に満足し、思い残すことがなくなるまで何かをするようす。【用例】友人と連れ立って、心行くまで秋の北海道を楽しんだ。
■ 心を痛める
うまい解決や処理の方法が見いだせずに、あれこれ悩(なや)む。【用例】息子の勉強嫌いに心を痛めている。
■ 心を入れ替える
今までの好ましくない態度を改める。【用例】今日から心を入れ替えて勉強します。
■ 心を打つ
接する人を感動させる。【用例】久々に人の心を打つ話を聞くことができた。
■ 心を鬼にする
かわいそうだと思いながら、同情を示すことはその人のためにならないと考えて、わざと冷淡(れいたん)な態度をとる。【用例】心を鬼にして友人に金を貸すことを断る。
■ 心を傾(かたむ)ける
強い関心や情熱を抱き、一心にそのことに当たる。【用例】日夜会社の再建に心を傾ける。
■ 心を砕(くだ)く
あれこれと気を使って、心配する。【用例】初心者にも理解しやすいように、特に表現には心を砕いた。
■ 心を汲(く)む
人の気持ちを察する。【用例】親の心を汲んで、アメリカ留学をあきらめた。
■ 心を惹(ひ)かれる
そのことに心が向き、もっと深く接したいという気持ちになる。【用例】人柄のよさに心が惹かれる。
■ 心を許す
警戒心(けいかいしん)などを持たずに、心から親しみを持つ。【用例】彼とは心を許して話し合える。
■ 心を寄せる
ある人に好意や愛情を抱く。【用例】あの人が、息子が心を寄せている女性だ、
■ 腰が重い
気軽に行動を起こそうとしないようす。【用例】あの人は腰が重くて、なかなか会長を引き受けてくれなかった。
■ 腰が据(す)わる
しっかりと安定したようす。また、他のことに気をとられることなく物事に専念するさま。【用例】彼は次から次へと職を替えて、まったく腰が据わらない。
■ 腰が低い
ていねいでへりくだったようす。【用例】彼は肩書の割には腰の低い人だ。
■ 腰が弱い
いくじがない。粘(ねば)りがない。【用例】そんな腰が弱いことではだめだ。
■ 腰を入れる
本気になって物事をする。【用例】もっと腰を入れて練習しろ。
■ 腰を落ち着ける
そこに落ち着いて居続けるつもりで一か所に身を置く。【用例】少しは腰を落ち着けて仕事に取り組んだらどうだ。
■ 腰を折(お)る
途中でじゃまをする。【用例】人の話の腰を折ることはよくない。
■ 腰を据(す)える
落ち着いて一つの物事を行う。また、一か所に落ち着いて何かを行う。【用例】大阪に腰を据えてもう二十年になる。
■ 腰を抜(ぬ)かす
非常に驚いて気力を失う。【用例】あまりの恐ろしさに腰を抜かした。
■ 小鼻をうごめかす
いかにも得意(とくい)そうにしているようす。「小鼻」は鼻の先の左右のふくらんだ部分。【用例】大企業に内定が決まった彼は、小鼻をうごめかして友人たちに自慢していた。
■ 小鼻をふくらます
いかにも不満なようす。【用例】小鼻をふくらまして文句を言う。
■ 小耳にはさむ
ちらりと聞く。【用例】こんな話を小耳にはさんだのですが、ご存知ですか。
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