■ 股(また)に掛(か)ける
広く各地を歩き回る。各地を飛び歩く。【用例】世界を股に掛けて活躍する。
■ 眉(まゆ)に唾(つば)をつける
だまされないように十分用心する。【用例】あの人の話は、眉に唾をつけて聞かないと危ないよ。
■ 眉をひそめる
いやなことや心配事のために、眉間(みけん)にしわを寄せること。【用例】食事中にげっぷをしたら、みんなが眉をひそめた。【類句】顔をしかめる。
■ 眉を寄せる
不快なことがあって、気難しい表情を示す。【用例】何か心配事でもあるのか、彼は眉を寄せて考え込んでいる。
■ 身が軽い
① 体の動きが軽やかなさま。
② 家や財産、家族など、自分が守らなくてはならないものがない。
■ 身が入る
真剣(しんけん)になる。【用例】子供の病気が気になって、仕事に身が入らない。
■ 身が持たない
体力の限界を越える。健康を維持できない。【用例】徹夜続きで身が持たない。
■ 身から出た錆(さび)
(刀の錆は刀身から生じるところから)自分が悪いことをした結果として自分自身が苦しむこと。自業自得。【用例】こんなみじめな暮らしも、身から出た錆だからしかたがない。
■ 見た目がいい
その内容や機能はともかくとして、外から見た感じがいいこと。【用例】この服は見た目はいいが、着心地がよくない。
■ 身に余る
自分には十分すぎてもったいないほどすばらしいこと。【用例】身に余る光栄。
■ 身に覚えがある
確かにそのようなことをしたという記憶(きおく)がある。【用例】言われてみれば身に覚えがある。
■ 身に染(し)みる
何かを体験して、ある感情が心に深くきざまれる。【用例】親のありがたさが身に染みる。
■ 身につまされる
他人の気の毒な境遇(きょうぐう)が、自分自身の経験に照らし合わせ、人ごとでなく思われる。【用例】彼の苦労話は身につまされる。
■ 身になる
① 心身のためになる。【用例】経験が身になる。
② その人の立場になって考える。【用例】親の身になって心配する。
■ 身の置き所がない
厳(きび)しい非難(ひなん)を受けたりして、耐えがたい思いをする。【用例】あまりの恥ずかしさで、身の置き所がない。
■ 身の毛がよだつ
体の毛がさかだつほど恐ろしい。【用例】身の毛がよだつような恐ろしい事件。
■ 身の程(ほど)を知らない
自分の身分や能力の程度をわきまえず、それ以上のことを望んだりしようとしたりするようす。「身の程知らず」とも。【用例】二、三度勝っただけで次はチャンピオンに挑戦しようとは、身の程を知らないのもはなはだしい。
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■ 耳が痛い
人の言うことが、自分の弱点や欠点に触(ふ)れているようで、聞くのがつらいようす。【用例】君の忠告は耳が痛い。
■ 耳が汚(けが)れる
不愉快な話を聞かされて、腹立たしくなる。【用例】人の悪口ばかり聞かされて、耳が汚れる思いがする。
■ 耳が早い
物事を人より早く聞きつける。【用例】もう知っているとは、君は耳が早いな。
■ 耳に入れる
聞かせる。知らせる。【用例】ちょっと耳に入れたいことがあるんですが。
■ 耳にする
あることを偶然ぐうぜん)に聞く。【用例】よくないうわさを耳にした。
■ 耳にたこができる
同じことを何度も聞かされていやになる。【用例】その話は耳にたこができるほど聞かされた。
■ 耳につく
① 同じことを何度も聞かされて、聞き飽(あ)きる。【用例】あの話もいいかげん耳についてきた。
② 声や物音がいつまでも耳に残っている。【用例】風の音が耳について眠れない。
■ 耳に入る
聞こえる。うわさや情報などが、聞こうと思ったわけではないが、自然に聞こえてくる。【用例】隣の席の会話が、ふと耳に入る。
■ 耳にはさむ
ちらっと聞く。【用例】うわさを耳にはさむ。
■ 耳を疑(うたが)う
思いがけないことを聞かされて、すぐには信じられないこと。【用例】突然の吉報に、自分の耳を疑った。
■ 耳を貸す
相手の話をまじめに聞いてやる。【用例】友達の話に耳を貸す。
■ 耳をかたむける
興味をもって熱心に聞く。【用例】クラシック音楽に耳を傾ける。
■ 耳を澄(す)ます
心を落ち着けて、じっと聞く。【用例】耳を澄まして鳥の声を聞く。
■ 耳をそろえる
お金や物を全部そろえる。【用例】耳をそろえて借金を返済する。
■ 身も蓋(ふた)もない
表現が露骨(ろこつ)すぎて、味わいも含みもない。【用例】そう言っては身も蓋もない。
■ 見る目がある
何かを的確に判断したり評価したりする能力がある。【用例】彼は人を見る目がある。【反対語】見る目が無い。
■ 身を誤(あやま)る
間違った生き方や行動をする。人生をふみはずす。【用例】酒で身を誤る。
■ 身を入れる
心をこめて、熱心にする。【用例】もっと仕事に身を入れろ。
■ 身を落とす
おちぶれる。【用例】泥棒に身を落とす。
■ 身を固(かた)める
① 結婚して家庭を持つ。【用例】そろそろ君も身を固めてはどうかね。
② しっかりと身じたくをする。【用例】防護服に身を固める。
■ 身を焦(こ)がす
まるで焼かれて身もだえするように、人を好きになって思い悩む。【用例】かなわぬ恋に身を焦がす。
■ 身を粉(こ)にする
骨惜しみをしないで一生懸命仕事をする。【用例】会社再建のため、身を粉にして働く。
■ 身を立てる
自分がついた職業で生活ができるようになる。また、よい業績をあげて社会に認められる。【用例】落語家として身を立てる。
■ 身をやつす
① 身がやせ細るほど、一つのことに熱中すること。【用例】かなわぬ恋に身をやつす。。
② 身なりを変え、みすぼらしく目立たない姿になること。【用例】百姓姿に身をやつす。
■ 身を寄せる
他人の家に同居させてもらい、世話を受ける。【用例】叔父の家に身を寄せる。
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■ 胸(むな)くそが悪い
不愉快(ふゆかい)だという気持ち。「胸くそ」は胸をいやしめた言い方。【用例】あいつのことを思い出すだけで胸くそが悪くなる。
■ 胸騒(むなさわ)ぎがする
とくに根拠(こんきょ)はないが、よくないことが起こったのではないかと急に不安になること。悪い予感がすること。
■ 胸が痛む
哀(あわ)れみ、悲しみなどで苦しい思いをする。【用例】戦争の報道に胸が痛む。
■ 胸がいっぱいになる
感動がこみあげてきて、他のことがわからなくなるさま。【用例】天皇陛下の慈悲深いお言葉に胸がいっぱいになった。
■ 胸が踊(おど)る
わくわくする。【用例】旅行のことを考えると胸が躍る。
■ 胸が裂(さ)ける
ひどい悲しみ、嘆(なげ)きの形容。「胸が張り裂ける」という言い方もある。
■ 胸が騒ぐ
悪い予感がして落ち着かない。胸騒ぎがする。【用例】身を案じて胸が騒ぐ。
■ 胸がすく
快いことなどがあって、胸のつかえが取れ、すっとする。【用例】胸がすく逆転満塁ホームラン。
■ 胸がつかえる
① 食べたものが胸のあたりで止まってしまった感じがすること。
② ひどい悲しみや不安で胸がふさがったようになる。
■ 胸がつぶれる
心配や悲しみで、ひどく苦しむ。【用例】悲惨な光景に胸がつぶれる思いだ。【類句】胸が塞(ふさ)がる。胸が詰(つ)まる。
■ 胸に納(おさ)める
見聞きしたことや感じたことを誰にも言わずにおく。【用例】今の話は君の胸に納めておいてほしい。【類句】胸に畳(たた)む。
■ 胸に聞く
自分の行動などをふりかえって、よく考え直してみること。【用例】どうしてうまくいかなかったのか、自分の胸によく聞いてみろ。
■ 胸に刻(きざ)む
しっかりと記憶にとどめて、忘れまいとする。【用例】恩師の言葉をしっかり胸に刻む。
■ 胸に迫(せま)る
胸が締(し)めつけられるような強い感動を受ける。【用例】万感胸に迫る。
■ 胸に秘(ひ)める
誰(だれ)にも言わずに、自分の心に大事にしまっておく。【用例】胸に秘めた恋。
■ 胸を熱くする/胸が熱くなる
強く感動させられる。【用例】ラストシーンで胸が熱くなる。【類句】胸を打つ。心を打つ。
■ 胸を躍(おど)らせる
喜びや期待感に満ちあふれ、じっとしていられない気分になる。【用例】近づいた修学旅行に胸を躍らせる。
■ 胸を借りる
実力のある人にけいこの相手をしてもらう。【用例】胸を借りるつもりで戦う。
■ 胸をなでおろす
安心する。【用例】ピンチを脱して胸をなでおろした。
■ 胸をふくらませる
心が楽しさでいっぱいになる。【用例】中学への入学で胸をふくらませる。
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■ 目顔(めがお)で知らせる
相手に気づかれないように、他の者に、黙(だま)ったまま顔の表情で意思を伝える。【用例】目顔でそれとなく知らせる。
■ 目が利(き)く
本物か偽物(にせもの)か、いい物か悪い物かなどの区別がすぐつく。【用例】彼は、絵画の鑑定に目が利く。
■ 目がくらむ
① めまいがする。
② 心を奪(うば)われて正しく物事を判断できなくなる。【用例】金に目がくらむ。
■ 目が肥(こ)える
いいものを見慣れていて、見分ける力がつく。【用例】多くの美術品を見続けてきたから、目が肥えてきた。
■ 目が覚(さ)める
① 眠りから覚める。
② 迷(まよ)いが解けて、本心に立ち返る。【用例】ひどい目にあって、やっと目が覚めた。
■ 目頭(めがしら)が熱くなる
心を打たれて、目に涙が浮(う)かんでくる。【用例】感動的なシーンに、思わず目頭が熱くなった。
■ 目が高い
よい悪いを見分ける力が優(すぐ)れている。【用例】彼は絵に関しては目が高い。
■ 目が出る
さいころを振って良い目がでることから、幸運が巡ってくること。【用例】努力しているのに、いっこうに目が出ない。
■ 目が届(とど)く
注意が行き届く。【用例】親の目の届かない所でいたずらをする。
■ 目がない
とても好きである。【用例】彼女は、あまいものに目がない。
■ 目が離せない
あぶなくて注意を怠(おこた)ることができない。注目して他をみることができない。
■ 目が回る
非常に忙(いそが)しいようす。【用例】目が回るほどの忙しさ。
■ 目からうろこが落ちる
何かのきっかけで真実が理解できる。【用例】彼の話を聞いて、目からうろこが落ちる思いがした。
■ 目から鼻へ抜ける
判断力が優(すぐ)れ、物事にすばやく反応できる。【用例】彼は目から鼻へ抜けるような才人だ。
■ 目から火が出る
非常に痛みを感じたときのようす。【用例】棚に頭をぶつけて目から火が出た。
■ 目くじらを立てる
目のはじをつり上げて、他人のあらさがしをする。ささいなことにむきになる。【用例】目くじらを立てるほどのことではない。
■ 目先が利(き)く
先を見通すことができ、気転のきいた行動がとれる。【用例】目先が利かないと相場は張れない。【類句】目端が利く。
■ 目先を変える
今までの見方や方針をちょっと変えて、新しい雰囲気(ふんいき)をつくること。【用例】社名を新しくしたが、目先を変えただけで、会社の体質は変わっていない。
■ 目じゃない
問題にするに値しない。何かを軽蔑(けいべつ)して無視する気持を表す言葉。【用例】あんな敵なんか、目じゃない。
■ 目尻(めじり)を下げる
うれしいときの表情の形容。美しい女性に見とれている男をさす場合もある。【用例】孫のしぐさに目尻を下げる。
■ 目と鼻の先
距離が非常に近い様子。【用例】自宅は学校と目と鼻の先にある。
■ 目に余る
ひどすぎて見ていられない。【用例】君の行動は目に余る。
■ 目に浮かぶ
過去に見た光景や出来事(できごと)が頭によみがえること。または、何かを想像すること。【用例】娘の花嫁姿が目に浮かぶ。
■ 目に角(かど)を立てる
目をつりあげて怒る。ひどく怒ってにらみつける。【用例】目に角を立てるほどのことでもない。
■ 目につく
目立って見える。【用例】赤いリボンが目につく。
■ 目に触(ふ)れる
目に見えること。視野(しや)にあること。【用例】子供の目に触れないようにする。
■ 目に見えて
何かの変化が目ではっきりとらえられるようす。【用例】目に見えて大きくなった。
■ 目に物見せる
こらしめのために、ひどい目にあわせる。【用例】あいつめ、いつか目に物見せてやる。
■ 目の色を変える
驚いたり、怒ったり、夢中になったりして、目つきを変える。【用例】目の色を変えて課題に取り組む。
■ 目の上のこぶ
自分より力も地位も上にある者が、何かと自分の行動にとってじゃまになること。地位などに関係なく、単に自分のじゃまになる人をさす場合もある。【用例】口うるさい部長は、課長にとって目の上のこぶだ。
■ 目の薬(くすり)
それを見ることによって、楽しい気分になったり、なぐさめられたりするもの。【反対語】目の毒(どく)。
■ 目のつけどころ
大事な点や、とくに注意するところ。【用例】目のつけどころがシャープでしょ。
■ 目の毒(どく)/目に毒
見ると害になるもの。見ると欲しくなるもの。【用例】薄暗がりで本を読むのは目の毒だ。/あの宝石は妻には目の毒だ。
■ 目の中に入れても痛くない
とてもかわいがる。【用例】娘のことは目の中に入れても痛くないほどかわいがる。
■ 目鼻(めはな)がつく
今後のなりゆきや結果についての見通しが立つ。【用例】工事完成の目鼻がつく。
■ 目星(めぼし)をつける
だいたいの見当をつける。【用例】目星をつけて当たってみる。
■ 目も当てられない
あまりにもひどい状態で、まともに見られない。【用例】今度の試験は悪すぎて、目も当てられない。
■ 目もあやに
目が開けられないほどまばゆく、美しいようす。【用例】金閣が朝日に照らされて、目もあやに美しく輝いている。
■ 目もくれない
見向きもしない。【用例】彼は仕事以外には目もくれない。
■ 目を欺(あざむ)く
相手に錯覚(さっかく)を起こさせて、だますこと。【用例】迷彩服を着て、敵の目を欺く。
■ 目を疑(うたが)う
意外なことに驚く。不思議(ふしぎ)に思う。【用例】あまりの変わりように目を疑った。
■ 目を奪(うば)う
思わず見とれさせるほど強い印象を与える。【用例】あまりの見事さに目を奪われた。
■ 目をかける
かわいがって、面倒を見る。【用例】前の上司には目をかけてもらった。
■ 目を皿(さら)のようにする
目を大きく見開いて、何かをよく見ようとするようす。【用例】目を皿のようにして探し回る。
■ 目を三角にする
怒って険(けわ)しい目つきをする。【用例】目を三角にして𠮟りつける。
■ 目を白黒させる
目の玉を激(はげ)しく動かす意で、苦しがっている時やひどく驚いた時のようす。【用例】餅がのどにつかえて目を白黒させる。
■ 目をつける
何かに関心を抱いたり、ねらいをつけたりして、注意を払(はら)うこと。【用例】騒いで先生に目をつけられる。
■ 目をつぶる
過失や欠点に気がついても、見て見ぬふりをして非難しない。【用例】はじめのうちのミスには目をつぶろう。
■ 目をぬすむ
人に見られないようにこっそりとする。【用例】人の目をぬすんで、いたずらをする。
■ 目を引く
人の注意をひきつける。【用例】彼女の服装はとても目を引く。
■ 目をつぶる
過失などを見て見ぬふりをする。【用例】これくらいの失敗には目をつぶってやろう。【類句】目を塞(ふさ)ぐ。
■ 目を細める
喜んだり、まぶしがったりする。【用例】息子のたくましい成長ぶりに目を細める。
■ 目を丸くする
おどろいたり、感心したりする。【用例】あまりのおいしさに目を丸くする。
■ 目を見張る
目を大きく見開く意で、すばらしいものなどを見て驚くようす。【用例】風景のあまりの美しさに、思わず目を見張った。
■ 目をむく
目を大きく開く意で、怒って相手をにらみつける。【用例】暴言に目をむく。
■ 目を養う
良し悪しを判断する力をつける。【用例】人を見る目を養う。
■ 指をくわえる
うらやましくても、何もできず、ただ眺(なが)めている。【用例】仲間の成功を指をくわえて見ている。
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