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ことわざ集

→ あ行/か行さ行た行な行は行ま行や行ら行~

 ことわざ集

あ行

愛多ければ憎(にく)しみ至(いた)る

人から愛されかわいがられることが多ければ、必ず人から憎まれるようになる。

挨拶(あいさつ)は時の氏神(うじがみ)

ここでの「挨拶」は仲裁(ちゅうさい)の意。けんかや争いの仲裁を買って出てくれる人は、その場にとって氏神さまのようにありがたい存在である。 類:仲裁は時の氏神

相手変われど主(ぬし)変わらず

相手は次々に変わっても、こちらはいつも変わらず、同じことを何度も繰り返すこと。

青菜(あおな)に塩

急に元気をなくして、しょんぼりするようす。

青は藍(あい)より出(い)でて藍より青し

教えを受けた弟子(でし)が先生よりもすぐれた人になるたとえ。青色の染料(せんりょう)は藍という草の葉から取ったものだが、もとの藍の葉よりも美しい色をしている、という意。「出藍(しゅつらん)の誉(ほま)れ」という語は、これに基づく。

空き樽(だる)は音が高い

よくしゃべる人には考えの浅(あさ)い人が多いたとえ。中味のないからっぽの樽をたたくと高い音をたてることからいう。類:浅瀬に仇波

商(あきな)いは牛のよだれ

商売は牛のよだれのように、細く長く、わずかな利益を積み重ねていくべきだ。

秋茄子(あきなす)は嫁(よめ)に食わすな

有名なことわざで、色々な意味が言われている。ナスはとても美味(おい)しいので嫁には食べさせない、という意味や秋ナスは種(たね)が無いので嫁に子供が出来ないことを気づかう、という意味など。でも本命(ほんめい)は、ナスは体を冷やすので食べ過ぎると良くないという意味。

秋の扇(おうぎ)

愛情が薄らいで捨てられた女性のたとえ。夏の間、大切にされた扇も、涼(すず)しい秋が来ると片づけられて顧(かえり)みられなくなる意。

秋の日はつるべ落とし

秋はすぐに日が落ちて暗くなることを井戸(いど)のツルベにたとえていった言葉。ツルベとは井戸で水をくむときに使う、ひものついたバケツのこと。

悪事(あくじ)千里を走る

悪いうわさはたちまちの間に遠くまで知れ渡(わた)るということ。

悪女(あくじょ)の深情け

醜(みにく)い女は美しい女に比べて愛情や嫉妬(しっと)心が強い。転じて、ありがた迷惑(めいわく)。

悪銭(あくせん)身につかず

不正な手段で得た金は、つまらないことに使ってしまうからすぐなくなる。

浅い川も深く渡(わた)れ

浅い川であってもゆだんせず、用心して渡れ。何事も注意深くやれ。

朝起きは三文の徳(とく)

朝早く起きると、人より先に仕事ができるから、何かとよいことがある。「早起きは三文の徳」とも言う。

浅瀬(あさせ)に仇波(あだなみ)

浅瀬には波が立ち、深いところには波が立たない。考えが浅い者ほど、よくしゃべる。

麻(あさ)の中の蓬(よもぎ)

麻はまっすぐに伸(の)びるから、曲がりやすいよもぎもその中に生えれば、自然にまっすぐ伸びるようになる。善良な友人と交われば、その感化で自然に善人になる。

朝(あした)に夕べを謀(はか)らず

朝には夕刻のことまで考えない。長い先のことは考えない。

足下(あしもと)から鳥が立つ

突然、身近なところに意外な事件が起こるたとえ。

足下(あしもと)に火がつく

危険や災難(さいなん)が身に迫(せま)るたとえ。

足下(あしもと)を見られる

弱点を見抜かれてつけ込まれる。弱みをにぎられる。

明日の百より今日の五十

明日になればくれるという百文の銭(ぜに)より、今日くれる五十文のほうがありがたい。わずかであっても、差し迫(せま)っている今、もらうほうがよい。

足を知らずして履(くつ)をつくる

人の足の大きさには大差ないので、いちいち足の大きさを知らなくてもくつを作ることはできる。同じ種類のものは性質も同じということ。

仇花(あだばな)に実は成らぬ

雄花(おばな)に実は成らない。着実性を欠く計画は成功しない。見かけがよくても真の値打ちのないものは、立派(りっぱ)な成果を上げることはできない、という意。

頭隠して尻(しり)隠(かく)さず

悪事や欠点を、自分では完全に隠したつもりでいても、その一部分が現れているのを知らないでいること。キジは、首を草むらの中に隠しさえすれば、尾が丸見えでも平気でいることからいう。

頭の上の蠅(はえ)を追え

とかく人の世話をやきたいものだが、それよりもまず自分のことをしっかり始末せよということ。

圧巻(あっかん)

書物や催(もよお)し物、あるいは広く物事などの中で、最もすぐれている部分をいう。

暑さ寒さも彼岸(ひがん)まで

暑さも秋の彼岸になれば衰(おとろ)え、寒さも春の彼岸になれば薄(うす)らぎ、やがて穏(おだ)やかな気候になる。

羹(あつもの)に懲(こ)りて膾(なます)を吹く

一度失敗したのに懲りて、用心しすぎるたとえ。あつものは肉や野菜を煮(に)た汁物(しるもの)。

後足で砂をかける

世話になった人の恩を裏切るだけでなく、去りぎわにさらに迷惑(めいわく)をかけること。

後(あと)の祭り

祭の済んだ翌日。時期が遅(おく)れてしまって、後悔(こうかい)しても間に合わない。時期を失すること、手遅れの意。

後(あと)は野となれ山となれ

目の前のことさえ片づけば、後はどうなってもかまわない。

痘痕(あばた)もえくぼ

自分が愛している者については、みにくいあばたもかわいいえくぼに見えるように、欠点でも美点に見えるものだ。類:惚れた欲目

危ない橋を渡(わた)る

危険なやり方で仕事をすること。法律や規則に触(ふ)れるか触れないかのすれすれで事をなす場合などにいう。

虻蜂(あぶはち)取らず

虻と蜂の両方を捕(つか)まえようとして、両方とも捕まえられない。二つの物を両方とも得ようとして、どちらも取り逃がすこと。欲張りすぎて損をする意。類:二兎を追う者は一兎をも得ず

雨だれ石を穿(うが)つ

軒(のき)から落ちる雨だれも、長い間には石に穴をあけることができる。どんなに弱いものでも根気よくやれば成功する。 類:念力岩をも通す

油に水

たがいにしっくりしないこと。性質がちがうためにうまくとけあわないこと。

雨降って地固まる

雨が降ったことによって地盤(じばん)が固まり、土地が固くなる。ごたごたが起こったことによって、かえってそのあとが安定した状態となってうまくいく。

過(あやま)ちて改むるに憚(はばか)ることなかれ

自分の間違いに気づいたら、躊躇(ちゅうちょ)することなくすぐに改めるほうがよい。

蟻(あり)の穴から堤(つつみ)も崩(くず)れる

堅固(けんこ)な堤も、蟻があける小さな穴がもとで崩(くず)れる。ほんの小さな欠陥(けっかん)を見逃したために、取り返しのつかない結果となる。ごくわずかな手抜かりから大事が起こるたとえ。

慌(あわ)てる乞食(こじき)は貰(もら)いが少ない

あわてることは失敗のもとである。

アワビの片思い

アワビの貝殻(かいがら)は1枚だけに見えることから、片思いのことを言う。類:磯のあわびの片思い

案ずるより生むが易(やす)し

あれこれ悩(なや)んで心配したことも、やってみたら案外と簡単にできる。

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言いたい事は明日言え

言いたい事があってもちょっと待って、ゆっくり考えてから言いなさいということ。

言うは易し行うは難(かた)し

口で言うだけならだれにでもできるが、それを実行するのは難しい。

家貧しくして孝子(こうし)あらわる

恵(めぐ)まれた家庭では子供の親孝行は目につかないが、貧乏(びんぼう)だとはっきりとわかる。

生き馬の目を抜く

他人を出し抜いて、すばしこく利益を得ることのたとえ。

石が流れて木の葉が沈む

物事が逆になっているたとえ。類:西から日が出る

石に灸(きゅう)

石に灸をすえるように、何の効(き)き目もないこと。類:泥にやいと・蛙の面に水

石に漱(くちすす)ぎ流れに枕(まくら)す

負け惜(お)しみの強いこと。中国・晋(しん)の孫楚(そんそ)が、「石に枕し流れに漱ぐ」と言おうとして「石に漱ぎ流れに枕す」と言い間違えたのをとがめられて、石に漱ぐのは歯を磨(みが)くためで、流れに枕するのは耳を洗(あら)うためであると、うまく言い逃(のが)れた故事による。夏目漱石のペンネームはこれから取ったもの。

石の上にも三年

冷たい石の上にも、三年すわり続ければあたたかくなる。つらくてもがまんして続ければ、必ず成功する。

石橋を叩(たた)いて渡(わた)る

堅固(けんご)な石の橋でさえ、たたいて安全を確かめてから渡る。用心に用心を重ねること。

医者の不養生(ふようじょう)

医者は、立場的に患者(かんじゃ)に養生を言っていても自分の体を大事にしないことから、立派なことを言っていても行動が伴(ともな)っていないこと。類:紺屋の白袴・坊主の不信心

衣食(いしょく)足りて礼節(れいせつ)を知る

生活が豊かになると、人は自然に礼節をわきまえるようになる。

いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)

どっちがアヤメでどっちがカキツバタか区別がつかない。どちらもよくて選ぶのに苦労するたとえ。

急がば回れ

急ぐ時には危険な近道を通るよりも、遠くても安全な道を回るほうが、結局は早く目的地に着く。 類:急いては事を仕損じる

一事が万事

一つの事を見れば他のすべてを推(お)しはかることができる。あまりよくない一面を見て、他の面も同じように悪いはずであると推察(すいさつ)するときによく使う言葉。

一日(いちじつ)の長

他の人よりも、能力が少しだけまさっていること。

一姫二太郎(いちひめにたろう)

子供を持つなら、最初に女で二番目に男であるのが、育てやすくて理想的な順序である。

一目(いちもく)置く

相手が自分よりまさっているとして敬意を払う。優れた者が相手に対して一歩を譲る。囲碁(いご)で実力の劣(おと)る者が、何目(なんもく)かの石を先に盤上(ばんじょう)に置くことから出た語。

一を聞いて十を知る

少しのことを聞いただけで、その全部がわかってしまうほど賢いようす。 類:目から鼻にぬける

一挙手一投足(いっきょしゅいっとうそく)

わずかの骨折り。少しの労力。一度手を挙(あ)げ、一度足を動かす、という意。

一炊(いっすい)の夢

人生の栄枯盛衰(えいこせいすい)のはかなさのたとえ。
唐の盧生(ろせい)という青年が道士に枕(まくら)を借りて仮寝(かりね)をし、栄華(えいが)を極めた生涯の夢を見たが、目が覚めると、宿の者が炊(た)いていた飯がまだ炊き上がっていなかったほどに短い時間だったという故事。

一寸(いっすん)先は闇(やみ)

未来のことは、何が起きるか全くわからないということ。

一寸の虫にも五分(ごぶ)の魂(たましい)

どんなに小さく弱いものにも、それ相応のたましいがあるから、あなどってはいけない。

犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ

犬は三日飼っただけで、三年もその人の恩を忘れない。まして人間は生涯恩を忘れないのが当然だ。

犬も歩けば棒(ぼう)に当たる

外を歩いていると、思いがけぬことに出会う。

命長ければ恥(はじ)多し

あまり長生きをすると、恥をさらすことも多くなる。

井の中の蛙(かわず)大海を知らず

井戸の中に住むカエルは、その井戸のほかに大きい海があることを知らないでいる。自分のまわりの、ごく限られた範囲(はんい)のことしか考えない、見聞(けんぶん)のせまいこと。

韋編(いへん)三たび断(た)つ

孔子(こうし)は、本の皮ひもが三度もすり切れるほど「易経(えききょう)」を熟読(じゅくどく)したという故事から、読書に熱中すること。

入り鉄砲(でっぽう)に出女(でおんな)

徳川幕府時代、諸大名のむほんを防ぐために関所をおいて、江戸に鉄砲が入ることと大名の人質である女性たちが江戸から出ることを禁止した言葉。

入(い)るを量(はか)りて出(い)ずるをなす

収入額をよく計算して、それに応じた支出をなすこと。

鰯(いわし)の頭も信心(しんじん)から

イワシの頭のようにつまらないものでも、信じてしまうとありがたく思われる。

言わぬが花

口に出して言わないほうが、かえってよい。類:沈黙は金

夷(い)を以(もっ)て夷を制す

外国の力を利用して他国を制圧すること。

殷(いん)鑑(かん)遠からず

殷の国が鑑(かがみ)とするものは遠い国に求めなくても前代の夏(か)にあるという意味で、戒(いまし)めとする前例はすぐ目の前にあることをいう。

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魚心あれば水心

そちらに魚になる心があれば、こちらもあなたが住みよい水になる心をもってもよい。何事も先方の出方次第で、相手が好意を示してくれれば、こちらも好意を示そう、という意。

烏合(うごう)の衆

規律も統一もなく集まっている人々のこと。ここで「烏」とはカラスのことを指す。

雨後の筍(たけのこ)

雨の降った後、筍が勢いよくあちこちに出るように、よく似た物事が次々に現れたり起きたりすること。

牛に引かれて善光寺(ぜんこうじ)参り

善光寺(長野市にある寺)の近くに住んでいた老婆(ろうば)が、さらしていた布を、隣家の牛が角に引っ掛けて走っていくのを追っていくうちに、善光寺に達し、日ごろは不信心だったが、それが縁(えん)で信仰するようになったという話。本心からではなく、他のものに誘(さそ)われてたまたま善いことをする意。

氏(うじ)より育ち

家柄(いえがら)や身分よりも、育てられ方のほうが人格の形成に大切である。

後ろ指を指される

背後から指を指されて非難(ひなん)される。陰で悪口を言われること。

嘘(うそ)から出た真(まこと)

初めは嘘であったことが、偶然(ぐうぜん)に本当のこととなる。

嘘(うそ)も方便(ほうべん)

うそをつくのは悪いことだが、物事を円滑(えんかつ)に運ばせるための手段としては必要なこともある。

うどの大木

体ばかり大きくて役に立たないこと。ウドは高さ2mほどになる多年草(たねんそう)。茎(くき)は太くて大きくなるけれど、食用にも木材にもならない。類:大男総身に知恵が回りかね

鵜(う)の真似(まね)をする烏(からす)

ウは水にもぐって巧たく)みに魚を捕らえるが、もしもカラスがウのまねをして水にもぐって魚を捕ろうとすればきっとおぼれてしまう。自分の能力も考えないで、むやみやたらに人のまねをすると失敗する。

鵜(う)の目 鷹(たか)の目

ウやタカが獲物(えもの)を求めるときのようなするどい目つき。何としてもさがそうと目を配るようす。

牛には乗ってみよ人には添(そ)うてみよ

何事も自分で直接確かめてみるのがよいということ。

馬の背を分ける

夕立などが、ある所で降っているのに、すぐ近くが晴れていたりすること。

馬の耳に念仏

馬が念仏などを聞いても、少しもありがたく感じない。何を言ってもわからず、いっこうに効き目がないこと。「馬耳東風(ばじとうふう)」と同じ。類:猫に小判、ぶたに真珠

生みの親より育ての親

生んでくれた親よりも養い育ててくれた親のほうに、愛情や恩義(おんぎ)を感じるものだ。

瓜(うり)の蔓(つる)に茄子(なす)はならぬ

平凡(へいぼん)な親から非凡(ひぼん)な子は生まれない。血統は争えない意。「鳶(とび)が鷹(たか)を生む」の反対。類:蛙(かえる)の子は蛙

噂(うわさ)をすれば影がさす

人の噂をしていると、その人がちょうどやって来るものである。

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易者(えきしゃ)身の上知らず

自分のこととなると欲(よく)が伴うから、適正な判断ができないことのたとえ。

絵に描(か)いた餅

絵にかいた餅は食べられない。観念的・空想的なものは役に立たない、という意。

海老(えび)で鯛(たい)を釣(つ)る

エビのような小さいもので、タイのような立派で大きな物を手に入れること。わずかな元手で大もうけをすること。

鴛鴦(えんおう)の契(ちぎ)り

鴛鴦はおしどりのことで、夫婦がおしどりのように仲むつまじいことのたとえ。

縁(えん)は異なもの味なもの

男女の縁とはおもしろいもので、常識や理屈(りくつ)では分からない不思議なところがあるということ。

老い木に花

一旦(いったん)弱ったものに再び勢いがつくこと。

老いたる馬は道を忘れず

経験を積んだ人は、物事の方針や判断を誤らない。

老いては子に従え

親は年をとったら、子供の言うとおりに従ったほうがよい。

負うた子に教えられて浅瀬(あさせ)を渡(わた)る

背に負われた子供に、浅いところを教えてもらって川を渡る。賢い者も老練(ろうれん)な者も、時には、愚(おろ)かな者や未熟(みじゅく)な者に教えられることがある、という意。

大男(おおおとこ)総身(そうみ)に知恵(ちえ)が回りかね

体ばかり大きくて愚(おろ)かな男をあざけっていう言葉。

起きて働く果報者(かほうもの)

体がじょうぶで働けるのは幸福であること。

起きて半畳(はんじょう)寝て一畳

どんなにりっぱな家に住んでも、人一人が占める広さは起きているときは半畳あれば足り、寝るときは一畳もあれば足りる。むやみに富貴(ふうき)を望んでもつまらない。

奥歯(おくば)に衣(きぬ)を着せる

事実をはっきり言わずに、思わせぶりな言い方をする。いやみな言い方をする。

驕(おご)る平家は久しからず

栄華(えいが)を極(きわ)め、勝手なふるまいをする者は、長くその地位を保つことはできず滅びてしまう。有頂天(うちょうてん)になっていると、いずれはその座からおろされるということ。

教うるは学ぶの半(なか)ば

人に教えることは、半分は自分の勉強になる。

同じ穴の貉(むじな)

一見、かかわりがないように見えて、本当は仲間であること。狢はタヌキ、またはキツネのこと。

鬼(おに)に金棒(かなぼう)

もともと強いのに、さらに強いものが加わること。 類:弁慶になぎなた

鬼のいぬ間に洗濯(せんたく)

気を使ったり怖(こわ)い人がいない間に、ゆったりとくつろぐこと。

鬼の霍乱(かくらん)

体がじょうぶで、ふだんは病気をしたことがない人が、珍(めずら)しく病気になることのたとえ。

鬼の目にも涙(なみだ)

鬼のように情がなくひどい人でも、時にはやさしい気持ちをもつこともある。

己(おのれ)の欲(ほっ)せざるところは人に施(ほどこ)すことなかれ

自分の嫌(いや)なことは他人だって嫌なのだから、他人にしむけてはいけない。

帯(おび)に短し襷(たすき)に長し

帯には短くて使えず、たすきには長すぎてじゃまになる。中途半端(ちゅうとはんぱ)でどちらの役にも立たないたとえ。

溺(おぼ)れる者は藁(わら)をも掴(つか)む

今にも溺れそうな者は、ワラのような頼りないものでもそれにすがって助かろうとする。危急(ききゅう)の際にはどんなものにも頼るようになる、という意。

思い立ったが吉日(きちじつ)

しようと思い立った日が、それをするのによい日である。思い立ったらすぐにやるのがよい。

親思う心にまさる親心

子が親を思う心よりも、親が子を思う心のほうが深い。

親の心 子知らず

親が子供のために懸命(けんめい)に努力していることを、子供は少しも理解していないこと。

親の光は七光り

子どもの出世(しゅっせ)におよぼす親の力が大きいこと。

親はなくとも子は育つ

親が死んでもあとに残った子は何とかして大きくなっていくものである。

女 賢(さか)しくして牛売り損(そこ)なう

女は賢(かしこ)くても、物事を大局的に見る目がないから、つまらないところで失敗するということ。

恩(おん)を仇(あだ)で返す

さんざん恩を受けながら、かえって恩人を害するようなことをする。

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意味の似たことわざ

空き樽は音が高い
浅瀬に仇波

あとは野となれ山となれ
旅の恥は搔き捨て
 
痘痕(あばた)もえくぼ
惚(ほ)れた欲目
 
あぶ蜂とらず
二兎を追う者は一兎をも得ず
 
雨垂れ石を穿つ
塵も積もれば山となる
念力岩をも通す
ローマは一日にして成らず
 
石が流れて木の葉が沈む
西から日が出る
 
石橋をたたいて渡る
念には念を入れよ
浅い川も深く渡れ
 
一難去ってまた一難
前門の虎後門の狼

噓から出たまこと
瓢箪から駒
 
瓜のつるに茄子はならぬ
蛙の子は蛙
 
絵に描いた餅
捕らぬ狸の皮算用
 
岡目八目
他人の正目
 
鬼に金棒
虎に翼
弁慶に薙刀(なぎなた)
 
蛙の面に水
蛙の面に小便
石に灸(きゅう)
 
河童の川流れ
猿も木から落ちる
弘法も筆の誤り
上手の手から水が漏れる
 
果報は寝て待て
待てば海路の日和あり
 
紺屋の白袴
医者の不養生
 
五十歩百歩
目糞が鼻糞を笑う
 
転ばぬ先の杖
備えあれば憂いなし
 
柔よく剛を制す
柳に雪折れなし
 
雀百まで踊り忘れず
三つ子の魂百まで
 
急いては事を仕損じる
急がば回れ
 
大海の一滴
九牛の一毛
 
他山の石
人のふり見て我がふり直せ
 
提灯に釣鐘
月とすっぽん
 
沈黙は金
言わぬが花
口は災いの角
 
月夜に提灯
昼のあんどん
 
豆腐にかすがい
糠(ぬか)に釘
暖簾(のれん)に腕押し
 
隣の花は赤い
隣の芝生は青い
 
泣き面に蜂
弱り目に祟り目
 
濡れ手で粟
棚からぼたもち
 
猫に小判
豚に真珠
犬に論語
馬の耳に念仏
 
花に嵐
月に叢雲(むらくも)
好事魔多し
 
貧すれば鈍する
馬やせて毛長し
 
蒔かぬ種は生えぬ
火のない所に煙は立たぬ
 
目から鼻へ抜ける
一を聞いて十を知る

餅は餅屋
蛇の道は蛇

渡る世間に鬼はない
捨てる神あれば拾う神あり

こんなことわざも

挨拶(あいさつ)より円札(えんさつ)
 言葉でお礼されるより、お金をもらうほうがありがたい。
 
愛想(あいそ)づかしも金から起きる
 女が男と手を切ろうとするのも、金が思うようにもらえぬためにいやになるのがおもな原因である。
 
開いた口へぼたもち
 運がいいときには努力しないのに幸いが向こうからくるということ。
 
相手見てからの喧嘩声(けんかごえ)
 相手が弱そうだとわかると急に威張りだすこと。
 
逢えば五厘(ごりん)の損がいく
 知った人にあえば、とにかく何かのことで損をする。訪ねてきた人に会えば、時間はつぶされるし、茶や菓子の接待にも金がかかる。
 
青柿が熟柿(じゅくし)弔う
 熟した柿が落ちてつぶれてしまったのを、隣りのまだ青い柿が「気の毒に」と弔うことで、青柿は自分も間もなく後を追う身なのに、それを忘れている。
 
垢(あか)で死んだ者はない
 風呂に入って風邪をひいたのがもとで死んだ話はあるが、垢のために死んだ話は聞いたことがないというので、風呂嫌いが言い訳に使うことば。
 
垢(あか)も身の内
 垢も体の一部に違いないので、丹念にこすり落とすことはないという、長風呂の人を冷やかすことば。
 
呆(あき)れが礼(れい)に来る
 あまりにも呆れてしまう。

朝雨は女の腕(うで)まくり
 朝の雨はすぐにあがるから、女の腕まくりと同じようにこわくない。

朝日が西から出る
 とうていあり逢えないことのたとえ。
 
小豆(あずき)の豆腐(とうふ)
 作れるはずがなく、あり得ないもの。豆腐は大豆(だいず)から作るもので、小豆では豆腐にならない。
 
明日食う塩辛(しおから)に今日から水を飲む
 手回しがよすぎて、かえって意味がないこと。

頭の黒い鼠(ねずみ)
 家の中の物を盗んだのはネズミではなく、家にいる髪の黒い人間であることを言う。
 
暑さ忘れりゃ陰(かげ)忘れる
 暑いときには物陰で休んだのに、涼しくなると陰のありがたさを忘れるように、苦しいときが過ぎると、その時に受けた恩を忘れること。

後の雁(かり)が先になる
 後からきたものが、先のものを追いこすことのたとえ。
 
あの声でトカゲ食らうか時鳥(ほととぎす)
 あわれな声で鳴くホトトギスは、優しい鳥かと思っていたらトカゲを食うとは驚く。人も見かけによらないもので、うわべだけでは判断できないということ。

石に花咲く
 ありえない。

鼬(いたち)の最後っ屁
 窮地に追い込まれた時などに使う非常手段のたとえ。
 
一番風呂(いちばんぶろ)は馬鹿(ばか)が入る
 わかしたての湯は入り心地がよくないから、風呂にはあとから入るのがよい。
 
一輪(いちりん)咲いても花は花
 たくさん咲くばかりが花ではなく、たった一輪咲いただけでも花は花であり、どんな花でも花にかわりはない。
 
一匹狂えば千匹の馬が狂う
 群衆はわずかな暗示にもたやすく動かされる。
 
田舎(いなか)に京あり
 田舎にもみやびなところもあれば、にぎやかなところもある。決して馬鹿にしたものではない。

鰯網(いわしあみ)で鯨(くじら)捕(と)る
 ありえない。ありえないほどの収穫を得たり、幸運をつかむ。
 
犬に論語(ろんご)
 ありがたみのわからないこと。

犬は人に付き猫は家に付く
 犬は家人になつき、家を引っ越してもついて行くが、猫は人よりも家や場所になじむこと。

芋(いも)の煮(に)えたもご存じない
 芋が煮えたのか煮えないのかもわからないということで、そんな簡単なことでさえわからない世間知らずの人を笑ったことば。

色気より食い気
 色気よりも食い気の方が優先すること。外見より実質、虚栄より実利を優先すること。
 
色は思案の外(ほか)
 どんな人でも色恋のこととなると理性を失うから、常識でははかれない。
 
うかうか三十きょろきょろ四十
 これといったこともせず、無駄に一生を過ごしてしまうこと。
 
浮世(うきよ)渡(わた)らば豆腐(とうふ)で渡れ
 四角い豆腐はきちっとした形をしているがやわらかい。世渡りもそのような要領でせよという教え。
 
鶯(うぐいす)鳴かせたこともある
 今は老いぼれてしまったが、若いときには異性にちやほやされたこともある。年寄りが自分の若いときのことを自慢することば。
 
牛の糞(くそ)にも段段(だんだん)
 ものごとの進行には段階があって、それを無視しては成就しないことをいう。
 
牛の小便と親の意見
 ウシの小便はだらだら長いが肥料としてのききめは少ない。親の小言もそれと同じで長いばかりでさっぱりききめがない。
 
牛の角を蜂(はち)がさす
 何とも感じないことのたとえ。
 
内ひろがりの外すぼまり
 うちの中では威張っているが外に出ると意気地なく小さくなっていること。

内弁慶(うちべんけい)の外地蔵(そとじぞう)
 家の中では弁慶のように威張っているのに、外では意気地がなくなる弱虫のたとえ。

馬に乗るとも口車に乗るな
 うまい話や巧みな言葉には用心すべきだということ。
 
瓜(うり)に爪(つめ)あり爪(つめ)に爪(つめ)なし
 瓜という字と爪という字の違いを教えることば。漢字は一点一画の違いで別の字になる。
 
生んだ子より抱いた子
 生んだだけで育てない実子よりも、他人の子でも小さいときから育てた子のほうがかわいい。
 
負うた子を三年探す
 手近にあるのに気づかずあちらこちら探すことをいう。

陸(おか)に上がった河童(かっぱ)
 有能な人でも、自分に適した環境から離れると、本来の力を発揮できず無能になってしまうこと。

遅かりし由良之助(ゆらのすけ)
 手遅れだったことをいうことば。

恐れ入谷(いりや)の鬼子母神(きしもじん)
 恐れ入りました、という意味で使うことば。
 
男やもめに蛆(うじ)がわき女やもめに花が咲く
 男やもめは家事に不慣れなためついおっくうになり、家の内外もきたなくなり、身なりも不精になる。女やもめの場合は、夫の世話がいらなくなるうえに世間体も気にするから前よりむしろきれいになり、男たちにもてはやされるようになる。

親子は一世、夫婦は二世、主従は三世
 親子のつながりは現世だけのことであり、夫婦は現世だけでなく来世にもつながり、主従は過去・現世・来世のつながりがあるということ。
 
親の意見と冷酒(ひやざけ)は後できく
 親の意見はそのときには何とも思わなくても後になってからなるほどと思うものだ。冷酒も後になって酔いがまわってくる。
 
親の恩は子で送る
 親から受けた恩の恩返しは、自分の子をりっぱに養育することで報いる。
 
親の十七(じゅうしち)子は知らぬ
 親は自分の若い時の未熟さややんちゃぶりは子に話さないからわからない。どこの親でも自分のことを子に話すときは、いいことしか言わない。

親馬鹿(おやばか)子馬鹿(こばか)
 親は自分の子を溺愛するあまり、子の愚かさに気づかず、子は親の愛情に甘えて愚かなことをするということ。