ことわざ集
【PR】
■ 無い袖(そで)は振(ふ)れぬ
相手に対して何かをしてあげたくても、自分に無い物は出しようがない。
■ 泣いて暮らすも一生笑って暮らすも一生
同じ一生を送るのに、たとえ辛(つら)い人生であっても泣いて暮らすより笑って暮らすほうがよい。
■ 泣いて馬謖(ばしょく)を斬(き)る
全体の秩序(ちつじょ)を守るためには、愛する部下であっても、掟(おきて)に背けば厳正に処分する。諸葛孔明(しょかつこうめい)は、馬謖が自分の言いつけを聞かずに軍を進めて戦いに負けた時、親友の息子ではあったが、軍法をまげずに涙を流しながら斬ったという故事。
■ 長い物には巻かれろ
力のある者に従っていると、自分のためになる。
■ 鳴かず飛ばず
何もしないでいる。人目につくような活躍(かつやく)をしないで、ただじっとしている。
■ 鳴く蝉(せみ)よりも鳴かぬ蛍(ほたる)が身をこがす
口に出してあれこれ言う者より、口に出して言わない者のほうが心では深く思っていることのたとえ。
■ 流れに棹(さお)さす
流れを下る舟に棹をさすことで、勢いのついたところへさらに助力がふえること。
■ 泣きっ面(つら)に蜂(はち)
困っているところに、さらに運の悪いことが重なる。類:弱り目にたたり目
■ 泣く子と地頭(じとう)には勝てぬ
泣いてだだをこねる子供と、権力を握(にぎ)っている横暴(おうぼう)な地頭には、こちらがどんなに正しいことを言っても聞き分けてもらえない。権力のある者には、理屈(りくつ)の善し悪しにかかわらず勝てる見込みがないので、無理でも従うより他ない。
■ 泣く子も目を見る
だだをこねて泣く子も、相手の顔色を伺(うかが)いながら泣く。くみしやすしと見ればなお泣くし、手ごわいと見れば泣き止む。相手の様子を見よということ。
■ 無くて七癖(ななくせ)
どんなに癖の無いような人でも、何か癖はあるものだ。
■ 情けに刃向(はむか)う刃(やいば)なし
情けをかけられれば、どんな人も背(そむ)くことはしない。
■ 情けは人の為(ため)ならず
情けを人にかけるのは、その人の為になるだけではない、人に情けをかけておけば、いつか巡(めぐ)り巡って自分によい報(むく)いが返ってくる。善行(ぜんこう)は結局は自分にも返ってくるものだから、人には親切にせよ、という教え。類:思えば思わるる
■ 仲人(なこうど)は宵(よい)の口
仲人は結婚式が済んだら、若夫婦のじゃまにならないようにいつまでもいないほうがよい。
■ 梨(なし)のつぶて
便(たよ)りを出しても返事のないこと。音沙汰(おとさた)のないこと。「梨」は「無し」に掛けたごろ合わせで、特に意味はない
■ 七重の膝(ひざ)を八重に折る
嘆願(たんがん)すること。非常にていねいにおわびすること。
■ 七転び八起き
七たび転んで八たび起きる。何回失敗してもくじけないでがんばる。浮き沈みの多い激しい人生のたとえ。
■ 七度(ななたび)尋(たず)ねて人を疑(うたが)え
物がなくなったときは、自分の周りをよく捜(さが)してみよ。よく捜しもしないで人を疑ってはいけない。
■ 名は体(たい)を表す
名と実態とが一致している。
■ 怠(なま)け者の節句(せっく)働き
ふだん怠けている者に限って、他の人が休む節句の日になって働く。
■ 生兵法(なまびょうほう)は大けがのもと
中途半端(ちゅうとはんぱ)な技術や知識は、かえって失敗のもとである。「生兵法」は、ちょっと聞きかじった兵法や武術のこと。
■ なめくじに塩
すっかりしょげてしまうこと。苦手(にがて)な相手の前に出て萎縮(いしゅく)してしまうこと。
■ 習い性(せい)となる
習慣が第二の天性となる。悪い習慣を繰り返していると、それが生まれつきの性格のようになる。
■ 習うより慣れよ
教わり習っただけではなかなか自分のものにならないが、何度も実際にやって体が慣れれば自然に身につくようになる。類:経験は学問にまさる
■ ならぬ堪忍(かんにん)するが堪忍
もうがまんできないというところを、じっとがまんするのが本当の堪忍というものだ。
■ 習わぬ経(きょう)は読めぬ
習って知っていることでないと、やれと言われてもできない。
■ 名を捨てて実(じつ)を取る
名誉(めいよ)は人に譲(ゆず)り、利益を得るようにする方が賢明である。
■ 何でも来いに名人なし
さあ何でも来い、どんなことでもやってやる、と言う人に名人はいない。
【PR】
■ 二階から目薬(めぐすり)
二階にいる人が階下にいる人に目薬をさすように、思うようにならなくてもどかしい。
■ 逃がした魚は大きい
あと少しのところで手に入らなかったものは、惜しかったという気持が強いため、実際よりよく思えるものだ。
■ 憎(にく)まれっ子世に憚(はばか)る
人に憎まれるような人が、かえって世間では幅(はば)をきかす。
■ 西から日が出る
絶対にありえないことのたとえ。
■ 西と言えば東という
人の言うことにいちいち反対すること。
■ 二足の草鞋(わらじ)を履(は)く
表向きの仕事のほかに、同じ人がそれと相反するような他の仕事を同時にすること。
■ 二兎(にと)を追う者は一兎をも得ず
二匹のウサギを同時に捕まえようと追いかけても、結局一匹も捕まえられなくなる。同時に二つのことを得ようとすると、結局はどちらも得ることができない、という意。類:虻蜂取らず
■ 女房と畳(たたみ)は新しいほうがよい
新しいものはすべて美しい。
■ 糠(ぬか)に釘(くぎ)
少しも手ごたえがなく、効き目がないこと。類:豆腐にかすがい・のれんに腕押し
■ 抜かぬ太刀(たち)の高名(こうみょう)
口やかましく講釈(こうしゃく)はするが、うでまえを見せたことのない人を嘲笑(ちょうしょう)していう。また、争って勝つよりも、じっとこらえてけんかをしないほうが立派だということ。
■ 糠味噌(ぬかみそ)が腐(くさ)る
ひどい音痴(おんち)を形容することば。
■ 盗人(ぬすびと)猛々(たけだけ)し
盗みを働きながら、何もしなかったような顔をしている者や、悪事をとがめられて逆にくってかかるのをののしる言葉。
■ 盗人(ぬすびと)に追い銭(せん)
盗人に物を盗まれた挙句、さらに金銭をくれてやる意味から、損(そん)の上にさらに損をするたとえ。
■ 盗人(ぬすびと)に倉(くら)の番
役に立たないどころか、かえって害になる。
■ 盗人(ぬすびと)にも三分(さんぶ)の理
盗みはいかなる理由があろうとも悪事に変わりないが、当人にしてみればそれなりの言い分があるものだ、ということ。筋(すじ)の通らないことにも、無理な理屈をつけようと思えばつけられることをいう。
■ 濡(ぬ)れ手で粟(あわ)
濡れた手で粟をつかむと、粟粒(あわつぶ)がくっついてたくさんつかめる。苦労しないで多くの利益を得ることをいう。類:棚からぼたもち
■ 濡れぬ先こそ露(つゆ)をも厭(いと)え
濡れないうちは、ちょっとでも濡れまいと思い露も避(さ)けるほど用心するが、いったん濡れてしまうとどうでもよくなる。いったん過ちをおかしたらどうでもよい、もっとひどいこともかまわずやってしまう。おもに男女間の過(あやま)ちについて言われる。
■ 濡(ぬ)れぬ先の傘(かさ)
失敗しないように用心すること。類:ころばぬ先の杖
【PR】
■ 猫(ねこ)に鰹節
猫に鰹節の番をさせる。その人の好きなものを近くに置くことは、あやまちを犯(おか)しやすくて危険である、という意。
■ 猫に小判(こばん)
物の価値がわからない者にどんな高価な物を与えても無駄(むだ)であること。類:豚に真珠・馬の耳に念仏
■ 猫の目のよう
変化しやすいことのたとえ。
■ 猫も杓子(しゃくし)も
何でもかんでも。どれもこれも。語源は、一休(いっきゅう)咄の「生まれて死ぬるなりけりおしなべて釈迦(しゃか)も達磨(だるま)も猫も杓子も」の所から出たもの。
■ 猫をかぶる
獰猛(どうもう)さを隠し、あたかもおとなしい猫のようにふるまう。本性を隠しておとなしそうにふるまう。
■ 寝た子を起こす
せっかくうまく納まっているのに、余計(よけい)なことをして問題を起こす。
■ 寝ていて転んだためしはない
何もしなければ、しくじることもない。
■ 寝耳(ねみみ)に水
不意の出来事に驚きあわてるたとえ。「寝耳」は睡眠中に耳にはいること。安らかに寝ているところに突然、大水が出て「水だ」という叫(さけ)び声が聞こえた、という意。類:やぶから棒(ぼう)
■ 念力(ねんりき)岩をも通す
どんなことも一心をこめてやればできないことはない。
■ 能ある鷹(たか)は爪(つめ)を隠す
優れた鷹は獲物(えもの)に襲(おそ)いかかる直前まで爪を隠し、相手を油断させることから、優れた才能の持ち主であるほど、ふだんはその実力を見せびらかすようなことはしない。
■ 能書(のうしょ)筆を選ばず
字のうまい人はどんな筆でもかまわずうまく書く。類:弘法筆を選ばず
■ 嚢中(のうちゅう)の錐(きり)
才能がある人は、必ず世に現れてくるたとえ。袋(ふくろ)の中に錐を入れると、すぐにその先端が突き出ることから。
■ 喉元(のどもと)過ぎれば熱さを忘れる
どんなに熱いものを飲んでも、のどを通り過ぎればその熱さを忘れる。どんな苦しい経験も、それが過ぎ去ればけろりと忘れてしまう。
■ 鑿(のみ)と言えば槌(つち)
鑿を取ってほしいと言われたら、鑿だけでなく槌もいっしょに持ってくる。気がきいていることのたとえ。「鑿」は、木材、石材、金属等に穴を穿ったり溝を刻んだりするのに用いる道具。「槌」は、物を打ちつけたり潰したりする道具のこと。
■ 蚤(のみ)の夫婦
蚤はメスのほうが体が大きいことから、妻が夫より大きい夫婦のこと。
■ 蚤(のみ)も殺さぬ
とてもおとなしい性格のたとえ。類:虫も殺さぬ
■ 暖簾(のれん)に腕押(うでお)し
垂れ下がっている暖簾を押すように、力を入れても少しも手ごたえがなく張り合いがない。こちらが積極的になっても、相手の態度があやふやで反応に乏(とぼ)しいこと。類:ぬかに釘(くぎ)
【PR】
■ 敗軍(はいぐん)の将(しょう)は兵を語らず
戦いに敗れた者は、戦いの経緯や武勇について語る立場ではないという意味から、失敗した者は、その事について意見を述べる資格がない。
■ 背水(はいすい)の陣
川・湖・海などを背にして構えた陣立てを意味し、退却すれば水に溺れてしまうことから、決死の覚悟(かくご)で事に当たること。
■ 掃溜(はきだ)めに鶴(つる)
つまらない人間ばかりの中に、たいへん優れた人がまじっていること。
■ 馬脚(ばきゃく)をあらわす
隠していたことが現れる。化(ば)けの皮がはがれる。「馬脚」とは芝居で馬の足に扮する役者のことで、馬の足を演じていた役者がうっかり自分の姿(足)を見せてしまうことから。
■ 白眼(はくがん)
人を冷たく見る目つき。
■ 白眉(はくび)
多くの中で最もすぐれているもの。蜀(しょく)の馬氏の五兄弟はみな秀才だったが、長兄の馬良がもっとも優れ、その眉の中に白毛があったという故事。
■ 走り馬にも鞭(むち)
走っている馬に鞭打てばなおいっそう早く走る。よいうえにも、もっとよいことをしようとするたとえ。
■ 畠(はたけ)に蛤(はまぐり)
畑を掘ってハマグリを探したところで見つかるはずがない。ありえないことや見当違いのことにいう。類:木によりて魚を求む
■ 破竹(はちく)の勢い
猛烈(もうれつ)な勢い。とどめがたい勢い。竹を割る時、初めの節が割れれば、あとはたやすく次々と割れていくからいう。
■ 八十の手習い
年老いてから学問を始めること。類:六十の手習い
■ 破天荒(はてんこう)
今までだれもやれなかったことをすること。前代未聞(ぜんだいみもん)。
■ 鳩(はと)に豆鉄砲(まめでっぽう)
きょとんとするさま。
■ 花多ければ実少なし
花が多く咲く木には実がたくさんならない。うわべのよい人には真実が少ないたとえ。
■ 花に嵐(あらし)
物事には往々にしてじゃまが入りやすいことのたとえ。類:好事魔多し・月に叢雲、花に風
■ 花も実もある
外観が美しいだけでなく内容も充実している。名実ともにすぐれている。
■ 花より団子(だんご)
表面的な良さよりも、実際に役立つほうを選ぶということ。実利主義。
■ 腹(はら)八分目に医者いらず
もう少し食べたいと思うぐらいのところでやめると、健康にはよいということ。
■ 針の穴から天をのぞく
せまい考えやものの見方で、広い社会のことを判断すること。類:葦(よし)の髄から天をのぞく・井の中の蛙大海を知らず
■ 万事(ばんじ)休(きゅう)す
すべて終わりで、手の施(ほどこ)しようがない。
【PR】
■ ひいきの引き倒し
あまりひいきしすぎて、かえって悪い結果になること。
■ 非学者(ひがくしゃ)論(ろん)に負けず
学問のない者は学問をした者と議論する場合にはかえって負けないものだ。道理のわからない者はいくら筋道(すじみち)のたった話をされても、その意味や負けたことがわからないから、あくまでも自分の暴論(ぼうろん)を主張してゆずらない。
■ 引かれ者の小唄(こうた)
刑場に引き連れていかれる罪人が、平気を装(よそお)って小唄を歌う。負け惜しみに、しいて強がりを言うこと。
■ 庇(ひさし)を貸して母屋(おもや)を取られる
ほんの軒先(のきさき)を貸したのに、しまいには家全体を取られてしまう。自分の持ち物の一部を貸したため、言いがかりをつけられて、ついにその全部を奪(うば)われるようになる。恩を仇(あだ)で返される、という意。
■ 皮相(ひそう)の見(けん)
うわべだけを見て、内容について考えないこと。
■ 匹夫(ひっぷ)の勇
思慮(しりょ)もなく、単に血気(けっき)にはやるだけの小さな勇気。「匹夫」は低級な男。
■ 必要は発明の母
必要にせまられると、やむなく工夫(くふう)や発明がなされる。
■ 火に油を注ぐ
勢いがあるものをあおりたてて、さらに勢いをつけてしまうこと。類:駆け馬に鞭(むち)
■ 人の噂(うわさ)も七十五日
噂というものは、しだいに忘れられていくということ。
■ 人の口に戸は立てられぬ
世間の口はうるさいもので、とかくの批評を防ぐことはむずかしい。
■ 人のふり見て我がふり直せ
人の行動のよい点や悪い点を見て、自分の行動を反省し欠点を改めよ。
■ 人は一代(いちだい)名は末代(まつだい)
人の肉体は一代限りだが、業績や名誉は長く後世に残る。人は名誉を重んじることが大切だという教訓。類:虎は死して皮を留め、人は死して名を残す
■ 火の無い所に煙(けむり)は立たぬ
火の気のないところから、煙が立つことはない。多少であれ噂(うわさ)が立つのは、何か原因があるものだ。
■ 百聞(ひゃくぶん)は一見にしかず
人の話を何度も聞くよりも、一度実際に自分の目で見たほうがよくわかる。
■ 百里(ひゃくり)を行く者は九十里を半ばとす
百里の道を行こうとする者は、九十里行ってやっと半分まで来たと考えよ。何事も完成に近づくと気がゆるみ失敗しやすいから、九分どおり済んだあたりを半分と心得て努力せよ、という意。
■ 冷(ひ)や飯(めし)を食わせる
冷たい態度であしらうこと。
■ 氷炭(ひょうたん)相(あい)容(い)れず
性質がまったく反対で、合わないこと。
■ 瓢箪(ひょうたん)から駒(こま)
ひょうたんの中から本物の馬が飛び出す。考えもつかなかったところから、思いがけない結果が出ること。また、冗談半分で言ったことが現実になること。
■ 貧(ひん)すれば鈍(どん)する
貧乏になると、利口な人も愚(おろ)かになる。貧乏をすると、毎日その生活のことばかり考えるようになるから、知恵や頭の回転が衰えてしまい、賢い人でも愚かになるという意味。また、暮らしが貧しくなれば、心も貧しくなるものだということ。類:馬痩せて毛長し
■貧乏(びんぼう)に暇(ひま)なし
貧乏な者は生活に追われるので、忙(いそが)しくて時間のゆとりがない。
【PR】
■ 風樹(ふうじゅ)の嘆(たん)
親孝行しようと思った時には親は亡く、親孝行出来ないことの嘆(なげ)き。風が吹きやまなければ揺れ動いてしまう樹木のように、どうすることもできないことから。
■ 風前の灯(ともしび)
風の前に置かれた「火」は消えやすいことから、物事が危機(きき)に面していることをいう。
■ 覆水(ふくすい)盆(ぼん)に返らず
太公望(たいこうぼう)の妻(つま)は、読書ばかりしている太公望に愛想をつかして出ていったにもかかわらず、彼が斉の宰相(さいしょう)になったら復縁(ふくえん)を求めた。この時太公望は水の入ったお盆をひっくり返し、「元に戻せたら希望に応じる」と言った。この中国の故事から、一度別れた夫婦は元には戻(もど)らないということ。また、一度やってしまったことは取り返しがつかないことをいう。
■ 不肖(ふしょう)
父に似ない愚(おろ)か者という意。また、自分のことを謙遜(けんそん)していう語。
■ 二人(ふたり)口(ぐち)は過ごせるが一人口は過ごせぬ
夫婦二人分の生活費は、一人の場合に比べて二倍かかるわけではなく、経済的な暮らしをするからかえって安上がりになる。類:一人口は食えぬが二人口は食える
■ 船は帆(ほ)でもつ帆は船でもつ
帆があればこそ舟も役に立ち、帆も舟があればこそ使い物になる。人は互いに助け合ってこそなりたっていくものである。
■ 古川(ふるかわ)に水絶えず
旧家(きゅうか)は衰(おとろ)えてもたやすくはつぶれない。昔金持ちだった家には、没落(ぼつらく)しても昔をしのばせるような立派(りっぱ)な物が何かと残っているものだ。
■ 刎頸(ふんけい)の交わり
その人のためなら、たとえ首をはねられても構わないほどの深い交わり。「刎頚の友」ともいう。
■ 糞(ふん)は出たが別が出ない
うまい考え(分別)が出てこないというしゃれ。
■ へそで茶をわかす
おかしくて大笑いするようす。ばかばかしくて仕方がないことのたとえ。「へそが茶をわかす」ともいう。
■ 下手(へた)の考え休むに似たり
よい考えも出ない人が、どんなに時間をかけて考えても、ただ時間をかけるだけで何の効果も上がらない。まるで休んでいるのも同然だ。
■ 下手(へた)の横好(よこず)き
下手なくせにそのことが大変好きで熱心なこと。対:好きこそものの上手なれ
■ 蛇(へび)に噛(か)まれて朽(く)ち縄(なわ)におじる
ヘビに噛まれたことのある人は朽ちた縄を見てもそれがヘビのように見えて恐れる。一度ひどい目に合わされると、それと似たものがみな害を加えるもののように見える。
■ 蛇(へび)ににらまれた蛙(かえる)
おそろしくて体を動かすことができない。
■ 弁慶(べんけい)の立往生(たちおうじょう)
進むことも退(しりぞ)くこともできないこと。衣川の合戦で弁慶(べんけい)は橋の真ん中で矢を浴びて立ったままで死んだという。
■ 弁慶(べんけい)の泣き所
攻撃されると最も弱い点。弁慶ほどのつわものも痛がって泣くという急所で、ふつう向うずねのことをいう。
■ 判官(ほうがん)びいき
弱い者や悲運の者に対して、同情的に人気が集まること。九郎判官源義経(くろうほうがんみなもとのよしつね)のような不遇(ふぐう)な英雄(えいゆう)に同情し、ひいきすることからいう。
■ 坊主(ぼうず)憎(にく)けりゃ袈裟(けさ)まで憎い
坊主が憎いと、その身に着けている袈裟まで憎らしくなる。その人を憎む心があると、その人に関係あるすべてのものが憎らしくなる、という意。
■ 棒(ぼう)に振(ふ)る
努力や苦心が無になることのたとえ。
■ 木石(ぼくせき)に非(あら)ず
木や石なんかと違って、血も涙もある人間だから大いに物に感ずるということ。
■ 臍(ほぞ)を噛(か)む
「臍」は「へそ」のこと。自分のヘソを噛(か)もうとしても噛めないことから、物事がどうにもならずに後悔(こうかい)すること。
■ 骨折り損のくたびれもうけ
苦労してもつかれるだけで何の効果もあがらないこと。
■ 仏(ほとけ)作って魂(たましい)入れず
立派な仏像を作り上げても、それに魂を入れない。一応できあがってはいるが、最も肝心(かんじん)な点がおろそかにされている、という意。
■ 仏の顔も三度
円満の徳を備えている仏も、その顔を三度なで回されると腹を立てる。いくらやさしい人間でも、たびたび嫌(いや)なことをされると怒ってしまうということ。
→次へ
【PR】