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ことわざ集

あ行か行/さ行/た行な行は行ま行や行ら行~

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さ行

塞翁(さいおう)が馬

人生の幸せも不幸せも予想がつかないことを言う。昔、辺境(へんきょう)のとりで近くに住む翁(おきな)(男の老人)の馬が逃げてしまい人々がなぐさめたところ、翁は「これが良いことになるかもしれない」と言い、後日その馬が駿馬(しゅんめ)を連れて帰ったので人々が喜ぶと、 翁は今度は「何か悪いことが起こるかもしれない」と言った。不幸なことに翁の息子が落馬し足が悪くなってしまった。すると翁は「また何か良いことがあるかもしれない」と言った。何と今度は戦争が起こり、健康な若者はみな兵士へと連れて行かれたのに翁の息子は足の悪いことが幸いして徴兵(ちょうへい)を免(まぬが)れたという故事から来ている。

歳月(さいげつ)人を待たず

年月は人の都合(つごう)など構(かま)わずどんどん過ぎていくということ。

才子(さいし)才に倒(たお)れる

自分の知識に自信を持ちすぎてかえって失敗すること。

鷺(さぎ)を烏(からす)

白いものを黒だと言い張る。明らかに違っていることを主張してやまない。

先んずれば人を制す

人より先に物事を行えば他人を押さえて有利になるが、遅(おく)れると人に押さえられて不利になる。先手を打つことが肝要(かんよう)である、という意。

策士(さくし)策に溺(おぼ)れる

駆(か)け引きのうまい人は、つい自分の策略(さくりゃく)に頼りすぎて、かえって失敗する。

酒は百薬(ひゃくやく)の長

酒は適当な量だと、どんな薬よりも元気が出るということ。

砂上(さじょう)の楼閣(ろうかく)

基礎がしっかりしていないのですぐに失敗しそうなこと。

五月(さつき)の鯉(こい)の吹き流し

さっぱりとして心にわだかまりのないたとえ。端午の節句に立てるこいのぼりには腸(はらわた)がないからいう。

皿(さら)をなめた猫(ねこ)が科(とが)を負う

魚を盗(ぬす)み食いしたネコは逃げてしまい、あとから皿をなめたネコが罪を着せられる。大きな悪事を犯した張本人が捕まらずに、それにちょっと関係した小物ばかりが捕まって刑罰を科せられる。

猿(さる)に烏帽子(えぼし)

サルに烏帽子をかぶせたように、柄(がら)に似合わない言動のこと。

猿(さる)も木から落ちる

どんな名人でも時には失敗することもある。類:河童の川流れ・上手の手から水が漏る・弘法も筆の誤り・天狗の飛びそこない

去る者は追わず

自分のもとを去ろうとする者は無理には引きとめない。

去る者は日々に疎(うと)し

死んでしまった人は、日数がたつにつれて世間からしだいに忘れられてゆく。親しかった人も、遠くはなれてしまうとしだいに疎遠(そえん)になる。

触(さわ)らぬ神に祟(たた)りなし

関係さえしなければ、災いを招くことはない。よけいな手出しはするな。

三顧(さんこ)の礼

目上の人が、礼を尽くして人を迎(むか)えること。三国時代の中国で、蜀(しょく)の劉備(りゅうび)が諸葛亮(しょかつりょう)を軍師として招くために、その草庵(そうあん)を三度訪れたという故事から。

三十六計逃げるに如(し)かず

計略(けいりゃく)にはいろいろあるが、一番よい手は逃げるべき時には逃げて身の安全をはかることだ。ふつう、困って逃げるとき、ひきょうだと言われるのを自ら慰(なぐさ)めるためにいう。

山椒(さんしょう)は小粒(こつぶ)でもぴりりと辛(から)い

体は小さくても、才気や能力のある人がいるということ。山椒の実は小さいけれども、非常に辛いところからいう。

三省(さんせい)

たびたび反省する。「三」は、三回ではなくしばしばの意味。

三人寄れば文殊(もんじゅ)の知恵

平凡(へいぼん)な人間でも、三人寄り集まって考えれば、文殊菩薩(もんじゅぼさつ)の知恵のようにすぐれた知恵が出る。「文殊」は知恵をつかさどる菩薩。

算(さん)を乱(みだ)す

ばらばらに散ること。「算」は占いに用いる算木。

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四角な座敷(ざしき)を丸く掃(は)く

こまかいところまで注意を配らず、いいかげんな仕事をすること。

鹿(しか)を逐(お)う者は山を見ず

一つのことに夢中になっている者は、ほかのことを顧(かえり)みない。目先の利益を得ることに夢中になっている者はまわりの事情に気づかない。

地獄(じごく)で仏(ほとけ)

とても困っているときに、思いがけない援助(えんじょ)があること。

しし食った報(むく)い

悪事をしたために受けなければならない報(むく)い。よい思いをしたからには、困ることが起きてもあたりまえだということ。

獅子(しし)身中(しんちゅう)の虫

内部から災(わざわ)いを起こすもの。味方でありながら味方を害するもの。

事実は小説よりも奇なり

事実は作りごとの小説よりもかえって奇妙で不思議なものだ。

私淑(ししゅく)

尊敬する人が過去の人だったり遠方の人であるため、直接には教えを受けられないが、その著書などによって間接にその人を模範(もはん)として慕い学ぶこと。

児孫(じそん)のために美田(びでん)を買わず

良い田を買って子孫のために財産を残しても本人たちのためにはならないから、あえてそのようなことはしない。

親しき仲にも礼儀(れいぎ)あり

どんなに親しい友達どうしでも、相手に対する礼儀を欠いてはならない。

舌(した)を巻(ま)く

とても感心したり驚いて口がきけないようす。

疾風(しっぷう)に勁草(けいそう)を知る

はげしい風の吹くことによってはじめて、風にも折れぬ強い草が見分けられる。苦難や事変に遭遇(そうぐう)してはじめて、その人の意志や節操(せっそう)の強固さがわかるというたとえ。逆境(ぎゃっきょう)にあってはじめてその人の真価がわかる。

雌伏(しふく)

将来活躍する日を期しながら、人の下に屈従(くつじゅう)していること。

釈迦(しゃか)に説法

知り尽くしている人になまかじりの教えを説く愚(おろ)かさをいう。類:猿に木登り

蛇(じゃ)の道はへび

同じ仲間のやったことならすぐわかる。ヘビの通った道が他のヘビにはよくわかるように、仲間の者がやることは、すぐに推察(すいさつ)できる。

弱冠(じゃっかん)

男の二十歳。転じて、広く年が若いことをいう。昔、男は二十歳を「弱」といい、元服して冠(かんむり)をかぶったのでいう。「若冠」と書くのは誤り。

柔(じゅう)よく剛(ごう)を制す

弱い者がかえって強い者を負かすこと。しなやかなものは弱そうに見えてもかたいものの鋭い鉾先(ほこさき)をうまくそらして最後には勝ちを得るものだ。類:柳に雪折れなし

重箱(じゅうばこ)の隅(すみ)を楊枝(ようじ)でほじくる

非常に細かいことまでせんさくし、あれこれうるさく言う。

雌雄(しゆう)を決す

勝敗を決める。

春宵一刻値千金(しゅんしょういっこくあたいせんきん)

春の夜はとてもよいもので、わずかな時間が一千金にも値する。

春眠(しゅんみん)暁(あかつき)を覚えず

春の夜は寝心地(ねごこち)がよく、夜明けも知らずつい眠りつづけてしまう。

正直の頭(こうべ)に神宿る

正直な人には常に神仏(しんぶつ)の加護(かご)がある。類:神は正直の頭に宿る・正直者に神宿る

上手(じょうず)の手から水が漏(も)る

上手な人でも時には失敗することがある。

少年老い易(やす)く学成り難し

月日がたつのは早く、若いと思っていてもすぐ年を取ってしまい、学問はなかなか成就(じょうじゅ)しにくい。だからわずかな時間でも惜(お)しんで勉強しなければならない。

将を射(い)んとせばまず馬を射よ

目的物を得るには、その周囲にあるものから攻めるのが早道である。

初心忘るべからず

ものごとを始めたときの、まじめな気持ちを忘れてはならない。

助長(じょちょう)

いらぬ力添えをして、かえって害すること。宋国の人が稲の苗(なえ)の成長を早めようとして、その穂先(ほさき)を引っ張り、かえって枯らしてしまった話。

知らぬが仏

知ればこそ腹も立つが、知らなければ心が仏のように穏(おだ)やかでわだかまりもない。当人だけが事件や真相を知らずにのんきに構えているのをあざけっていう場合にも使う。

しり馬に乗る

よく考えないで、人の後について物事を言う。

尻(しり)に目薬

見当違いなこと。全く効き目のないこと。

人間(じんかん)到る所 青山(せいざん)あり

「人間」は「人」ではなく「世間・世の中」、「青山」は「木の繁(しげ)った山」でなく「骨を埋(う)める土地・墓場」のこと。つまり、世の中にはどこにでも骨を埋める土地はあるから、大きな志をもつ者は故郷を離れて活躍(かつやく)せよ、という意味。

沈香(じんこう)も焚(た)かず屁(へ)もひらず

香を焚(た)くほど風流で魅力的でもなく、おならをして人に嫌(きら)われるでもない。特に役に立つこともないが害にもならぬ、平々凡々(へいへいぼんぼん)な状態。可もなく不可もないというタイプの人。

人後に落つ

人の後ろに下がること。人に負ける。他人より劣(おと)る意。

人事を尽くして天命を待つ

力の限りやるだけのことをやったら、後の結果は天命にまかせるということ。

死んだ子の年を数える

いまさら言っても仕方のない過去のことをあれこれ言うこと。

心頭を滅却(めっきゃく)すれば火もまた涼し

よけいなことを考えたり、迷(まよ)ったりする心を捨てれば、火さえもすずしく感じられる。

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水魚の交わり

非常に親密な交際。魚は水がなければ生きていかれないように、離れることができない非常に親密な間柄(あいだがら)。蜀(しょく)の劉備(りゅうび)が、諸葛亮(しょかつりょう)との交際について言った言葉から。 類:刎頚(ふんけい)の交わり

推敲(すいこう)

詩文の字句を何度も練(ね)り直すこと。詩人の賈島(かとう)が自分の詩の一句に「推」と「敲」の字のどちらを使うか迷ったことから。

数奇(すうき)

不幸せ。不遇(ふぐう)。「数」は運命のことで、「奇」は時世(じせい)に合っていないこと。

好きこそ物の上手なれ

人が大成するのは素質(そしつ)ということもあるが、それが好きであり、熱心に努力するからこそ上達(じょうたつ)するのである。

過ぎたるは猶(な)お及ばざるがごとし

何事もやり過ぎるのは足りないのと同じで、ちょうどよい程度にやるのがベスト。 類:薬も過ぎれば毒となる。

杜撰(ずさん)

著作などに誤りが多いこと。いい加減で、ぞんざいなこと。宋の詩人の杜黙(ともく)の詩は、詩の規則に合わないものが多かった。そこで、時の人がいい加減なものを杜撰(杜黙が作ったものという意味)というようになった。

雀(すずめ)の涙

ごくわずかなことのたとえ。

雀(すずめ)百まで踊(おど)り忘れず

雀は死ぬまで飛びはねる癖(くせ)が抜けない。幼時から身にしみ込んだ習慣は、年をとっても改めにくい。

棄(す)てる子も軒(のき)の下

子に対する親の愛情は深く、子を捨てる場合にも雨風があたらないようにと、軒下を選ぶ。

脛(すね)に疵(きず)を持つ

隠している過去の悪事があって、やましいことがあることをいう。

住めば都

住み慣れれば、どんな土地でも都同然に住み心地がよくなるものである。

すりこぎで重箱(じゅうばこ)を洗う

こまかいところまで行き届かないこと。

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青雲の志

①社会的に高い地位につき、有名になろうとする志。②行いが清く、俗世(ぞくせ)から離れようとする志。

精神一到何事か成らざらん

何事も一生懸命やれば、できないことはない。

清濁(せいだく)併(あわ)せ飲む

心の広いことで、善人悪人の区別なく、寄って来るものはみな受け入れること。「清濁」は、正と邪、善人と悪人の意。

急(せ)いては事を仕損じる

あまり焦(あせ)ると失敗しやすい。 類:急がば回れ

青天の霹靂(へきれき)

晴れた青空に急に起こった雷鳴(らいめい)。突然に起こった大事件のたとえ。

席暖まるに暇(いとま)あらず

非常に忙(いそが)しい形容。忙しくて席に座(すわ)っている暇がないという意味。

赤貧(せきひん)

ひどい貧乏(びんぼう)。「赤」は何もない意味。

雪中の松柏(しょうはく)

困難にあっても節操(せっそう)を変えないこと。松や柏(このてがしわ)などの常緑樹は、寒い雪の中でも葉の色を変えないことから。

節を折る

それまでの主義や態度を変える。「節を屈(くっ)する」ともいう。

背に腹は代えられぬ

腹を背中の代用にできないことから、目の前の重大事のためには他を犠牲(ぎせい)にすることはやむを得ない、という意。

狭(せま)き門より入れ

自分を鍛(きた)えるためには、楽な方法より苦しい方法をとるほうがよい。

前車の覆(くつがえ)るは後車の戒(いまし)め

前の人の失敗は後の人の戒(いまし)めとなる。

前車の轍(てつ)を踏む

前の人がした失敗を、後の人が繰り返すこと。「前轍を踏む」ともいう。

前人の植えた樹

昔の人が樹を植えておいてくれたおかげで、後の世の人は木陰(こかげ)で涼(すず)むことができるという意味で、先代の善行のおかげで後の者が楽をできることに対して使われる。

栴檀(せんだん)は二葉より芳(かんば)し

香(かお)りの高い栴檀(びゃくだん)の木は、二葉のころからすでにいい香りを放つところから、すぐれた人は、幼いころから人並み以上の才能を表すということ。

船頭(せんどう)多くして船山へ登る

物事を進めるにあたって、あまり指図(さしず)をする人が多いと、統一がとれず全く見当違いのほうに進んでいってしまう。

善は急げ

よいことをするには、ためらわずすぐにやるのがよい。

前門の虎(とら)、後門の狼(おおかみ)

一つの災難(さいなん)から逃(のが)れたかと思うと、また他の災難にあうこと。

千里の道も一歩から

遠い旅路(たびじ)も足もとの第一歩から始まる。どんなにすばらしいことでも、ほんの小さなことの積み重ねによってできる。

千慮(せんりょ)の一失(いっしつ)

思いがけない失敗。

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総領(そうりょう)の甚六(じんろく)

長子(ちょうし)は他の兄弟に比べてぼんやりしていておとなしい。

袖(そで)すり合うも他生(たしょう)の縁(えん)

全く知らない人とのふとした出来事も、前世からの縁によるもの。 「他生」とは、現世(げんせ)とは違う時代のことで前世を指している。

備えあれば憂(うれ)い無し

ふだんからしたくをしておけば、何が起きても心配することはない。類:転ばぬ先の杖

忖度(そんたく)

他人の気持ちを推(お)し量(はか)ること。

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こんなことわざも

財布(さいふ)の底と心の底は人に見せるな
 人とかけひきする際は、こちらの手の内をすっかり見せてしまうのは不利である。
 
材(ざい)大なれば用を為(な)し難(がた)し
 材木が大きすぎると細工がしにくくて役に立たない。人もあまりにすぐれているとかえって世の中に用いられない。
 
盃(さかずき)に孑孑(ぼうふら)がわく
 早く飲めと酒をすすめることば。杯を置いたままいつまでも飲まないでいると、杯の中にぼうふらがわくというもの。

魚は殿さまに焼かせよ、餅は乞食に焼かせよ
 何事にも適任者がいること。魚はゆっくり焼くほうがよいので、おっとりした殿さまに焼かせるのがよく、餅は何度もひっくり返して焼くのがよいので、がつがつした乞食向きだということから。
 
桜は花に顕(あらわ)る
 日ごろはふつうの人と変わらないが、何かのときに優れた才能を現すことのたとえ。

札束(さつたば)で面(つら)を張る
 金の力で思い通りにしようとする。
 
三五の十八
 勘定が合わないこと、予想と違ったことにいう。

三遍(さんべん)回って煙草(たばこ)にしょ
 休むのは後回しにして、念には念を入れよ。

地獄の一丁目
 困難や破滅に向かう第一歩。

地震雷火事親父(じしんかみなりかじおやじ)
 世の中で恐ろしいとされるものを順番に言ったことば。
 
師弟(してい)は三世(さんぜ)
 師と弟子の間は過去、現在、未来にわたる深い縁でつながっているということで、師弟関係が非常に深いことをいったもの。

死に馬が屁(へ)をこく
 ありえない。
 
自慢(じまん)は智恵(ちえ)の行き止まり
 自慢するのは本人が満足している証拠だから、それ以上の進歩は望めない。
 
釈迦(しゃか)に宗旨(しゅうし)なし
 お釈迦さまは何宗何派ということはない。仏教の宗派はどれもお釈迦さまの教えからきているのだから、互いに争うのはこっけいだ。
 
杓子(しゃくし)は耳かきにならず
 大は小を兼ねるというが、大きい物がいつも小さい物の代わりに使えるとは限らない。杓子は大きいが、耳かきには使えない。
 
習慣は第二の天性(てんせい)なり
 習慣は知らず知らずのうちに深くしみ込んで生まれつきの性質のようになってしまう。
 
重箱(じゅうばこ)に鍋蓋(なべぶた)
 あてはまらないことのたとえ。
 
重箱に煮締(にしめ)
 外観が立派なのに中身が粗末なこと。

知らぬ顔の半兵衛(はんべえ)
 知っているのに、とぼけて知らないふりをすること。また、そうする人。

尻(しり)が来る
責任を負わされる。苦情を持ち込まれる。

尻(しり)から抜(ぬ)ける
学んだり、聞いたり見たりしたことをすぐに忘れる。

尻毛(しりげ)を抜(ぬ)く
油断につけこんで、ひどいことをする。

尻(しり)に帆(ほ)かける
あわてて逃げる。
 
尻(しり)は他人
 人前でおならをしたとき自分のせいではないと照れ隠しにいうことば。
 
信心(しんじん)も欲から
 信心は清く美しい心に基づくようだが、実はよい報いがほしいからに他ならない。
 
死んだ者の因果(いんが)
 どうあろうと死んだ者がいちばん貧乏くじをひく。都合の悪いことや罪をしょわされても「死人に口なし」で弁解すらできない。
 
雀(すずめ)の千声(せんこえ)鶴(つる)の一声
 つまらない者ががやがや騒ぐよりも、おもだった人が一声発すれば、それでおさまるということのたとえ。
 
するは一時(いちじ)名は末代(まつだい)
 なすべきことはしなけばならぬということ。苦難は一時のことだが、なすべきことをしなかった不名誉はいつまでも残る。
 
積善(せきぜん)の家には必ず余慶(よけい)あり
 善いことを積み重ねた家には、その報いとして必ず思いがけないよいことが起こる。反対に悪事を重ねた家にはやがて災いがくる。
 
雪隠(せっちん)で饅頭(まんじゅう)
 人に見つからぬように自分だけよいことをすること。雪隠は便所のこと。
 
背中の子を三年探す
 すぐそばにある物が見つからず、あちこちさがしまわること。

銭(ぜに)ある時は鬼をも使う
 金さえあれば、恐ろしい鬼であっても思うとおりに使役することができる。金の力の大きさをいったもの。
 
善悪は水波(すいは)の如し
 善と悪、正と邪はまったく反対のように思われているが、その間にはわずかな差しかないということ。
 
その手は桑名(くわな)の焼蛤(やきはまぐり)
 うまいことをいってもだまされない、その手は食わないということ。
 
蕎麦(そば)の花も一盛(ひとさか)り
 容ぼうが悪くても年ごろになれば魅力が出るということ。
 
添(そ)わぬうちが花
 結婚してみればお互いの欠点が目につくので、恋をして付き合っているうちが楽しい。

意味が反対のことわざ

あばたもえくぼ
⇔ 坊主憎けりゃ袈裟まで憎い

石橋を叩いて渡る
⇔ 危ない橋を渡る

急がば回れ
⇔ 善は急げ

一石二鳥
⇔ 二兎を追う者は一兎をも得ず/虻蜂取らず

噓つきは泥棒の始まり
⇔ 噓も方便

瓜のつるになすびはならぬ
⇔ 鳶が鷹を生む

溺れる者は藁をもつかむ
⇔ 鷹は飢えても穂をつまず

蛙の子は蛙
⇔ 鳶が鷹を生む

果報は寝て待て
⇔ 蒔かぬ種は生えぬ

麒麟も老いては駑馬に劣る
⇔ 腐っても鯛

君子危うきに近寄らず
⇔虎穴に入らずんば虎子を得ず

転ばぬ先の杖
⇔ 泥棒を見て縄を綯う

先んずれば人を制す
⇔ 急いては事を仕損じる

山椒は小粒でもぴりりと辛い
⇔ 独活(うど)の大木

三人寄れば文殊の知恵
⇔ 船頭多くして船山に上る

正直の頭に神宿る
⇔ 正直者が馬鹿を見る

好きこそものの上手なれ
⇔ 下手の横好き

栴檀は双葉より芳し
⇔ 大器晩成

立つ鳥跡を濁さず
⇔ 旅の恥は搔き捨て

二度あることは三度ある
⇔ 三度目の正直

歯に衣着せぬ
⇔ 奥歯に物が挟まる

人を見たら泥棒と思え
⇔ 渡る世間に鬼はない

深い川は静かに流れる
⇔ 弱い犬ほど静かに流れる

覆水盆に返らず
⇔ 元の鞘に収まる

武士は食わねど高楊枝
⇔ 腹が減っては戦ができぬ

下手の道具調べ
⇔ 弘法は筆を選ばず

馬子にも衣裳
⇔ 公家にも襤褸(つづれ)

待てば海路の日和あり
⇔ 思い立ったが吉日

目には目を歯には歯を
⇔ 恨みに報ゆるに徳を以てす

門前市をなす
⇔ 門前雀羅を張る

弱い犬ほどよく吠える
⇔ 能ある鷹は爪を隠す