本文へスキップ

序詞

 序詞(じょことば)は和歌の修辞法の一つで、表現効果を高めるために譬喩・掛詞・同音の語などを用いて、音やイメージの連想からある語を導くものです。枕詞と同じ働きをしますが、枕詞が1句以内のおおむね定型化した句であるのに対し、序詞は一回的なものであり、音数に制限がなく、2句以上3、4句に及び、導く語への続き方も自由です。以下に序詞の用例を列記します。青色の句が序詞で、赤色の語句がそれに導かれた語です(歌は50音順)。

  • 青山を横切る雲の いちしろく我れと笑まして人に知らゆな(巻4-688)
  • 暁(あかとき)の夢(いめ)に見えつつ梶島(かぢしま)の礒越す波の しきてし思ほゆ(巻9-1729)
  • 秋されば雁(かり)飛び越ゆる龍田山(たつたやま) 立ちても居(ゐ)ても君をしぞ思ふ(巻10-2294)
  • 秋づけば尾花が上に置く霜の 消(け)ぬべくも吾は思ほゆるかも(巻8-1564)
  • 秋の田の穂の上に置ける白露の ぬべくも吾は思ほゆるかも(巻10-2246)
  • 秋の田の穂向きの寄れること寄りに 君に寄りなな事痛かりとも(巻2-114)
  • 秋山の樹の下隠り行く水の われこそ益さめ御思ひよりは(巻2-92)
  • 朝影にわが身はなりぬ 韓衣裾の あはずて久しくなれば(巻11-2619)
  • 朝霞鹿火屋が下に鳴く河蝦(かはず) だに聞かばわれ恋ひめやも(巻10-2265)
  • 安積山影さへ見ゆる山の井の 浅き心をわが思はなくに(巻16-3807)
  • 朝びらき入り江漕ぐなる楫(かぢ)の音の つばらつばらに吾家し思ほゆ(巻18-4065)
  • 蘆垣(あしがき)の中のにこ草 にこよかにわれと笑まして人に知らゆな(巻11-2762)
  • あしひきの山沢人(やまさはびと)の 人さはにまなと言ふ児(こ)があやにかなしさ(巻14-3462)
  • あしひきの山菅(やますが)の根の ねもころにわれはぞ恋ふる君が姿に(巻12-3051)
  • あしひきの山橘(やまたちばな)の 色に出でてわが恋ひなむを人目難みすな(巻11-2767)
  • あしひきの山田(やまた)守(も)る翁(をぢ)が置く鹿火(かひ)の 下(した)焦がれのみ我(あ)が恋ひ居(を)らく(巻11-2649)
  • あしひきの山に生ひたる菅の根の ねもころ見まくほしき君かも(巻4-580)
  • 葦辺(あしべ)より満ち来る潮の いやましに思へか君が忘れかねつる(巻4-617)
  • 明日香河(あすかがは)川淀さらず立つ霧の 思ひ過ぐべき恋にあらなくに(巻3-325)
  • 天雲(あまくも)のたなびく山の 隠(こも)りたる我が下心(したごころ)木(こ)の葉知るらむ(巻7-1304)
  • 天飛ぶや軽(かる)の社の斎(いは)ひ槻(つき) 幾代まであらむ隠(こも)り妻ぞも(巻11-2656)
  • 天地(あめつち)を照らす月日の 極みなくあるべきものを何をか思はむ(巻20-4486)
  • 漁(いざ)りする海人(あま)の楫音(かぢおと) ゆくらかに妹(いも)は心に乗りにけるかも(巻12-3174)
  • 伊勢の白水郎(あま)の朝な夕なに潜(かづ)くとふ鰒(あはび)の貝の 片思ひにして(巻11-2798)
  • 伊勢の海の磯もとどろに寄する波 恐(かしこ)き人に恋ひわたるかも(巻4-600)
  • 石上布留(いそのかみふる)の早稲田の には出でず心のうちに恋ふるこのごろ(巻9-1768)
  • 妹(いも)待つと御笠(みかさ)の山の山菅(やますげ)の 止まずや恋ひむ命(いのち)死なずは(巻12-3066)
  • 鶯(うぐひす)の通ふ垣根の卯の花の 厭(う)き事あれや君が来まさぬ(巻10-1988)
  • うち日さす宮の瀬川のかほ花の 恋ひてか寝(ぬ)らむ昨夜(きそ)も今夜(こよひ)も(巻14-3505)
  • 馬柵(うませ)越しに麦(むぎ)食(は)む駒(こま)の 罵(の)らゆれど猶(なほ)し恋しく思ひかねつも(巻12-3096)
  • 梅の花散らすあらしの (おと)のみに聞きし我妹(わぎも)を見らくしよしも(巻8-1660)
  • 奥山の岩本菅(いはもとすげ)を根深めて 結びし心忘れかねつも巻4-397)
  • 奥山の八峰(やつを)の椿(つばき) つばらかに今日は暮さね丈夫(ますらを)のとも(巻19-4152)
  • 大崎(おほさき)の荒礒(ありそ)の渡り延ふ葛(くず)の ゆくへもなくや恋ひわたりなむ(巻12-3072)
  • 大原のこの市柴(いつしば)の 何時(いつ)しかとわが思ふ妹に今夜逢へるかも(巻4-513)
  • 大船(おほぶね)に葦荷(あしに)刈り積み しみみにも妹は心に乗りにけるかも(巻第11-2748)
  • 大船の香取の海に碇(いかり)おろし 如何なる人か物思はざらむ(巻11-2436)
  • 思ひ出づる時は術なみ 佐保山に立つ雨霧の ぬべく思ほゆ(巻12-3036)
  • 香具山に雲居(くもゐ)たなびき おほほしく相(あひ)見し子らを後(のち)恋ひむかも(巻11-2449)
  • 風をいたみ甚振(いたぶ)る波の 間無くわが思ふ君は相思ふらむか(巻11-2736)
  • かにかくに人は言ふとも若狭道(わかさぢ)の後瀬(のちせ)の山の のちも逢はむ君(巻4-737)
  • かにかくにものは思はじ 飛騨人の打つ墨縄(すみなは)の ただ一道(ひとみち)(巻11-2648)
  • かはづ鳴く六田(むつた)の川の川柳(かはやぎ)の ねもころ見れど飽かぬ川かも(巻9-1723)
  • 河の上のいつ藻の花の 何時(いつ)も何時も来ませわが背子時じけねやも(巻4-491)
  • 紀の国の飽等(あくら)の浜の忘れ貝 われは忘れじ年は経ぬとも(巻11-2795)
  • 君が着る三笠の山に居る雲の立てば 継がるる恋もするかも(巻11-2675)
  • 雲間(くもま)よりさ渡る月の おほほしく相(あひ)見し子らを見むよしもがも(巻11-2450)
  • 巨勢山のつらつら椿(つばき) つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を(巻1-54)
  • 言出しは誰が言なるか小山田の苗代水の 中淀(なかよど)にして(巻第8-776)
  • 衣手の真若(まわか)の浦のまなご地(つち) 間(ま)なく時なし我が恋ふらくは(巻12-3168)
  • 咲き出照(でて)る梅の下枝(しづえ)に置く露(つゆ)の 消(け)ぬべく妹(いも)に恋ふるこのころ(巻10-2335)
  • 柵越しに麦食む小馬の はつはつに相見し子らしあやに愛しも(巻14-3537)
  • 笹(ささ)の葉にはだれ降り覆(おほ)ひ 消(け)なばかも忘れむと言へばまして思ほゆ(巻10-2337)
  • 五月山花橘にほととぎす 隠らふ時に逢へる君かも(巻10-1980)
  • 志賀(しか)の海人(あま)の塩焼き衣(ころも) なれぬれど恋といふものは忘れかねつも(巻11-2622)
  • 志賀(しか)の海人(あま)の釣し灯(とも)せるいざり火の ほのかに妹を見むよしもがも(巻12-3170)
  • 白鳥(しらとり)の飛羽山(とばやま)松の 待ちつつぞ我(あ)が恋ひわたるこの月ごろを(巻4-588)
  • 須磨人(すまひと)の海辺(うみへ)常(つね)去らず焼く塩の 辛(から)き恋をも我(あ)れはするかも(巻17-3932)
  • 白鳥の飛羽(とば)山松の 待ちつつぞ我(あ)が恋ひわたるこの月ごろを(巻4-588)
  • 住吉(すみのえ)の敷津(しきつ)の浦のなのりその 名は告(の)りてしを逢はなくも怪(あや)し(巻12-3076)
  • 住吉(すみのえ)の津守(つもり)網引(あびき)の泛子(うけ)の緒(を)の 浮かれか行かむ恋ひつつあらずは(巻11-2646)
  • 住吉(すみのえ)の浜に寄るとふうつせ貝 実なき言もちわれ恋ひめやも(巻11-2797)
  • そき板もち葺(ふ)ける板目の あはざらばいかにせむとか我(わ)が寝そめけむ(巻11-2650)
  • 高山(たかやま)ゆ出(い)で来る水の岩に触れ 砕(くだ)けてぞ思ふ妹(いも)に逢はぬ夜は(巻11-2716)
  • 滝の上の三船の山に居る雲の 常にあらむとわが思はなくに(巻3-242)
  • 橘の本に道踏む八衢(やちまた)に 物をぞ思ふ人に知らえず(巻6-1027)
  • 旅にありて物(もの)をぞ思ふ白波(しらなみ)の辺(へ)にも沖にも 寄るとはなしに(巻12-3158)
  • 多麻川に曝(さら)す手作り さらさらに何ぞこの児のここだ愛しき(巻14-3373)
  • 玉くしげみむろの山のさなかづら さ寝ずはつひにありかつましじ(巻2-94)
  • 玉桙(たまほこ)の道行き疲れ稲席(いなむしろ) しきても君を見むよしもがも(巻11-2643)
  • たらちねの母が養ふ蚕(こ)の繭隠(まよこも)り いぶせくもあるか妹に逢はずして(巻12-2991)
  • たらつねの母が飼ふ蚕(こ)の繭隠(まよごも)り 隠れる妹を見むよしもがも(巻11-2495)
  • 父母(ちちはは)が殿(との)の後方(しりへ)の ももよ草(ぐさ)百代(ももよ)いでませ我が来(きた)るまで(巻20-4326)
  • 千鳥(ちどり)鳴く佐保の河瀬のさざれ波 止む時もなしわが恋ふらくは(巻4-525)
  • 千鳥(ちどり)鳴くみ吉野川の川音(かはおと)の 止む時なしに思ほゆる君(巻6-915)
  • 茅花(つばな)抜く浅茅(あさぢ)の原のつぼすみれ 今盛りなり我が恋ふらくは(巻8-1449)
  • 手作りを空ゆ引き越し 遠(とほ)みこそ目言(めこと)離(か)るらめ絶ゆと隔(へだ)てや(巻11-2647)
  • 難波潟(なにはがた)漕(こ)ぎ出(づ)る舟の はろはろに別れ来(き)ぬれど忘れかねつも(巻12-3171)
  • 慰むる心はなしに雲隠り鳴き行く鳥の 哭(ね)のみし泣かゆ(巻5-898)
  • 夏の野の茂みに咲ける姫百合(ひめゆり)の 知らえぬ恋は苦しきものぞ(巻8-1500)
  • 波の間(ま)ゆ雲居(くもゐ)に見ゆる粟島(あはしま)の 逢はぬものゆゑ我(わ)に寄(よ)そる子ら(巻12-3167)
  • 波のむたなびく玉藻の 思(かたもひ)に我が思ふ人の言(こと)の繁けく(巻12-3078)
  • ぬばたまの黒髪山の山菅(やますげ)に小雨 零(ふ)りしき しくしく思ほゆ(巻11-2456)
  • 駅路(はゆまぢ)に引き船渡し 直(ただ)乗りに妹は心に乗りにけるかも(巻11-2749)
  • 春霞(はるかすみ)山にたなびき おほほしく妹(いも)を相(あひ)見て後(のち)恋ひむかも(巻10-1909)
  • 春草(はるくさ)の繁き我が恋(こひ)大海(おほうみ)の辺(へ)に行く波の 千重(ちへ)に積もりぬ(巻10-1920)
  • 春さればすがるなる野のほととぎす ほとほと妹に逢はず来にけり(巻10-1979)
  • 春さればまづ三枝(さきくさ)の 幸(さき)くあらば後も逢はむな恋ひそ吾妹(わぎも)(巻10-1895)
  • 春さればもずの草(くさ)ぐき 見えずとも我(あ)れは見やらむ君があたりをば(巻10-1897)
  • 春の野に草(くさ)食(は)む駒(こま)の口 やまず我(あ)を偲(しの)ふらむ家の子ろはも(巻14-3532)
  • 春柳(はるやなぎ)葛城山(かづらきやま)に 立つ雲の立ちても居ても妹(いも)をしぞ思ふ(巻11-2453)
  • 春山(はるやま)の友鶯(ともうぐひす)の 泣き別れ帰ります間(ま)も思ほせ我(わ)れを(巻10-1890)
  • 人(ひと)皆(みな)の笠に縫(ぬ)ふといふ有間菅(ありますげ) ありて後にも逢はむとぞ思ふ(巻12-3064)
  • 一目(ひとめ)見し人に恋ふらく天霧(あまぎ)らし降りくる雪の 消(け)ぬべく思ほゆ(巻10-2340)
  • 藤波(ふぢなみ)の咲く春の野に延(は)ふ葛(くず)の 下(した)よし恋ひば久しくもあらむ(巻10-1901)
  • 霍公鳥(ほととぎす)鳴く峰(を)の上の卯(う)の花の 憂(う)きことあれや君が来まさぬ(巻8-1501)
  • まそ鏡手に取り持ちて 朝(あさ)な朝(さ)な見む時さへや恋の繁(しげ)けむ(巻11-2633)
  • み薦(こも)刈る信濃(しなの)の真弓(まゆみ) わが引かば貴人(うまひと)さびて否(いな)と言はむかも(巻2-96)
  • 道の辺(へ)の茨(うまら)の末(うれ)に延(は)ほ豆の からまる君をはがれか行かむ(巻20-4352)
  • 道の辺(へ)の草深百合(くさふかゆり)の 後(ゆり)もと言ふ妹が命を我れ知らめやも(巻11-2467)
  • 水茎(みづくき)の岡の葛葉(くずは)を吹きかへし 面(おも)知る児らが見えぬころかも(巻12-3068)
  • 水鳥(みづどり)の鴨の羽色(はいろ)の春山の おほつかなくも思ほゆるかも(巻8-1451)
  • 港廻(みなとみ)に満ち来(く)る潮(しほ)の いや増しに恋はまされど忘らえぬかも(巻12-3159)
  • み雪降る吉野の岳(たけ)に居(ゐ)る雲の 外(よそ)に見し子に恋ひわたるかも(巻13-3294)
  • み吉野の秋津(あきづ)の小野に刈る草の思ひ乱れて寝(ぬ)る夜(よ)しぞ多き(巻12-3065)
  • 見れど飽かぬ吉野の河の常滑(とこなめ)の 絶ゆることなくまた還り見む(巻1-37)
  • 紫(むらさき)は灰(はひ)さすものぞ 海石榴市(つばきち)の八十(やそ)の衢(ちまた)に逢へる子や誰(た)れ(巻12-3101)
  • めづらしき人を我家(わぎへ)に 住吉(すみのえ)の岸の埴生(はにふ)を見むよしもがも(巻7-1146)
  • 百伝(ももづた)ふ八十(やそ)の島廻(しまみ)を漕ぐ舟に 乗りにし心忘れかねつも(巻7-1399)
  • 山背(やましろ)の泉(いづみ)の小菅(こすげ)なみなみに妹(いも)が心をわが思(おも)はなくに(巻11-2471)
  • 吉隠(よなばり)の野木(のぎ)に降り覆(おほ)ふ白雪の いちしろくしも恋ひむ我(あ)れかも(巻10-2339)
  • わが齢(いのち)の衰へぬれば 白栲(しろたへ)の袖の なれにし君をしぞ思ふ(巻12-2952)
  • 我が背子(せこ)をこち 巨勢山(こせやま)と人は言へど君も来まさず山の名にあらし(巻7-1097)
  • 我がやどの時じき藤の めづらしく今も見てしか妹が笑(ゑ)まひを(巻8-1627)
  • 若鮎(わかゆ)釣る松浦の川の川波(かはなみ)の なみにし思(も)はば我(われ)恋ひめやも(巻5-858)
  • 我がゆゑに言はれし妹(いも)は高山(たかやま)の嶺(みね)の朝霧(あさぎり) 過ぎにけむかも(巻11-2455)
  • 我妹子(わぎもこ)が赤裳(あかも)ひづちて植ゑし田を刈りて収(をさ)めむ 倉無(くらなし)の浜(巻9-1710)
  • 我妹子(わぎもこ)が家の垣内(かきつ)のさ百合花(ゆりばな) ゆりと言へるは否(いな)と言ふに似る(巻8-1503)
  • 我妹子(わぎもこ)に逢ふよしをなみ駿河(するが)なる富士の高嶺(たかね)の 燃えつつかあらむ(巻11-2695)
  • わたつみの沖つ玉藻の なびき寝むはや来ませ君待たば苦しも(巻12-3079)
  • わたつみの沖に生ひたる縄のりの 名はさね告(の)らじ恋ひは死ぬとも(巻12-3080)
  • 海(わた)の底沖つ白波 龍田山(たつたやま)いつか越えなむ妹(いも)があたり見む(巻1-83)
  • をとめらが織(お)る機(はた)の上を真櫛(まくし)もち掻上(かか)げ 栲島(たくしま)波の間(ま)ゆ見ゆ(巻7-1233)
  • をとめらが袖 布留山の瑞垣(みづかき)の 久しき時ゆ思ひきわれは(巻4-501)
  • をとめらが放(はな)りの髪を 由布(ゆふ)の山(やま)雲なたなびき家のあたり見む(巻7-1244)
  • をみなへし佐紀野(さきの)に生(お)ふる白(しら)つつじ 知らぬこともて言はれし我(わ)が背(巻10-1905)
  • をみなへし咲く沢に生ふる花かつみ かつても知らぬ恋もするかも(巻4-675

【PR】

 

古典に親しむ

万葉集・竹取物語・枕草子などの原文と現代語訳。

バナースペース

【PR】

各巻の主な作者

巻第1
雄略天皇/舒明天皇/中皇命/天智天皇/天武天皇/持統天皇/額田王/柿本人麻呂/高市黒人/長忌寸意吉麻呂/山上憶良/志貴皇子/長皇子/長屋王

巻第2
磐姫皇后/天智天皇/天武天皇/藤原鎌足/鏡王女/久米禅師/石川女郎/大伯皇女/大津皇子/柿本人麻呂/有馬皇子/長忌寸意吉麻呂/山上憶良/倭大后/額田王/高市皇子/持統天皇/穂積皇子/笠金村

巻第3
柿本人麻呂/長忌寸意吉麻呂/高市黒人/大伴旅人/山部赤人/山上憶良/笠金村/湯原王/弓削皇子/大伴坂上郎女/紀皇女/沙弥満誓/笠女郎/大伴駿河麻呂/大伴家持/藤原八束/聖徳太子/大津皇子/手持女王/丹生王/山前王/河辺宮人

巻第4
額田王/鏡王女/柿本人麻呂/吹黄刀自/大伴旅人/大伴坂上郎女/聖武天皇/安貴王/門部王/高田女王/笠女郎/笠金村/湯原王/大伴家持/大伴坂上大嬢

巻第5
大伴旅人/山上憶良/藤原房前/小野老/大伴百代

巻第6
笠金村/山部赤人/車持千年/高橋虫麻呂/山上憶良/大伴旅人/大伴坂上郎女/湯原王/市原王/大伴家持/田辺福麻呂

巻第7
作者未詳/柿本人麻呂歌集

巻第8
舒明天皇/志貴皇子/鏡王女/穂積皇子/山部赤人/湯原王/市原王/弓削皇子/笠金村/笠女郎/大原今城/大伴坂上郎女/大伴家持

巻第9
柿本人麻呂歌集/高橋虫麻呂/田辺福麻呂/笠金村/播磨娘子/遣唐使の母

巻第10~13
作者未詳/柿本人麻呂歌集

巻第14
作者未詳

巻第15
遣新羅使人等/中臣宅守/狭野弟上娘子

巻第16
穂積親王/境部王/長忌寸意吉麻呂/大伴家持/陸奥国前采女/乞食者

巻第17
橘諸兄/大伴家持/大伴坂上郎女/大伴池主/大伴書持/平群女郎

巻第18
橘諸兄/大伴家持/大伴池主/田辺福麻呂/久米広縄/大伴坂上郎女

巻第19
大伴家持/大伴坂上郎女/久米広縄/蒲生娘子/孝謙天皇/藤原清河

巻第20
大伴家持/大原今城/防人等


(大伴家持)

和歌の修辞技法

枕詞
 序詞とともに万葉以来の修辞技法で、ある語句の直前に置いて、印象を強めたり、声調を整えたり、その語句に具体的なイメージを与えたりする。序詞とほぼ同じ働きをするが、枕詞は5音句からなる。
 
序詞(じょことば)
 作者の独創による修辞技法で、7音以上の語により、ある語句に具体的なイメージを与える。特定の言葉や決まりはない。
 
掛詞(かけことば)
 縁語とともに古今集時代から発達した、同音異義の2語を重ねて用いることで、独自の世界を広げる修辞技法。一方は自然物を、もう一方は人間の心情や状態を表すことが多い。
 
縁語(えんご)
 1首の中に意味上関連する語群を詠みこみ、言葉の連想力を呼び起こす修辞技法。掛詞とともに用いられる場合が多い。
 
体言止め
 歌の末尾を体言で止める技法。余情が生まれ、読み手にその後を連想させる。万葉時代にはあまり見られず、新古今時代に多く用いられた。
 
倒置法
 主語・述語や修飾語・被修飾語などの文節の順序を逆転させ、読み手の注意をひく修辞技法。
 
句切れ
 何句目で文が終わっているかを示す。万葉時代は2・4句切れが、古今集時代は3句切れが、新古今時代には初・3句切れが多い。
 
歌枕
 歌に詠まれた地名のことだが、古今集時代になると、それぞれの地名が特定の連想を促す言葉として用いられるようになった。

【PR】

万葉集トップ
万葉集の歌【目次】へ