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物に宿る「霊」

 皆さまは「霊」とか「霊魂」の存在について、いかが思われていますでしょうか。私は何かと信心深いほうですので、「霊」についてもずいぶん興味を持っています。

 ある人によれば、霊は「物」にも宿るといいます。たとえば長い年月の間、ずっと身近にあって愛用し続けてきた物。そうした物には、ご主人さまと過ごした楽しい思い出が、霊となって宿っているそうです。霊能力者とか霊感の強い人が、それらの物に触れると、「あのころは楽しかった」なんていう物の声が聞こえてくるんですって。皆さまにもそのような愛すべき「物」があるのではないでしょうか。

 私の場合だと、社会人になってすぐに買って以降40年近く使い続けているCanon製のソーラー電卓があります。転勤であちこちに異動しても、勤務先が変わっても、机の上から何べん落としても壊れることなく、常に私の傍らにあって仕事を助けてくれてきた正真正銘の愛用品です。ですから、間違いなく霊が宿っているはずです。もっとも、この場合は、楽しい思い出というよりも、しんどい目にあって苦労した思い出のほうが多いかもしれないですけど。

オフィスの机にマスコット

 オフィスのデスク上に、よく家族の写真や記念品、マスコット人形などを飾っている人たちがいますね。私なぞ古いタイプの人間ですから、そういうの、絶対に否定してきた派です。公私混同ともいえる不真面目な行為であり、会社の風土だって決して良いはずがないと、ずっと思ってきました。ところが、どうもそうとは言えないらしいのです。

 組織心理学者のLiane Daveyという人によれば、「デスクや職場がパーソナライズされているのは、本物のエンゲージメントがある証拠だ」って。つまり、そういう人ほど、会社への愛着心や思い入れが強いというのです。また「パーソナリティーや気分を含めた、人間性全体を仕事に持ち込むことが許されている」職場であるという証しでもあるって。

 うーん、言われてみれば確かに「なるほど」という気がします。よく考えてみれば、そもそも自分が勤めている会社や仕事が嫌で嫌でたまらなかったら、デスクの上を飾ろうという気になるはずないですからね。絶対にそんなことしない。愛着があるからこそ色々と飾りたくなってくる・・・。どうやら、これまでの凝り固まった認識を根本から改める必要がありそうです。
 

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