「夢」というのは面白いもんですね。なぜこんな夢を見たんだろうと思うような不思議な夢、それからまるで映画のような一大スペクタルな夢、あるいは恥ずかしい夢・・・。もういろんな夢を見るわけですが、しかし残念なことに多くの場合、何かの夢を見たことは覚えていてもすぐに記憶から消えてしまいます。どんな夢を見ていたか全く思い出せなくなってしまう。
実は、夢を忘れてしまうのには生理学的な理由があるというんです。目が覚めている間は、脳のなかにある「海馬」という部位が大脳新皮質の活動をつねに監視し、神経事象を記録しているのに対し、寝ている間は海馬が新皮質からの入力にほとんど反応しなくなる。つまり、脳内のほかの部分は活動していても、記憶装置のみが働かないようになっているのだそうです。
じゃあなぜそんな仕組みになっているかというと、見た夢を鮮明に覚えていると、今度は現実との区別がつかなくなるから。日常の活動に混乱をきたさないよう、あえて脳がそういうふうにしているわけです。へーと思います。でも、それなら、そもそもなぜ私たちはわざわざ夢を見るのでしょうか。ヒトに限らずイヌやネコなどの動物も夢を見るそうですからね。何か理由があるはず。
実はそこんとこは、長らく研究されているにも関わらず、明確なことは説明されていないようです。ただ間違いないのは、私たちの体は、夢を見ることを前提に作られているという事実です。決して脳の気まぐれとか、余計な行為というわけじゃなく、前述のように前もってきちんと夢を見る準備や態勢ができている。
そうすると、私たちは何がしかの必要に迫られて夢を見ている、見せられているということになります。これはですね、実はコンピュータのディスクのデフラグやクリーニングのようなもの。脳も、ある程度の間隔で蓄積した情報を整理整頓しなくちゃいけませんからね。起きているときにそんな動作はできないから、寝ているときにそのコマンドが発せられ、脳内で多くの情報がめまぐるしく錯綜する。そして、その影響によって、眠りが浅いときとか、ひょんなタイミングとかで、さまざまな夢を見る。どうもそんなふうな感じだと思うところです。
●夢の不思議(追記)
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