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万葉集に詠まれた土地

あ行

  • 明石(あかし)
    兵庫県明石市の東部一帯。「明石の門(と)」「明石の大門(おほと)」は、淡路島との間にある幅約4kmの明石海峡のこと。
  • 秋津(あきづ)
    奈良県吉野町宮滝から御園にかけての地。
  • 秋津島(あきづしま)
    日本国および大和国の古名。「やまと」の美称としても用いられます。
  • 安騎野(あきの)
    奈良県宇陀郡大宇陀町付近の野。この一帯には広く水銀鉱床が分布し、古来、吉野と同じく神仙境として意識されていました。この地を選んでしばしば遊猟が行われたのも、その地の神秘に触れることで、生命力の再生をはかる狙いがあったとされます。
  • 阿胡(あご)
    ①三重県内のある地ながら、所在未詳。阿児町、英虞湾、答志島などとする説があります。
    ②摂津の住吉にある地ながら、所在未詳。「名児」と同じとする説があります。
  • 浅香(あさか)
    大阪市住吉区浅香から堺市浅香山町にかけての一帯。
  • 安積香山(あさかやま)
    福島県郡山市にある山。一説には、郡山市西北にある標高1009mの額取山(ひたいとりやま)。
  • 朝妻(あさづま)
    奈良県御所市朝妻。聖徳太子が建立した葛城寺のあたり。
  • 足柄(あしがら/あしがり)
    神奈川県西部、足柄上郡・足柄下郡の地。「足柄山」は、神奈川県と静岡県との境にある箱根山群の総称。
  • 味真野(あぢまの)
    福井県武生市味真野町一帯の野。
  • 蘆屋(あしや/あしのや)
    兵庫県芦屋市および神戸市東部一帯の地。
  • 明日香/飛鳥(あすか)
    奈良県明日香村。「明日香川(飛鳥川)」は竜門山地の高取山に源を発して北へ向かって流れ、藤原宮の南を横切って大和川に合流する川。
  • 安蘇(あそ)
    下野国の郡名。栃木県安蘇郡の範囲。
  • 阿太(あだ)
    奈良県五条市の東部、吉野川沿いに広がる東阿田・西阿田・南阿田町一帯の地。
  • 安達太良山(あだたら山)
    福島県中部にある、標高1728mの活火山。
  • 味真野(あぢまの)
    福井県武生市味真野町一帯の野。
  • 痛足(あなし)
    奈良県桜井市穴師。「穴師川」は穴師を流れる巻向川のこと。
  • 淡海の海(あふみのうみ)
    琵琶湖。
  • 網の浦(あみのうら)
    香川県坂出市の海浜。
  • 嗚呼見の浦(あみのうら)
    鳥羽湾の西に突出している小浜の入海で、今も「アミの浜」と呼ばれている地とされます。
  • 年魚市潟(あゆちがた)
    名古屋市南部の入海の低湿地帯とされますが、詳細不詳。
  • 荒津(あらつ)
    福岡市中央区西公園付近。大宰府の外港として利用されました。
  • 安礼の崎(あれのさき)
    愛知県宝飯郡御馬の南にある岬ではないかとされます。
  • 伊香山(いかごやま)
    滋賀県伊香郡の賎ケ岳麓。
  • 伊香保(いかほ)
    群馬県伊香保町南西一帯の山地。「伊香保嶺」は標高1448mの榛名山。
  • 斑鳩(いかるが)
    奈良県生駒郡の南部、斑鳩町。
  • 生駒山(いこまやま)
    奈良県生駒市と大阪府東大阪市との県境にある標高642mの山で、生駒山地の主峰。
  • 泉川(いづみがは)
    奈良県を流れる木津川。
  • 石上(いそのかみ)
    奈良県天理市の石上神社あたり。
  • 猪名野(ゐなの)
    兵庫県伊丹市から尼崎市あたりの平野。
  • 印南野(いなみの)
    兵庫県南部の加古川・明石川二流域にまたがる野。溜め池が多いことで有名。
  • 磐代/岩代(いはしろ)
    和歌山県南部町の岩代の地。結松(むすびのまつ)の伝説地。
  • 祝島(いはひしま)
    山口県上関町祝島。周防灘の東端に位置する小島。
  • 磐余(いはれ)
    藤原京のすぐ東、奈良県桜井市池之内と橿原市池尻の一帯。「磐余の池」は桜井市にあった池。
  • 妹背(いもせ)の山
    和歌山県かつらぎ町の紀ノ川北岸にある背の山(標高168m)と、対岸にある妹山(標高124m)。
  • 宇智(うち)の野
    奈良県五條市にある、吉野川右岸の野。
  • 畝傍山(うねびやま)
    奈良県橿原市にある標高199mの山。香具山・耳成山とともに大和三山の一つ。
  • 息長川(おきながかは)
    通説では近江の天野川とされていますが、河内の川、現在の今川とする説もあります。
  • 大江山(おほえやま)
    山城から丹波へ越える途中にある山。
  • 大伴(おほとも)
    今の難波の辺り一帯の地名で、かつて大伴氏の領地でした。
  • 於保の浦(おほのうら)
    出雲の国庁に近い意宇の海の浦の名とされます。

か行

  • 鏡山(かがみやま)
    福岡県香春町鏡山にある小山。神功皇后を祀る鏡山神社があります。
  • 香久山(かぐやま)
    奈良県橿原市にある標高152mの山。天上から降った聖なる山との伝説があり、「天の香具山」とも呼ばれます。畝傍山(うねびやま)・耳成山(みみなしやま)とともに大和三山の一つ。
  • 可古の島(かこのしま)
    兵庫県加古川市にあったらしい加古川河口の島。
  • 香椎潟(かしひがた)
    福岡市の香椎浜。
  • 橿原(かしはら)
    奈良県橿原市畝傍町。神武天皇が即位したと伝えられる地。
  • 春日野(かすがの)・春日山(かすがやま)
    平城京の東の丘陵地。その東にある山が春日山。春日山の原始林は、古来、神域として保護され、今では世界遺産となっています。
  • 葛城(かづらき)
    奈良県西南部の金剛山地東麓の一帯。
  • 香春(かはる)
    福岡県田川郡香春町(かわらまち)。
  • 蒲生野(かまふの)
    琵琶湖東南の蒲生郡安土町付近の野。大海人皇子と額田王の贈答歌(巻第1-20・21)の舞台ともなった地です。
  • 唐崎(からさき)
    滋賀県大津市唐崎の唐崎神社周辺の地。
  • 韓亭(からとまり)
    福岡市西区宮浦唐泊とされています。唐泊の港はかつては、遣新羅使や遣隋使、遣唐使などの航路の中継港として栄えました。
  • 軽(かる)
    奈良県橿原市大軽のあたり。
  • 企救(きく)
    北九州市の周防灘沿岸の旧郡名。
  • 象山(きさやま)
    奈良県吉野町宮滝の下流南岸に見える山。
  • 草香(くさか)
    生駒山の西麓一帯の地。東大阪市日下町あたり。「草香山」は、生駒山の西の一部。
  • 朽網山(くたみやま)
    熊本県と大分県の境にある久住山のこと。標高1788m。
  • 百済野(くだらの)
    奈良県北葛城郡広陵町百済あたりの野。百済国からの帰化人がいたための地名とされます。
  • 国栖(くにす)
    奈良県吉野町の吉野川上流の地方か。
  • 久邇(くに)の都
    京都府南部の木津川市にあった、天平12年(740年)12月から同16年2月までの聖武天皇の帝都。
  • 倉無の浜(くらなしのはま)
    大分県中津市竜王町の浜。
  • 伎人(くれ)
    大阪市平野区喜連あたり。
  • 黒牛潟(くろうしがた)
    和歌山県海南市にある黒江湾。黒牛に似た大石が潮の干満によって見え隠れしていました。
  • 飼飯(けひ)
    淡路島の津名郡五色町。
  • 巨勢(こせ)
    奈良県御所市古瀬のあたり。古瀬にある阿吽(あうん)寺は椿の名所。
  • 木幡(こはた)
    京都府宇治市の北部。

さ行

  • 西海(さいかい)
    九州・壱岐・対馬の総称。
  • 鷺坂山(さぎさかやま)
    京都府城陽市久世にある丘といわれています。
  • 佐紀野(さきの)
    奈良市佐紀町・歌姫町あたりに広がっていた野。平城京の北。
  • 桜田(さくらだ)
    名古屋市南区元桜田町。
  • 狭残(さざ)
    三重県多気郡明和町大淀。
  • 楽浪(ささなみ)
    琵琶湖の西南岸地方。「楽浪の」は志賀、大津、比良などの枕言葉として使われます
  • 雑賀野(さひかの)
    和歌山市南部の和歌浦町。
  • 佐保(さほ)
    平城京の北部、佐保川の北側の地。貴族の住宅地で、長屋王の邸宅などがありました。
  • 狭岑の島(さみねのしま)
    香川県坂出市の沙弥島(しゃみじま)。今は埋め立てによって陸続きになっています。
  • 志賀(しか)
    福岡市の博多湾に浮かぶ志賀島。現在は砂州で陸続きになっています。
  • 志賀(しが)
    滋賀県滋賀郡および大津市北部の地。
  • 磯城島(しきしま)
    奈良県桜井市金屋付近。「大和」の形容、また「大和」の意にも用いられました。
  • 四泥の崎(しでのさき)
    三重県四日市市大宮町にあった出洲。
  • 渋谿(しぶたに)
    富山県北部にある現在の雨晴(あまはらし)海岸。立山連峰を望む絶景で有名。
  • 塩津(しほつ)
    琵琶湖の北端にある港。北陸を結ぶ重要な港でした。
  • 珠洲(すす)
    能登半島の石川県珠洲市および珠洲郡の地。
  • 須磨(すま)
    神戸市須磨区一帯の地。海人が塩を焼く地として知られていました。
  • 住坂(すみさか)
    奈良県東部の伊勢道にある坂。
  • 住吉(すみのえ)
    大阪市住吉区。現在は埋め立てられているため、万葉時代にあった海浜はありません。
  • 石花海(せのうみ)
    富士山麓の西湖と精進湖。もとは1つの湖だったのが、864年の富士山噴火によって2つに別れたといいます。

た行

  • 高師(たかし)の浜
    大阪府堺市浜寺公園から高石市高師浜にかけての海浜。
  • 高島(たかしま)
    琵琶湖の西岸、滋賀県高島郡の地。
  • 高千穂(たかちほ)
    宮崎県高原町の高千穂峰、または同県高千穂町の山。
  • 高津(たかつ)
    大阪市の上町台地の北部。難波宮跡を中心とした一帯。
  • 高野原(たかのはら)
    奈良市佐紀町の佐紀丘陵から西南の一帯。西大寺(高野寺)があります。
  • 高円山(たかまとやま)
    奈良市の東南、春日山に連なる標高432mの山。聖武天皇の離宮、尾上宮(おのうえのみや)があった所と伝えられます。
  • 多芸(たぎ)
    岐阜県の「養老の滝」辺りか。養老町に大字多岐の名が残っています。
  • 栲島(たくしま)
    島根県の「中の海」の中央にある大根島か。
  • 竹田(たけだ)
    奈良県橿原市東竹田町の地。「竹田の庄」は、竹田の地にあった大伴氏所有の田地。
  • 多胡(たご)
    群馬県吉井町の地。「多胡の嶺」は、吉井町南部にある山。
  • 田子の浦(たごのうら)
    静岡県の富士川の西方、興津の東方から由比を経て蒲原にいたる海岸。
  • 大宰府(だざいふ)
    福岡県太宰府市。また、7世紀後半にこの地に置かれた地方行政機関。軍事・外交を主な任務とし、九州地方の内政も担当しました。
  • 立山(たちやま)
    富山県の立山連峰。
  • 龍田山(たつたやま)
    奈良県生駒郡三郷町の龍田大社の背後にある山。古来、大和国と河内国を結ぶ龍田越えの道があり、生駒越えと共によく利用されました。龍田川流域にあって、紅葉が美しいことで有名です。
  • 手綱の浜(たづなのはま)
    茨城県高萩市の海岸。
  • 玉津島(たまつしま)
    和歌山市和歌の浦にあった小島。
  • 垂姫(たるひめ)
    富山県氷見市の「布勢の水海」南岸の地。
  • 値嘉(ちか)
    長崎県五島列島、平戸島とその周辺の島々。
  • 千曲川(ちくまがは)
    長野県南佐久郡に発し、長野市の犀川で合流し、新潟県に入ると信濃川と呼ばれます。
  • 血沼(ちぬ)
    大阪府堺市から岸和田市にかけての海岸。
  • 筑波嶺(つくはね)
    筑波山。
  • 角(つの)
    島根県江津市都野津町一帯の地。
  • 角の松原(つののまつばら)
    兵庫県西宮市松原町の海岸。
  • 海石榴市(つばいち)
    奈良県桜井市金屋に所在した市。軽市(かるのいち)、餌香市(えがのいち)などとともに三市とよばれ、男女が集まる歌垣が行われた場所としても有名。万葉集には、この地で詠まれた男女のやりとりの歌があります。
  • 手児の呼坂(てごのよびさか)
    かわいい女が呼びかける坂の意で、所在は諸説あり不明ですが、静岡県富士市の原田公園には「手児の呼坂」の歌碑が建てられています。
  • 礪波(となみ)
    越中国の郡名。富山県の砺波市、小矢部市、東・西砺波郡一帯の地。
  • 飛幡(とばた)
    北九州市戸畑区。
  • 鞆の浦(とものうら)
    広島県福山市の沼隈半島南端にある港湾とその周辺海域。瀬戸内海の東西の中央に位置し、このあたりで潮の流れが変わるため「潮待ち港」として栄え、遣唐使や遣新羅使(けんしらぎし)もここの港に立ち寄ったとされます。

な行

  • 長門(ながと)の島
    広島県呉市南方の倉橋島。
  • 那珂の湊(なかのみなと)
    香川県丸亀市金倉川河口あたりの港。
  • 名木川(なきがは)
    京都府宇治市の南部を流れる川ではないかとされます。
  • 名寸隅(なきすみ)
    兵庫県明石市魚住町・大久保町一帯の地。
  • 奈呉(なご)
    富山県の高岡市から射水市にかけての海岸。
  • 名児(なご)
    大阪市住吉区の地ながら、所在未詳。
  • 夏実(なつみ)
    奈良県吉野町の宮滝から約1km上流の地。
  • 菜摘の川(なつみのかは)
    奈良県吉野町の菜摘付近を流れる吉野川とされます。
  • 難波(なには)
    大阪市およびその周辺の地。「難波津」は、上町台地に沿った海岸にあった港。「難波潟(なにはがた)」は、大阪湾の入江のあたりの遠浅の海。
  • 縄の浦(なはのうら)
    兵庫県相生市那波の海岸。
  • 名張(なばり)
    三重県名張市。
  • 熟田津(にきたつ)
    愛媛県松山市の海浜。新羅遠征に向かう斉明天皇の船団がここに留まった後、いよいよ出航するときを詠った額田王の歌(巻第1-8)で有名です。
    ただし、熟田津は地名ではなく、熟(かがり火)の置かれた田んぼの脇に設営された船着き場(田津)を意味するという説もあるようです。
  • 西(にし)の市(いち)
    奈良京(平城京)の右京八条二坊で営まれた西の市。
  • 新治(にひばり)
    常陸国の郡名。茨城県真壁郡・下妻市・西茨木郡西部の地。筑波山の西北。
  • 丹生(にふ)
    各地に所在あり。「丹生の川」は、吉野川の支流。
  • 沼名川(ぬなかは)
    富山県と新潟県の県境にある犬ヶ岳の東麓に発する小滝川か。上流にはヒスイの原石が多く産出されます。
  • 野島(のしま)
    ①和歌山県御坊市名田町野島。②淡路島の西側の野島の地。
  • 後瀬山(のちせやま)
    福井県小浜市の南にある山。
  • 能登川(のとかは)
    春日山に発し、岩井川と合流して佐保川へ流れ込む川。

は行

  • 羽咋(はくひ)
    石川県の羽咋郡・羽咋市。
  • 波多(はた)
    三重県一志郡一志町。伊勢神宮から20kmの地。
  • 泊瀬(はつせ)
    奈良県桜井市初瀬町。古代大和朝廷の聖地であり、葬送の地でもありました。天武天皇の時代に長谷寺が創建され、今なお信仰の地であり続けています。
  • 泊瀬川(はつせがは)
    奈良県桜井市初瀬の峡谷に発し、三輪山の南を通り大和川に合流する川。
  • 埴科(はにしな)
    信濃国の郡名。長野県埴科郡および更埴市の地。
  • 埴安(はにやす)
    奈良県橿原市の東北部、香具山西麓付近の地。
  • 隼人(はやひと)
    鹿児島県地方。もとは種族の名。
  • 引津(ひきつ)
    福岡県の糸島半島西側の志摩町岐志から船越にかけての浦。
  • 引馬野(ひくまの)
    愛知県の御津町(みとちょう)御馬(おんま)の地。引馬野神社があります。
  • 比治奇の灘(ひぢきのなだ)
    山口県西方の響灘(ひびきなだ)ではないかとされます。
  • 檜隈川(ひのくまがは)
    奈良県明日香村檜前の付近を流れる川。高取川。
  • 東(ひむがし)の市(いち)
    奈良京(平城京」の左京八条二坊で営まれた東の市。
  • 姫島(ひめしま)
    淀川河口にあった島。所在未詳ながら、大阪市西淀川区姫島、同市浪速区敷津西などとする説があります。
  • 比良(ひら)
    琵琶湖の西岸、大津宮の北方、比良山の東麓の地。
  • 衾道(ふすまぢ)
    奈良県天理市中山町、龍王山の西麓。
  • 布施(ふせ)の水海(みづうみ)
    富山県氷見市の南方にあった湖水。
  • 二上山(ふたかみやま)
    奈良県と大阪府の境界をなす葛城連峰にある山で、雄岳と雌岳の二つの峰があります。二上山の雄岳の山頂近くに、非業の死を遂げた大津皇子の墓が、大和に背を向けるようにして建っています。
  • 二見の道(ふたみのみち)
    愛知県豊川市の姫街道。
  • 藤江の浦(ふぢえのうら)
    兵庫県明石市藤江付近、播磨灘に面する海岸。
  • 藤白の坂(ふぢしろのさか)
    和歌山県海南市藤白坂。謀叛の疑いをかけられた有間皇子が追手によって絞殺された場所です。
  • 不破(ふは)
    岐阜県大垣市の西方、不破郡の地。
  • 布留(ふる)
    奈良県天理市布留町で、石上(いそのかみ)神社の周辺。
  • 平群の山(へぐりのやま)
    奈良県生駒市から平群町に流れる龍田川が形成した平群谷をはさんだ一帯の山々。
  • 堀江(ほりえ)
    難波の地の掘削。天満川のことか。「難波堀江」とも。

ま行~

  • 真神の原(まがみのはら)
    奈良県明日香村にある飛鳥寺の南方の原。
  • 巻向(まきむく)
    奈良盆地の南東部、三輪山の北西部一帯。奈良県桜井市穴師を中心とした地。「巻向山」は、その東方にある標高567mの山。「巻向川」」は、巻向山から三輪山の北を西に流れ、初瀬川に注ぐ川。
  • 真土山(まつちやま)
    大和と紀伊の境にある山。
  • 松浦川(まつら)
    肥前国の郡名。唐津市あたりが中心。「松浦川」は、佐賀県を流れる川。
  • 圓方(まとかた)
    三重県松坂市の東部。
  • 真野の浦(まののうら)
    神戸市長田区東池尻町と真野町の新湊川の河口あたりか。
  • 真間(まま)
    千葉県市川市真間付近の地。
  • 麻里布(まりふ)の浦
    山口県岩国市麻里布町付近か。
  • 三笠山(みかさやま)
    奈良市東部の若草山の南側、春日山の西峰をなす標高282mの山。阿倍仲麻呂(あべのなかまろ)の「天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも」の歌でも有名。
  • 三香の原(みかのはら)
    京都府木津川市加茂町とその周辺の瓶原(みかのはら)盆地。
  • 敏馬(みぬめ)
    神戸市灘区岩屋・大石の付近。
  • 三船(みふね)の山
    奈良県吉野町宮滝付近にある標高487mの山。船岡山とも。
  • 耳我の嶺(みみがのみね)
    奈良県吉野町の吉野山東南の金峰山(きんぷせん)か。
  • 耳成山(みみなしやま)
    奈良県橿原市にある標高140mの山。香具山・畝傍山とともに大和三山の一つ。
  • 三宅の原(みやけのはら)
    奈良県磯城郡三宅町あたり。
  • 三輪山(みわやま)
    奈良県桜井市にある標高463mの山。三諸山(みもろやま)ともいいます。山全体が大神(おおみわ)神社の御神体であり、しばしば祟りを及ぼすと畏れられていました。
  • 焼津(やきつ)
    静岡県焼津市。
  • 八島(やしま)
    日本の古称。多くの島々の意。
  • 矢釣山(やつりやま)
    奈良県明日香村矢釣の東北にある山。
  • 山辺の御井(やまのへのみゐ)
    所在不詳で、三重県鈴鹿市山辺町、一志郡久居町など諸説あります。
  • 湯羅の崎(ゆらのさき)/由良の岬(ゆらのみさき)
    和歌山県日高郡由良町の由良港付近の岬。
  • 吉野(よしの)
    奈良県吉野郡吉野町。ここの宮滝に離宮があり、吉野は大和朝廷にとって聖地でありました。持統天皇の時代には31回もの行幸が行われました。
  • 吉隠(よなばり)
    奈良県桜井市東部の地区。大和高原の南端にあたります。
  • 和歌の浦(わかのうら)
    和歌山市南方の和歌浦湾。潮の干満によって姿を変える干潟や、熊野参詣道紀伊路・藤白坂、また紀伊水道に面した雑賀崎まで叙情的な風景が広がります。
  • 渡会(わたらひ)
    伊勢国の郡名。三重県伊勢市および渡会郡の地。
  • 猪養(ゐかひ)の山
    奈良県桜井市吉隠の東北方にある山。

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古典に親しむ

万葉集・竹取物語・枕草子などの原文と現代語訳。

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旧国名比較

【南海道】
紀伊(和歌山・三重)
淡路(兵庫)
阿波(徳島)
讃岐(香川)
土佐(高知)
伊予(愛媛)
 
【西海道】
豊前(福岡・大分)
豊後(大分)
日向(宮崎)
筑前(福岡)
筑後(福岡)
肥前(佐賀・長崎)
肥後(熊本)
薩摩(鹿児島)
大隅(鹿児島)
壱岐(長崎)
対馬(長崎)
 
【山陰道】
丹波(京都・兵庫)
丹後(京都)
但馬(兵庫)
因幡(鳥取)
伯耆(鳥取)
出雲(島根)
隠岐(島根)
石見(島根)
 
【機内】
山城(京都)
大和(奈良)
河内(大阪)
和泉(大阪)
摂津(大阪・兵庫)
 
【東海道】
伊賀(三重)
伊勢(三重)
志摩(三重)
尾張(愛知)
三河(愛知)
遠江(静岡)
駿河(静岡)
伊豆(静岡・東京)
甲斐(山梨)
相模(神奈川)
武蔵(埼玉・東京・神奈川)
安房(千葉)
上総(千葉)
下総(千葉・茨城・埼玉・東京)
常陸(茨城)
 
【北陸道】
若狭(福井)
越前(福井)
加賀(石川)
能登(石川)
越中(富山)
越後(新潟)
佐渡(新潟)
 
【東山道】
近江(滋賀)
美濃(岐阜)
飛騨(岐阜)
信濃(長野)
上野(群馬)
下野(栃木)
岩代(福島)
磐城(福島・宮城)
陸前(宮城・岩手)
陸中(岩手)
羽前(山形)
羽後(秋田・山形)
陸奥(青森・秋田・岩手)

国の等級

大国
大和/河内/伊勢/武蔵/上総/下総/常陸/近江/上野/陸奥/越前/播磨/肥後

上国
山城/摂津/尾張/三河/遠江/駿河/甲斐/相模/美濃/信濃/下野/出羽/加賀/越中/越後/丹波/但馬/因幡/伯耆/出雲/美作/備前/備中/備後/安芸/周防/紀伊/阿波/讃岐/伊予/筑前/筑後/豊前/豊後/肥前

中国
安房/若狭/能登/佐渡/丹後/石見/長門/土佐/大隅/薩摩/日向

下国
和泉/伊賀/志摩/伊豆/飛騨/隠岐/淡路/壱岐/対馬


(大伴家持)

万葉時代の年表

629年
舒明天皇が即位
古代万葉を除く万葉時代の始まり
630年
第1回遣唐使
645年
大化の改新
652年
班田収授法を制定
658年
有馬皇子が謀反
660年
唐・新羅連合軍が百済を滅ぼす
663年
白村江の戦いで敗退
664年
大宰府を設置。防人を置く
667年
大津宮に都を遷す
668年
中大兄皇子が即位、天智天皇となる
670年
「庚午年籍」を作成
671年
藤原鎌足が死去
天智天皇崩御
672年
壬申の乱
大海人皇子が即位、天武天皇となる
680年
柿本人麻呂歌集の七夕歌
681年
草壁皇子が皇太子に
686年
天武天皇崩御
大津皇子の変
689年
草壁皇子が薨去
690年
持統天皇が即位
694年
持統天皇が藤原京に都を遷す
701年
大宝律令の制定
708年
和同開珎鋳造
このころ柿本人麻呂死去か
710年
平城京に都を遷す
712年
『古事記』ができる
716年
藤原光明子が首皇子(聖武天皇)の皇太子妃に
718年
大伴家持が生まれる
720年
『日本書紀』ができる
723年
三世一身法が出される
724年
聖武天皇が即位
726年
山上憶良が筑前守に
727年
大伴旅人が大宰帥に
729年
長屋王の変
731年
大伴旅人が死去
733年
山上憶良が死去
736年
遣新羅使人の歌
737年
藤原四兄弟が相次いで死去
740年
藤原広嗣の乱
恭仁京に都を移す
745年
平城京に都を戻す
746年
大伴家持が越中守に任じられる
751年
家持、少納言に
越中国を去り、帰京
752年
東大寺の大仏ができる
756年
聖武天皇崩御
754年
鑑真が来日
755年
家持が防人歌を収集
757年
橘奈良麻呂の変
758年
家持、因幡守に任じられる
759年
万葉終歌

五畿七道

「五畿七道」は、律令制による地方行政上の行政区分。「五畿」は、大化改新後の646年に設置された山城、大和、摂津、河内、和泉の5か国をいい、首都圏ともいうべき要国であって、政治、経済、文化の中心地域でした。「七道」は、689年に施行された飛鳥浄御原令以後に成立した東海道、東山道、北陸道、山陰道、山陽道、南海道、西海道の7つの区画をさします。

律令国家による中央集権支配は国・郡・里制でしたが、各国に対する支配は畿内と道を単位として行われました。また、畿内制設定の当初は、畿内は畿外から軍事的に防衛され、また官人を任用する特別地域であり、大宝令でも調(ちょう)の半分と庸(よう)が免除されるといった優遇がなされていました。

中央と諸国の連絡には、道路に沿って人・馬・車を常備した駅を置き、駅を伝わって往来する駅伝制がとられました。原則30里(約16km)ごとに駅を設置し、大路(山陽道)の駅には馬20頭、中路(東海道・東山道)の駅には馬10頭、その他の4道の駅には馬5頭が配置され、公務出張や公文書の伝送に利用されました。また、これとは別に、国司が国内巡行に利用するため、国や郡が管理する伝馬制もありました。

大和三道

「大和三道」は大和の古道ともよばれ、「山の辺の道」とは別に、奈良盆地の中央から東寄りを南北に平行、等間隔に並んだ縦貫道です。東から順に「上つ道」「中つ道」「下つ道」とよばれ、長さはおよそ4里あります。『日本書紀』の壬申の乱に関する記事で、すでにこの三道の名が見えるので、天武朝以前に完成していたとみられています。

利用目的についてはよく分かっていませんが、当時は飛鳥盆地や周辺の丘陵部で宮殿・寺院・貴族の邸宅の造営などが相次いで行われたため、その資材の運搬のための道路であるとも考えらます。また、壬申の等乱でこの三道が効果的によく用いられているところから、軍事用に作られたのではないかとも推測されています。

現在でも、主要な交通路としての役割を果たしており、昔の面影が残っている所が多く存在しています。

奈良の旅

JR桜井線

奈良(なら)
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京終(きょうばて)
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帯解(おびとけ)
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櫟本(いちのもと)
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天理(てんり)
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長柄(ながら)
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柳本(やなぎもと)
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巻向(まきむく)
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三輪(みわ)
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桜井(さくらい)
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香具山(かぐやま)
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畝傍(うねび)
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金橋(かなはし)
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高田(たかだ)

瀬戸内海航路

古来、日本列島の海上交通体系は、瀬戸内海の航路を中心に組み立てられてきました。古代における瀬戸内海は、北部九州(大宰府)と畿内の2つの拠点を結ぶ主要な航路としてその役割を果たしており、加えて、大陸文化の流入においても、朝鮮や中国への使節(遣唐使・遣新羅使)が畿内の難波津から目的地に向かう際に利用する重要な交通路となっていました。

そのため、大和朝廷は瀬戸内海沿岸の港の整備に力を入れ、遣唐使や遣新羅使の航路である難波津から武庫の浦、明石の浦、藤江の浦、多麻の浦、鞆の浦、長井の浦、風速の浦、長門の浦、麻里布の浦、大島の鳴戸、熊毛の浦、佐婆津、分間の浦、筑紫館へと続く諸港が開かれました。

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