戦国の武将・武田信玄がこんなことを言っています。
「私が若い者と話をすると、三通りの反応を示す。一つ目はポカンと口を開けて私の話に呑み込まれているタイプ。二つ目は、私の喉(のど)あたりをじっと見つめていて、分かっているのか分かっていないのかはっきりしないタイプ。三つ目は、私が話している間じゅう、いちいち相槌を打ったり笑顔を見せたりするタイプ」
信玄はさらに話を続けて、
「一番目のポカンと口を開けて私の話に呑まれているのは、自分の判断がまったくつかないヤツだ。二番目の、喉のあたりをじっと見つめているのは、一見愚かそうに見えるが、実は私の言うことを一つ一つ噛みしめ、頭の中で反芻(はんすう)している。三番目の相槌を打ったり笑ったりする者は、いかにも話を理解していますよと言いたくて、そういう態度をとるのだ」
そして「どのタイプがいちばん大事か?」に関して、
「二番目がいちばん頼もしいタイプ。私の話の内容をきちんと整理し、決して鵜呑みにはしない。分からないことがあったら、おそらく後で聞きに来るだろう」
これと似たような話を、同時代の武将・小早川隆景も語っています。
「すぐ分かったという部下に、分かったためしはない。私はそんなに単純な話はしていない。だから、話をした時には一見ぼんやり聞いているようでも、優れた人間は必ず後で質問をしに来る。こういう人間こそ頼もしい」
上司の皆さま、いかがでしょう? ご自身の部下のなかに思い当たる人物はいらっしゃるでしょうか。
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