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ある会社からの封筒

 銀行や電話会社など、取引のある会社からお客さまに送られてくる郵便物は、たいていその会社独自の封筒が使われていますね。表面に目立つように社名やロゴが印刷されています。何かしら誇らしげでもあり、受け取る側としても一目瞭然で、まことに安心できるわけです。

 ところが、ある会社では、お客さまに文書を郵送する際、絶対に社名が知られてはならない場合があります。どんな会社だかお分かりですか? いや、決してアダルト・グッズなどの恥ずかしい品を送る会社ではありません。きちんとしたお堅い会社です。

 答えは「ガン保険」を取り扱う生命保険会社です。その保険会社もしくは代理店は、ガン患者の家族から治療費などの保険金の支払い請求を受け付けた場合、必ず確認することがあります。それは、患者本人が自分がガンであることを知っているか、ということです。

 最近は医者が本人にガンを告知するケースが増えていますが、それでも3割くらいは告知しないといいます。だから、保険会社としてはそこのところにいちばん注意を払い、必ず家族に「ご本人は病名をご存知なんですか?」と確認します。そして、本人が知らない場合は、真っ白な封筒で、決して保険会社から来たとは知られないように手続き書類を送るのです。

 これを間違えたら大変です。病気の程度が軽くて治る患者だったらともかく、余命いくばくもない末期患者が、保険会社からの封書を見て自分がガンだと知ってしまったら、「間違えました、ゴメンナサイ」ではすまされない、取り返しのつかないことになりかねません。人間って、ふだんはいくら気丈にふるまっていても、いざとなったら、弱いもんですからね。

AIが神になる?

 あらゆる分野のビッグデータを取り込んだAI(人工知能)は、膨大な仮説を次々に生み出し、検証し、相互に関連付けていく。そうなると、当初プログラムした人間の想定や知識をどんどん超えていき、自ら「より優れたAI」を作り出すという「加速度発展」が無限に続き、私たちにはまったく想像もできない世界が到来する・・・。これがテクノロジカル・シンギュラリティーと呼ばれる仮説です。

 私たちが従来、AIやロボットに感じてきた強みは、第1に「スピード」、そして第2に「24時間休みなく働き続ける」ことでした。しかし、ここにきて第3のポイントが現れます。それは「先入観」「偏見」「身びいき」「同情」「執着」「迷い」「嫉妬」「自己顕示欲」といった、人間的な「弱点」から自由、無縁であること。そうなると、AIは、マニュアル通りに働くルーティン的な仕事より、むしろ、高度な知識と的確で冷静な判断力が求められる仕事にこそ強みを発揮するようになるというのです。

 たとえば医師や弁護士のような専門職や、企業の管理職や経営者、さらには政治家や経済政策の立案者なども、今後大幅にAIに取って代わられる可能性があるそうです。そしてさらには、科学技術の彼方にある、人間の最後の砦であるはずの哲学や宗教の世界にまで入り込んでくるかもしれない、って。うはー、まさに神様の到来です。そのときの人間って、いったいどのような生き方をしているんでしょうね。
 

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マーフィーの法則

作業場で道具を落とすと、もっとも手が届きにくい隅っこに転がり込む。

機械が動かないことを誰かに証明して見せようとすると、動きはじめる。

バスは、いつもは予定時刻に来ないが、自分が予定時刻に遅れた時に限って、定刻にやって来る。

机の上のお茶は、いつも最も重要な書類のほうに向かってこぼれる。

ゴルフにおけるベストショットは、一人でプレイしているときに出る。

人生で楽しいことは、違法であるか、反道徳的であるか、太りやすい。

うっかりトーストを落とすと、バターのついた側が下になる。

急いでいる時に限って何かと信号が赤になる。

悪くなる可能性のあるものは、必ず悪くなる。

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