銀行や電話会社など、取引のある会社からお客さまに送られてくる郵便物は、たいていその会社独自の封筒が使われていますね。表面に目立つように社名やロゴが印刷されています。何かしら誇らしげでもあり、受け取る側としても一目瞭然で、まことに安心できるわけです。
ところが、ある会社では、お客さまに文書を郵送する際、絶対に社名が知られてはならない場合があります。どんな会社だかお分かりですか? いや、決してアダルト・グッズなどの恥ずかしい品を送る会社ではありません。きちんとしたお堅い会社です。
答えは「ガン保険」を取り扱う生命保険会社です。その保険会社もしくは代理店は、ガン患者の家族から治療費などの保険金の支払い請求を受け付けた場合、必ず確認することがあります。それは、患者本人が自分がガンであることを知っているか、ということです。
最近は医者が本人にガンを告知するケースが増えていますが、それでも3割くらいは告知しないといいます。だから、保険会社としてはそこのところにいちばん注意を払い、必ず家族に「ご本人は病名をご存知なんですか?」と確認します。そして、本人が知らない場合は、真っ白な封筒で、決して保険会社から来たとは知られないように手続き書類を送るのです。
これを間違えたら大変です。病気の程度が軽くて治る患者だったらともかく、余命いくばくもない末期患者が、保険会社からの封書を見て自分がガンだと知ってしまったら、「間違えました、ゴメンナサイ」ではすまされない、取り返しのつかないことになりかねません。人間って、ふだんはいくら気丈にふるまっていても、いざとなったら、弱いもんですからね。
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