本文へスキップ

アイソレーション電源トランス

 オーディオで良い音を聴くために大切なのが、各機器にいかに「きれいな」電気を流してあげることができるか。いわゆる電源対策ですが、今やオーディオ・ファンにとって当たり前に必須の作法になってきています。そのためのアイテムも数多く売られていて、それぞれを採用することで重畳的に効果を発揮してくれます。しかし、なかには何十万円もするようなべらぼうに高価なものもあり、そんなの、ちょっとやそっとで手が出せるもんじゃありません。

 そこで特に強くお勧めしたく思いますのが、アイソレーション電源トランスです。電源コンセントとアンプやプレーヤーなどの機器との間に中継して繋ぐもので、これも色々と種類がありますが、決して複雑な構造の機器ではないため、ふつうなら数万円で買えます(中にはひどく高価なものもあるので要注意)。このトランスは、本来の電圧安定の機能だけでなく、電気の流れの一次側と二次側が絶縁されているために、ノイズが取り除かれたクリーンな電流を得ることができるのです。

 ケーブルやタップなどの外側から働きかけてノイズを除去しようとするアイテムもありますが、それらとは違い、こちらは電気の流れそのものをザクッとせき止めて、ゴミを除いた純粋な電流のみを漉(こ)し取る、そんなイメージでしょうか。使用後は、静寂感が高まり、音の輪郭がくっきりします。さらに、よけいな雑味が無くなった分、音圧が高まったかのような感覚が得られます。この違いは一聴しただけでハッキリ判別できるほどです。

 もし色々ある電源対策の中で、たった一つの方法しか選ぶことができないとすれば、私は迷うことなくこれを選ぶと思います。数万円というのも決して安くはないのですが、費用対効果は絶大、むしろお値段以上の価値ははるかにあると感じます。アイソレーション電源トランス、もはやオーディオ・ファンにとって必須のアイテムといってよいのではないでしょうか。まだ導入していない方がいらっしゃいましたら、強くお勧めしたく思います。

その他のアイテム

 電流のノイズ対策、すなわち「キレイな」電気を流す方法として、たった一つしか選ぶことができないなら、私はアイソレーション電源トランスを選ぶと申し上げました。しかしそうは言っても、他のノイズ対策用アイテムも並行的に採り入れる必要があります。なぜなら、電流を汚すノイズは、機器やケーブル周りの色んな場所から入り込んできて音を濁らせてしまうため、決して一つの対策で全てが解決するわけではないからです。

 私が別途導入していますのは、@電源コンセントに挿し込んで使用するノイズフィルター、A各種プラグを支え、振動や静電気を抑制するホルダー、また、Bケーブルインシュレーターと称し、溶液の入った螺旋状のチューブをケーブルに装着するものなどです。それぞれを順次採り入れたために、重畳的に効果が発揮されるのがハッキリと実感でき、今ではこれらも決して手放せないアイテムになっています。また、あらためてノイズの侵入には油断も隙もないことに気づかされるのであります。

 その他にも、私が知らないアイテムが数多くあるようですが、こと電流対策に関しては、どんなに気を使っても使いすぎるということはないと思います。それほどに音質に与える影響は大きいと痛感しますし、私のやってる方法だって、まだまだ不十分に違いありません。極めてヘビーな方は、「マイ電柱」なるものを設置して、電流のきれいさを極めようとしていらっしゃるようですが、さすがにそこまでの財力やノウハウがございません。まことにうらやましい限りです。
  

ウェルフロート・ボード

 スピーカーやアンプなどの下に敷くオーディオ・ボードにもいろいろありますが、私が使用しているのは、東大阪のジークレフ音響という会社が開発したウェルフロート・ボードです(上の写真)。二重構造になっており、上下2枚のボードの間に特殊なバネが組み込まれています。といっても耐荷重は十分ありますから心配いりません。

 従来のオーディオ・ボードは、土台をガチガチに固定する「耐震構造」のイメージだったのに、これは全く反対?の発想といってよい、宙に浮かす「免震構造」といったらよいでしょうか。載せたスピーカーを押せばゆらゆらと揺れ動きます。最初はこんなんで大丈夫かとずいぶん疑心暗鬼を生じていましたが、これによって、むしろボードの存在を消してしまう発想だそうです。すなわち、スピーカーが宙に浮いているような状態。

 メーカーさんによれば「インシュレーターを噛まさず、スピーカーをボード上に直置きして下さい」とあります。使用後の印象としては、ストレスから解放されたかのようなスカーッとした音が飛び出してきます。地震のときも、揺れを吸収するので安心です。実際、2011年の東日本大震災のときに、マランツ視聴室にあるB&Wで、倒れなかったのはウェルフロートボードの上の物だけだったという報告を目にしました。
  

【PR】


目次へ ↑このページの先頭へ

【PR】

SN比

SN比とは、オーディオ機器の有効な信号成分(シグナル)とノイズ(雑音))の比率のことで、信号対雑音比ともいう。式で表すと以下とおり。

SN比 = 信号電力/雑音電力

単位はデシベル(dB)で、この値が大きいほど信号の品質や機器の性能がよい。

アンプ等の電子回路には、必ず一定量のノイズが存在するため、メーカーは回路設計の工夫や良質の部品の組み合わせ、配線への配慮等によってノイズの低減をはかっている。なお、スピーカー単体が自らノイズを発生することはない。

【PR】

デアゴスティーニ

目次へ