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巻第20(索引)万葉集(掲載歌の索引)古典に親しむ

『万葉集』巻第20-4314

訓読

4314
八千種(やちくさ)に草木を植ゑて時ごとに咲かむ花をし見つつ偲(しの)はな

意味

〈4314〉
 色々な草木を庭に植えて、季節ごとに咲く花を見ながら愛でたいものだ。

鑑賞

 天平勝宝6年(749年)7月28日に大伴家持が作った歌。「八千種」は、多くの種類。「時ごとに」は、四季折々に。「偲はな」は、ここは賞美する意。弟の書持が亡くなった時の挽歌(巻第17-3957)の自注に、故人が多くの花草花樹を愛して庭に植えていたことを記していますが、家持もそれに劣らなかったことは、これまでの多くの歌から窺い知ることができます。しかし、ここの家持は、「独り」の字こそないものの、煩わしい世間に背を向け閑居を望もうとする、所在なさゆえの土いじりのようにも感じられます。窪田空穂は、「花木を愛賞する家持ではあるが、こうした覇望を新たに起こすのは、越中守時代なればふさわしいが、京にあっては不自然な感がある。何らかの刺激があってのことかと思わせる」と述べています。

 この歌を詠んだ7月28日の9日前に、聖武天皇の生母である
太皇太后(文武天皇夫人の藤原宮子)が崩じており、家持の籠居の一因もあるいは国葬服喪期間ということもあったかもしれません。
 

藤原宮子

 藤原不比等の娘、母は賀茂比売(ひめ)。光明皇后の姉。文武1年(697年)1月に文武天皇の夫人となり、大宝1年(701年)12月に首(おびと)皇子(聖武天皇)を生んで心身不調となったが、天平9年(737年)、僧玄昉(げんぼう)の看病によって快復、37年目にはじめてわが子と対面したという。玄昉はこれを機に政界に進出。宮子は、聖武天皇即位により皇太夫人、孝謙朝では太皇太后と称された。天平勝宝6年7月19日死去。 

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『万葉集』クイズ

 次の歌はいずれも大伴家持の歌です。それぞれの歌のの中に当てはまる語を、ひらがなで答えてください。

  1. 春の園紅にほふ〇〇の花下照る道に出で立つ娘子
  2. もののふの八十娘子らが汲み乱ふ寺井の上の〇〇〇〇の花
  3. 朝床に聞けば遥けし射水川朝漕ぎしつつ唄ふ〇〇〇〇
  4. しなざかる〇〇に五年住み住みて立ち別れまく惜しき宵かも
  5. うらうらに照れる春日に〇〇〇上がり心悲しも独し思へば
  6. ふりさけて〇〇〇〇見ればひと目見し人の眉引き思ほゆるかも
  7. うち霧らし雪は降りつつしかすがに吾家の園に〇〇〇〇鳴くも
  8. 立山に降り置ける雪を〇〇〇〇に見れども飽かず神からならし
  9. 雪の上に照れる月夜に〇〇の花折りて送らむはしき子もがも
  10. 新しき年の始の〇〇〇〇の今日降る雪のいや重け吉事


【解答】 1.もも(桃) 2.かたかご(堅香子) 3.ふなびと(舟人) 4.こし(越) 5.ひばり 6.みかづき(若月) 7.うぐひす(鶯) 8.とこなつ(常夏) 9.うめ(梅) 10.はつはる(初春)

古典に親しむ

万葉集・竹取物語・枕草子などの原文と現代語訳。