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おもな歌人の歌万葉集(掲載歌の索引)古典に親しむ

大伴家持の歌(索引)②

  1. 巻8-1566 ひさかたの雨間もおかず雲隠り鳴きぞ行くなる早稲田雁がね
  2. 巻8-1567 雲隠り鳴くなる雁の行きて居む秋田の穂立繁くし思ほゆ
  3. 巻8-1568 雨隠り情いぶせみ出で見れば春日の山は色づきにけり
  4. 巻8-1569 雨晴れて清く照りたるこの月夜またさらにして雲なたなびき
  5. 巻8-1572 我が宿の尾花が上の白露を消たずて玉に貫くものにもが
  6. 巻8-1591 黄葉の過ぎまく惜しみ思ふどち遊ぶ今夜は明けずもあらぬか
  7. 巻8-1596 妹が家の門田を見むとうち出で来し心もしるく照る月夜かも
  8. 巻8-1597 秋の野に咲ける秋萩秋風に靡ける上に秋の露置けり
  9. 巻8-1598 さを鹿の朝立つ野辺の秋萩に玉と見るまで置ける白露
  10. 巻8-1599 さを鹿の胸別けにかも秋萩の散り過ぎにける盛りかも去ぬる
  11. 巻8-1602 山彦の相響むまで妻恋ひに鹿鳴く山辺に独りのみして
  12. 巻8-1603 このころの朝明に聞けばあしひきの山呼び響めさを鹿鳴くも
  13. 巻8-1605 高円の野辺の秋萩このころの暁露に咲きにけむ
  14. 巻8-1619 玉桙の道は遠けどはしきやし妹を相見に出でてぞ我が来し
  15. 巻8-1625 我妹子が業と作れる秋の田の早稲穂のかづら見れど飽かぬかも
  16. 巻8-1626 秋風の寒きこのころ下に着む妹が形見とかつも偲はむ
  17. 巻8-1627 我が宿の時じき藤のめづらしく今も見てしか妹が笑まひを
  18. 巻8-1628 我が宿の萩の下葉は秋風もいまだ吹かねばかくぞもみてる
  19. 巻8-1629 ねもころに物を思へば言はむすべ為むすべもなし妹と・・・(長歌)
  20. 巻8-1630 高円の野辺の容花面影に見えつつ妹は忘れかねつも
  21. 巻8-1631 今造る久迩の都に秋の夜の長きにひとり寝るが苦しさ
  22. 巻8-1632 あしひきの山辺に居りて秋風の日に異に吹けば妹をしぞ思ふ
  23. 巻8-1635 佐保川の水を堰き上げて植ゑし田を刈れる初飯はひとりなるべし
  24. 巻8-1649 今日降りし雪に競ひて我がやどの冬木の梅は花咲きにけり
  25. 巻8-1663 沫雪の庭に降りしき寒き夜を手枕まかず独りかも寝む
  26. 巻16-3853 石麻呂に我れ物申す夏痩せによしといふものぞ鰻捕り食せ
  27. 巻16-3854 痩す痩すも生けらばあらむをはたやはた鰻を捕ると川に流るな
  28. 巻17-3900 織女し舟乗りすらしまそ鏡清き月夜に雲立ちわたる
  29. 巻17-3911 あしひきの山辺に居れば霍公鳥木の間立ち潜き鳴かぬ日はなし
  30. 巻17-3912 霍公鳥何の心ぞ橘の玉貫く月し来鳴き響むる
  31. 巻17-3913 霍公鳥楝の枝に行きて居ば花は散らむな玉と見るまで
  32. 巻17-3916 橘のにほへる香かも霍公鳥鳴く夜の雨にうつろひぬらむ
  33. 巻17-3917 霍公鳥夜声なつかし網ささば花は過ぐとも離れずか鳴かむ
  34. 巻17-3918 橘のにほへる園に霍公鳥鳴くと人告ぐ網ささましを
  35. 巻17-3919 あをによし奈良の都は古りぬれどもと霍公鳥鳴かずあらなくに
  36. 巻17-3920 鶉鳴く古しと人は思へれど花橘のにほふこの宿
  37. 巻17-3921 杜若衣に摺り付け大夫の着襲ひ狩する月は来にけり
  38. 巻17-3926 大宮の内にも外にも光るまで降れる白雪見れど飽かぬかも
  39. 巻17-3943 秋の田の穂向き見がてり我が背子がふさ手折り来るをみなへしかも
  40. 巻17-3947 今朝の朝明秋風寒し遠つ人雁が来鳴かむ時近みかも
  41. 巻17-3948 天離る鄙に月経ぬ然れども結ひてし紐を解きも開けなくに
  42. 巻17-3950 家にして結ひてし紐を解き放けず思ふ心を誰れか知らむも
  43. 巻17-3953 雁がねは使ひに来むと騒くらむ秋風寒みその川の上に
  44. 巻17-3954 馬並めていざ打ち行かな渋谿の清き礒廻に寄する波見に
  45. 巻17-3957 天離る鄙治めにと大君の任けのまにまに出でて来し・・・(長歌)
  46. 巻17-3958 ま幸くと言ひてしものを白雲に立ちたなびくと聞けば悲しも
  47. 巻17-3959 かからむとかねて知りせば越の海の荒礒の波も見せましものを
  48. 巻17-3960 庭に降る雪は千重敷くしかのみに思ひて君を我が待たなくに
  49. 巻17-3961 白波の寄する礒廻を漕ぐ舟の楫取る間なく思ほえし君
  50. 巻17-3962 大君の任けのまにまにますらをの心振り起こし・・・(長歌)
  51. 巻17-3963 世間は数なきものか春花の散りのまがひに死ぬべき思へば
  52. 巻17-3964 山川のそきへを遠みはしきよし妹を相見ずかくや嘆かむ
  53. 巻17-3965 春の花今は盛りににほふらむ折りてかざさむ手力もがも
  54. 巻17-3966 鴬の鳴き散らすらむ春の花いつしか君と手折りかざさむ
  55. 巻17-3969 大君の任けのまにまにしなざかる越を治めに出でて来し・・・(長歌)
  56. 巻17-3970 あしひきの山桜花一目だに君とし見てば我れ恋ひめやも
  57. 巻17-3971 山吹の茂み飛び潜く鴬の声を聞くらむ君は羨しも
  58. 巻17-3972 出で立たむ力をなみと隠り居て君に恋ふるに心どもなし
  59. 巻17-3976 咲けりとも知らずしあらば黙もあらむこの山吹を見せつつもとな
  60. 巻17-3977 葦垣の外にも君が寄り立たし恋ひけれこそば夢に見えけれ
  61. 巻17-3978 妹も我れも心は同じ比へれどいやなつかしく相見れば・・・(長歌)
  62. 巻17-3979 あらたまの年返るまで相見ねば心もしのに思ほゆるかも
  63. 巻17-3980 ぬばたまの夢にはもとな相見れど直にあらねば恋ひやまずけり
  64. 巻17-3981 あしひきの山き隔りて遠けども心し行けば夢に見えけり
  65. 巻17-3982 春花のうつろふまでに相見ねば月日数みつつ妹待つらむぞ
  66. 巻17-3983 あしひきの山も近きを霍公鳥月立つまでに何か来鳴かぬ
  67. 巻17-3984 玉に貫く花橘を乏しみしこの我が里に来鳴かずあるらし
  68. 巻17-3985 射水川い行き廻れる玉櫛笥二上山は春花の・・・(長歌)
  69. 巻17-3986 渋谿の崎の荒礒に寄する波いやしくしくに古思ほゆ
  70. 巻17-3987 玉櫛笥二上山に鳴く鳥の声の恋しき時は来にけり
  71. 巻17-3988 ぬばたまの月に向ひて霍公鳥鳴く音遥けし里遠みかも
  72. 巻17-3989 奈呉の海の沖つ白波しくしくに思ほえむかも立ち別れなば
  73. 巻17-3990 我が背子は玉にもがもな手に巻きて見つつ行かむを置きて行かば惜し
  74. 巻17-3991 もののふの八十伴の男の思ふどち心遣らむと馬並めて・・・(長歌)
  75. 巻17-3992 布勢の海の沖つ白波あり通ひいや年のはに見つつ偲はむ
  76. 巻17-3995 玉桙の道に出で立ち別れなば見ぬ日さまねみ恋しけむかも
  77. 巻17-3997 我れなしとなわび我が背子霍公鳥鳴かむ五月は玉を貫かさね
  78. 巻17-3999 都方に立つ日近づく飽くまでに相見て行かな恋ふる日多けむ
  79. 巻17-4000 天離る鄙に名かかす越の中国内ことごと山はしも・・・(長歌)
  80. 巻17-4001 立山に降り置ける雪を常夏に見れども飽かず神からならし
  81. 巻17-4002 片貝の川の瀬清く行く水の絶ゆることなくあり通ひ見む
  82. 巻17-4006 かき数ふ二上山に神さびて立てる栂の木本も枝も・・・(長歌)
  83. 巻17-4007 我が背子は玉にもがもな霍公鳥声にあへ貫き手に巻きて行かむ
  84. 巻17-4011 大君の遠の朝廷そみ雪降る越と名に負へる天離る・・・(長歌)
  85. 巻17-4012 矢形尾の鷹を手にすゑ三島野に狩らぬ日まねく月そ経にける
  86. 巻17-4013 二上のをてもこのもに網さして我が待つ鷹を夢に告げつも
  87. 巻17-4014 松反りしひにてあれかもさ山田の翁がその日に求めあはずけむ
  88. 巻17-4015 心には緩ふことなく須加の山すかなくのみや恋ひ渡りなむ
  89. 巻17-4017 あゆの風いたく吹くらし奈呉の海人の釣する小船漕ぎ隠る見ゆ
  90. 巻17-4018 港風寒く吹くらし奈呉の江に妻呼び交し鶴多に鳴く
  91. 巻17-4019 天離る鄙ともしるくここだくも繁き恋かもなぐる日もなく
  92. 巻17-4020 越の海の信濃の浜を行き暮らし長き春日も忘れて思へや
  93. 巻17-4021 雄神川紅にほふ娘子らし葦付取ると瀬に立たすらし
  94. 巻17-4022 鵜坂川渡る瀬多みこの我が馬の足掻きの水に衣濡れにけり
  95. 巻17-4023 婦負川の早き瀬ごとに篝さし八十伴の男は鵜川立ちけり
  96. 巻17-4024 立山の雪し消らしも延槻の川の渡り瀬鐙漬かすも
  97. 巻17-4025 志雄路から直越え来れば羽咋の海朝なぎしたり船楫もがも
  98. 巻17-4026 鳥総立て船木伐るといふ能登の島山今日見れば木立繁しも幾代神びぞ
  99. 巻17-4027 香島より熊来をさして漕ぐ船の楫取る間なく都し思ほゆ
  100. 巻17-4028 妹に逢はず久しくなりぬ饒石川清き瀬ごとに水占延へてな
  101. 巻17-4029 珠洲の海に朝開きして漕ぎ来れば長浜の浦に月照りにけり
  102. 巻17-4030 鴬は今は鳴かむと片待てば霞たなびき月は経につつ
  103. 巻17-4031 中臣の太祝詞言言ひ祓へ贖ふ命も誰がために汝れ
  104. 巻18-4037 乎布の崎漕ぎた廻りひねもすに見とも飽くべき浦にあらなくに
  105. 巻18-4043 明日の日の布勢の浦廻の藤波にけだし来鳴かず散らしてむかも
  106. 巻18-4044 浜辺より我が打ち行かば海辺より迎へも来ぬか海人の釣舟
  107. 巻18-4045 沖辺より満ち来る潮のいや増しに我が思ふ君が御船かも彼
  108. 巻18-4048 垂姫の浦を漕ぐ舟楫間にも奈良の我家を忘れて思へや
  109. 巻18-4051 多祜の崎木の暗茂に霍公鳥来鳴き響めばはだ恋ひめやも
  110. 巻18-4054 霍公鳥こよ鳴き渡れ燈火を月夜に比へその影も見む
  111. 巻18-4055 可敝流みの道行かむ日は五幡の坂に袖振れ我れをし思はば
  112. 巻18-4063 常世物この橘のいや照りに我ご大君は今も見るごと
  113. 巻18-4064 大君は常磐にまさむ橘の殿の橘ひた照りにして
  114. 巻18-4066 卯の花の咲く月立ちぬ霍公鳥来鳴き響めよ含みたりとも

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大伴家持

 『万葉集』末期の代表歌人で、官人(?年~785年)。大伴旅人の子。坂上郎女は叔母にあたる。新興貴族の藤原氏が勢力を増す中、没落の途にある大伴家の家長として苦しんだ。746年越中守として赴任、751年少納言として帰京。754年4月兵部少輔となり、このとき防人の事務をつかさどり、防人歌を収集した。758年6月に因幡守となり、759年までの歌が残っている。『万葉集』の編集者の一人と目され、収録作品も最も多く長短歌合わせて473首が載る。すぐれた技巧と繊細な抒情歌に特色があり、その美意識や自然観照の態度などは、平安時代和歌の先駆となる点が少なくない。 

古典に親しむ

万葉集・竹取物語・枕草子などの原文と現代語訳。